岡山女児虐待死を考える 船橋被告に懲役14年判決
6歳の女児に虐待を加えて死亡させた船橋誠二被告に対し、岡山地裁は懲役14年の判決を言い渡しています(求刑は懲役18年)
なぜ懲役14年なのか、との疑問が残ります。検察側は虐待を「拷問にも等しい」と指摘し、懲役18年を求刑しました。過去の虐待死事件では懲役12年から16年の判決が出ており、その平均的などころで14年としたのでしょうか。ただ、虐待の程度からすればかなり悪質であり、検察が懲役18年という思い切った求刑をしたのに、判決はそれに応えていない感がありありです
岡山市の西田真愛まお ちゃん(当時6歳)が母親と交際相手から虐待を受けて2022年に死亡した事件で、交際相手の内装工・船橋誠二被告(40)に懲役14年の判決が言い渡された。地裁は母親の彩被告(35)(逮捕監禁致死罪で起訴)について「共犯者」と言及し、「誰からの助けも得られない状況で、被害者が受けた精神的苦痛は計り知れない」と述べた。
19日午後3時の開廷に先立ち、船橋被告は硬い表情で地裁100号法廷に入廷した。これまでの公判と同様にグレーのスーツ姿だったが、この日はマスクは着用していなかった。
本村暁宏裁判長は、時折船橋被告の顔を見ながら、約15分にわたって計19件の強要や逮捕監禁致死などの認定した事実を読み上げた。船橋被告は何度も唾を飲み込むようなしぐさを見せ、まっすぐ前を向いたまま判決を聞き続けた。
判決では量刑の判断について、「無抵抗の幼い真愛ちゃんを日常的に虐待した果てに、死亡という結果が生じたことが重視されるべきだ」とした。虐待行為については、「16日間、連日にわたって過酷な強要行為に及んだ」と指摘。「真愛ちゃんを不安定なポリタンクの上に立たせたり、裸にして霧吹きで液体を吹き付けて冷房などの風を当てて寒がらせたり、より過酷にエスカレートさせた」として批判した。
判決後、本村裁判長は船橋被告に「真愛ちゃんがどれだけの苦しみを感じたか、しょく罪の思いを持ち続けてほしい」と語りかけ、「主文の内容はわかりましたか」と問うと、船橋被告は鼻をすすりながら、小さくうなずいた。最後は弁護人に頭を下げ、法廷を後にした。
弁護人は報道陣に「被告人なりの真実は伝わったので、否定的な受け止めはしていない。控訴するかどうかは被告人と話し合って決める」と述べた。
判決後、裁判員ら6人が記者会見に応じ、苦悩して判決を出した思いを振り返った。
公判で裁判員らは、船橋被告が彩被告の自宅に設置したカメラに残された虐待の映像を確認した。
(読売新聞の記事から引用)
弁護人の言うところの、「被告なりの真実は伝わったので、否定的な受け止めはしていない」は意味が分かりません。被告は「しつけのためにやった」と主張し、弁護人にすれば裁判では通用しない言い分だと思いながらも、被告の主張に沿った弁護をしたのは理解できます
しかし、「しつけ」の主張は全面的に退けられており、船橋被告が納得する要素がどこにあるのかと思ってしまいます
また、船橋被告が己の所業を心の底から「しつけ」だと信じていたとは考えられません。サディスティックな性的欲求を「しつけ」と誤魔化し、楽しんで虐待を続けていたのが実際でしょう。ただ、船橋被告はそうだと認めたくないだけなのでは?
判決内容が逮捕監禁致死罪を否定し、過失傷害致死で懲役6年程度の判決であれば船橋被告の主張が認められたと言えるでしょうが
まあ、そこは弁護人と船橋被告の間でどのような話し合いが行われていたのか不明ですから、外野がとやかく口を挟むのは無駄でしょう
虐待を黙認していた母親の西田彩被告の裁判はこの後から始まります。そちらにも注目しましょう
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