甲府放火殺人 初公判で黙秘

甲府の定時制高校に通っていた遠藤裕喜被告は交際を申し入れた女子生徒にフラレたのを恨み、女子生徒の両親を殺害した上に住宅に放火したとして逮捕、起訴されました。その初公判が開かれ、遠藤被告は裁判官の問いかけに一切答えず、黙秘したと報じられています
起訴事実(犯行内容)については争わない方針だと、弁護人は述べていますがなかなか難しい裁判になりそうです


山梨県甲府市の住宅で夫婦が殺害された殺人放火事件で、当時19歳だった被告の裁判員裁判が甲府地裁で25日、始まりました。
裁判は、改正少年法により被告が特定少年として全国で初めて実名が公表された事件として注目され、午前8時頃から傍聴券を求めて約400人が並びました。
当時19歳の遠藤裕喜被告は2021年10月、甲府市の住宅に侵入して50代の夫婦をナイフで刺すなどして殺害し、夫婦の次女も殺害しようとしたほか、この家に火をつけたとして殺人などの罪に問われています。
裁判は午前10時半すぎから始まり、被告は髪を坊主にして上下黒のスーツに白のワイシャツ姿でうつむきながら入廷。被告は名乗らず終始無言で、罪状認否では弁護人が次女への殺意を否定した上で「それ以外の起訴事実については争わない」などとしました。
現在、検察側の冒頭陳述が行われています。
今後、裁判は12月11日まで26回行われ、その後、判決の日程が設定されます。
(YBS山梨放送の記事から引用)


刑事裁判では最初に裁判官が人定質問を行います。被告が本人であるかを確認するという形式的な問いですが、遠藤被告は自分の名前も生年月日も答えなかった…と記事から伝わります
おそらく弁護人との打ち合わせの上で、「答えたくない質問には答えなくてもよい」とか、「こちら(弁護人)で必要なことは話すので、君は黙っていた方が良い」などと言い含めてあるものと推測します。法廷戦術ですからそれを悪いとは言いませんが、その狙いがどこにあるのか気になります
弁護側は心神耗弱により刑事責任能力が減退していたと主張し、減刑を狙う作戦のようです。遠藤被告は定時制高校に通い、生徒会長も務めていましたので「精神分裂病だった」として心神喪失を主張するのは無理があります。まったく正常な生活をしていた人間が1週間やそこらで重篤な精神病になるとは考えられないわけで
そこで、「女子高生にフラレた精神的ショックにより混乱し、我を忘れて犯行に至った」などなどのストーリーを描き、著しく判断力が減衰した状態にあったので減刑すべしと主張するものと予想します
別の報道によれば、弁護側は精神科医や大学教授など6人もの証人を立てる予定とあり、そのために26回という異常な回数の公判が開かれます。心理鑑定による結果などを出して、遠藤被告の未成熟な人間性を強調したり、恵まれない生い立ちによって精神的外傷を抱えていたとか、情状をアピールするのかもしれません。ただ、現代の刑事裁判では精神鑑定ほどは心理鑑定が重視されてはおらず、あまり説得力を持たないのが実際です
最後に、弁護人は次女への殺人未遂を否定し、その点については争う方針のようです。が、夜中に家に火を放っておいて「次女だけは殺すつもりがなかった」との主張は無理筋です。次女に逃げるよう勧告したならともかく、遠藤被告は次女の命が助かるよう行動した事実はありません。つまり、家族全員を殺害しようとの意思があったのは明らかでしょう
謝罪の気持ちもなく、罪を罪として認めるでもなく、ただ法廷戦術を駆使して減刑を図ろうという弁護側のやり方に同情や支持が集まるはずはありません

(関連記事)
甲府放火殺人 遠藤被告に死刑判決
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/502099722.html
甲府放火殺人 死刑を求刑
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501724002.html
甲府放火殺人 「被告の犯行理由に納得できない」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501651111.html
甲府放火殺人 「長女を拷問するつもりだった」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501599650.html
甲府放火殺人 「責任能力に問題なし」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501561590.html
甲府放火殺人 黙秘の理由語る
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501447136.html
甲府放火殺人 謝罪の手紙朗読
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501410795.html
甲府放火殺人 公判で明かされた犯行実態
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501331140.html
甲府放火殺人 公判で耳を塞ぎ黙秘貫く
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501270730.html
甲府放火殺人 公判では責任能力を争うか
甲府放火殺人 10月に初公判
甲府放火殺人 「家族全員殺すつもり」
甲府放火殺人 精神鑑定実施へ
甲府放火殺人 少年A(19歳)の生き様
甲府放火殺人 犯人は19歳の生徒会長
甲府放火殺人 交際拒否で逆恨み
甲府放火殺人 19歳少年を逮捕
ストーカー問題 自我・他我はどう形成されるのか2
ストーカー問題 自我・他我はどう形成されるのか1
高槻市マンション殺人事件 男子高校生死亡
高槻市マンション殺人事件 犯人は男子高校生
東大試験会場で刺傷事件 「俺は東大を受験する」
東大試験会場で刺傷事件 17歳高校生逮捕
白金高輪駅硫酸男 花森被告に懲役3年6月判決
白金高輪駅硫酸男 ストーカー行為と大失恋
白金高輪駅硫酸男 妄想性人格障害か?
八戸高専事件 ストーカーの濡れ衣を着せられ