校長室に児童ポルノ 「児童のケアを」とは
先日取り上げた集英社オンラインの記事の中で、保護者会に出席した親御さんは、「みなさん、ふだんの保護者会とは雰囲気が違って落ち着きがなく、気が立ってるお父さん方も見受けられました。これだけ事件として騒がれて子供たちへの影響があったらどうするんだという指摘だったり、教育委員会の対応が遅かったんじゃないかという意見も出ました。対応の遅れは被害者の方との兼ね合いもあったのかもしれないですけど、子供たちへの影響、ケアに関しては不安が残るのが本音です。アンケートやカウンセラーなどで簡単に解決できる問題とは思えないし、そこに納得してない保護者が多数いた気がします」と語っていました
まさにここが重要なのですが、教育委員会がこれ以上何かをするでもなく、結局はスクールカウンセラーに丸投げでしょう
「心のケアが必要だ」⇒「スクールカウンセラーを派遣する」というお決まりの対応なのですが、では具体的に何をするのかあまりに考えが及ばない気がします。専門家に任せればそれで解決、と決めてかかるのはいかがなものかと思い取り上げます
◆現役校長が児童売春・ポルノ禁止法違反で逮捕
9月11日、東京都練馬区立三原台中学校の北村比左嘉校長が児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されました。本件は去年11月、都の教育委員会の相談窓口に匿名で「過去に先生からわいせつ行為を受けた」と電話があったことから発覚しました。事件発覚を受け、練馬区教育委員会は、緊急会見を開き謝罪。さらに保護者会を実施し、今後の対応を説明するとともに、生徒たちにはアンケートを行い、結果次第ではスクールカウンセラーなどによる心のケアを行っていくとしています。
一方、8月には教え子の小学生の女の子を盗撮したなどとして逮捕された大手中学受験塾「四谷大塚」の元講師が、同じ女の子の両足を掴んで開き、下着を盗撮したなどとして強制わいせつなどの疑いで再逮捕されました。
これら一連の事件にキャスターの堀潤は、被疑者と関係する学校や塾の子どもたちを慮り、「(被疑者たちは)本来であれば子どもたちを導いてあげる存在なのに」と悲嘆。
Health for all.jp代表の茶山美鈴さんは、「(こうした事件を)認識することで子どもたちは心の傷を負ってしまう。今は日本版DBS(性犯罪歴等確認の仕組み)や法律、政策の改訂が進んでいるが、スクールカウンセラーなどがしっかりとケアしてあげることが大事。それが学校や政治、国がやることだと思う」と子どもたちの心を案じます。
脳科学者の茂木健一郎さんは「こういう事件が起こったときに一番気をつけたいのは、悪いことをした大人を罰することも重要だが、それよりも大事なのは子どもたちの心のケアだと思う」とコメント。
(TOKYO MXの記事から引用)
ケアに要する費用と時間
茂木健一郎は脳科学者ですが、児童心理の専門家というわけではありません。特に児童に対する「心のケア」について、何か具体的な提言を有してはいないのでしょう
スクールカウンセラーの派遣にはお金がかかります。教育委員会はスクールカウンセラーの年間の派遣回数・時間をあらかじめ見積もり、人件費を予算として確保していると思われます。しかし、本件のように突発的な事案があり、精神的な不調を訴える児童が多く出ると、たちまち予算を超過してしまいます。予備費は確保しているとしても
その結果、1人の児童に1度か2度のスクールカウンセラーとの面談で打ち切りとされ、「十分なケア」は受けられないまま放置される事態が起こりえます。無制限に何度もスクールカウンセラーとの面談(児童が納得するまで)を保証しているわけではないと理解する必要があります
特に学校では授業時間にスクールカウンセラーと面談するため、授業を複数回受けられない事態になります。これをどうするか、も考えなければなりません
おそらく1度か2度の面談の後、「もう大丈夫だね?」と念押しされればほとんどの児童は「はい」と返事をするでしょう。しかし、それで問題が解決したと判断するのは早計です
北村容疑者から直接の被害を受けていない児童でも、1か月後、あるいは2か月後に精神的な不調を訴え出る児童が出てもおかしくないのですが、その場合でも「十分なケア」が受けられるのでしょうか?
大人の事情で、「予算がないから」と打ち切ってしまわざるを得ないのですから、決して「十分なケア」が実施されてなどいないと推察されます
さて、学校における性犯罪なら教育委員会なりが対処するわけですが、「四谷大塚」のような学習塾での性被害の場合はどうなのでしょう?
児童が精神的な不調を訴えたとして、カウンセリングを受ける費用を「四谷大塚」が負担するとは思えません、各教室にデビオカメラを設置する費用だけで多額の費用がかかるのでしょうから、児童の心のケアまで負担する余裕はないと言い出すのでは?
学校や塾における性犯罪事件のたびに、「児童に十分な心のケアを」との声が出るものの、実行するには費用も時間もかかると理解する必要があります
スクールカウンセラーの考え方
また、スクールカウンセラーの一般的な了解としては、「学校へ行きたくないのであれば無理に登校しなくてもよい」と児童に言い聞かせます
しかし、親御さんはこどもが学校へ行かない事態に納得はできず、登校するよう強いる形になります。学校側としても不登校児童を増やしたくないので、登校させるよう親御さんに働きかけるはずです
とばれば、スクールカウンセラーと親御さん、学校側で対処が違ってくるわけで、こどもは混乱しかねません
現に不登校の児童を抱えている学校では、スクールカウンセラーが登校を促さないため「問題が解決しない(不登校状態が解消されない)」と不満を出たりします
なので、スクールカウンセラーと教師、親御さんが事前に話し合い、「心のケア」の方向性、中身について合意をしておく必要があります
追記:東京都教育委員会は11月22日、北村校長を懲戒免職にしたと発表しています。なお、北村容疑者は準強姦致傷の疑いで再逮捕されています
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