引き逃げ逃走犯 八田與一容疑者とは

2022年6月、大分県別府市の交差点で信号待ちをしていたバイク2台に軽乗用車を突っ込ません、大学生1人を死亡、1人に重傷を負わせて逃げているのが八田與一容疑者(27)です。この事件をブログで取り上げたつもりだったのですが、書いていなかったと判りましたので取り上げます
八田與一容疑者が事故を起こしたとされますが、事前にバイクの大学生2人とトラブルになり、立腹した八田容疑者が減速しないまま故意に信号待ちしていた大学生に後方から車を突っ込ませており、殺人容疑と言い換えてもよい事件です
元々八田容疑者は千葉県で暮らしていた人物で、事故後は関東方面に潜伏していると考えられ、全国に指名手配されています
ABEMA Timesが八田容疑者の心理分析を取り上げた記事を掲載していますので、一部を引用します
なお、八田容疑者は高校生の時に同級生と口論となり、胸を刃物で刺す傷害事件を起こしており、さらに現場から逃走する際にタクシーを奪って乗り逃げするという強盗事件も起こしています。激高すると歯止めが効かなくなるタイプなのでしょう。この事件で少年院送致となっていました


大分県別府市で発生したひき逃げ事件で、逃走を続けている八田與一(はった・よいち)容疑者(27)が交際相手に宛てた手紙を入手。心理学者が人物像について分析した。
女性は手紙が送られた時期を特定しないという条件のもと、筆跡だけでなく人物像などの分析がなされ、少しでも逮捕につながれば、という思いで手紙を提供してくれた。
手紙に書かれていたのは、女性に好意を寄せている気持ちや自らの改善点について、さらに女性に対しても改善点を要求するといった内容だった。
この手紙を見た心理学者で明星大学の藤井靖教授は、八田容疑者について「直情的だと思う」と分析する。「(手紙の)前半部分で『オレが◯◯ちゃんのことを好きなところ』など、とにかく文章や内容の整理を考えずに、自分の気持ちのままに羅列している。こういう文章を書く人は直情的で自分の感情に素直で、いろんなことを行動に出したりしやすい」
「手紙自体が3ページあり、最初は結構丁寧に文字も整って書いているが、3ページの1行目ぐらいからどんどん字も小さくなって乱雑な文字になってきている。感情優位の人はとにかく早く書き終わりたい、自分の感情を具現化したいという思いが強まるあまり、字が小さくなる」(藤井教授)
さらに藤井教授は「文面全体に『自分本位』だと感じた」と話す。「最初付き合って1カ月で、二人のことや今後の展望、未来を書いて、その後相手のことを書いているんですけど、自分が相手についてどう思うかで、もう2ページ目については丸々自分自身のことをずっと書いている」と説明した。
「特徴的なのは、いろいろ自分についての内省的なことを言った上で、最後のところで相手に『こうして欲しい』という、相手の非をついてこう改善して欲しいと言っている。それが圧力。自分のことを書きつつ、最後には相手に求めたいことを持ってくるというのが、自分本位な手紙や主張だ」(藤井教授)
一見するとラブレターに見えるが、藤井教授によると「反省文的な特徴」があるという。「例えば、『自分自身が損得勘定で考えたりしがちだ』『考え方のクセ』『環境のせいにしがち』と書いてあり、これはおそらく自分で思ったことではなく、誰かに指摘されたことである。その言われたことに基づいて、過去何らかの反省文を書いた経験がある」と推察した。
「直情的なタイプの人っていうのは、自分にストレスが降りかかって、自分が被害を被っていると感じた時にバッと行動に起こしてしまう。犯罪という観点から見たら、犯罪を犯した後なんて考えていない、計画していないと思うので。その時の思うがままに行動をする。(逃亡時)裸足になったというのも、裸足なんか気にせずに、とにかく行動に起こして逃げているから、より逃げられるということも考えられる。一方、逃げている間は自己正当化が働く。自分が逃げていることは正当なこと、自分の中で納得してしまう。逆に捕えられにくい」(藤井教授)
(以下、略。ABEMA Timesの記事から引用)

明海大学の藤井教授は文章分析の分野を開拓中で、当ブログでも時々登場します。以前は、法務省にも勤務しており、自分と勤務していた時期が重なっています
さて、八田容疑者について、「反省文を書いた経験がある」と藤井教授が指摘しています。これは少年院で課題作文指導を受けた経験が影響しているのでしょう。事件や自身の性格、友人関係などについてさまざまなテーマを与え、作文を書かせる指導を少年院では実施しています。一般の高校生や大学生よりも遥に多くの作文を書く経験をします
ただ、そうした指導も八田容疑者の中では響かなかったのか、本質は高校生時に傷害事件を起こしたままだと推測されます。文章の書き方には少年院の作文指導の名残があるにしても
先日も書いたように、少年院の指導は洗脳教育ではありません。薬物を投与したり、頭の中に手を突っ込んで人格改造を試みるような行為はしていないわけで、積極的に自分を変えようとする意志を欠いた少年には響かないのが実情です。逆に言うと、少年院での教育を八田容疑者は役立てようとはしなかったわけです。自分を変える(成長させる、見聞を広めて狭小な考えから脱する、大人になる)のを拒む理由はさまざまですが、八田容疑者の場合は、どうだったのでしょう
享楽的な生き方を求め、今が楽しければそれでいいと決めつけ、後先のことなど考えず、「自分を変える必要なんかねえよ。オレはオレのままでいいんだ」とする思慮を欠いたクソガキのままだから、かもしれません
いずれにせよ、早く逮捕され、法廷で裁きを受けさせたいものです。目撃情報が集まり、逮捕に至ることを祈念します

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