八戸高専事件 ストーカーの濡れ衣を着せられ

ニュースをチェックするのが日課です。今日は八戸高専事件の控訴審が結審した、との報道をみかけましたので、この事件を取り上げます
まずは控訴審の決裁を報じた記事を貼ります


男女交際を巡って脅迫を受け自殺を図り、下半身不随になったとして、八戸高専(青森県八戸市)の20代元男子学生が、学校を運営する国立高等専門学校機構(東京)などに約1億9800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は29日、仙台高裁(石栗正子裁判長)で結審した。判決は来年1月23日。
1審の青森地裁判決は高専側の安全配慮義務違反を認め、同機構らに賠償金の支払いを命じた。控訴した高専側は、自殺行為の予見はできなかったと主張。「賠償責任を負わなければならないような事案ではない」とした。元学生側は、控訴棄却を求めた。
1審判決は、元学生が以前、交際していた女性に性的暴行をしたと思い込んだ男性に脅迫され、自殺未遂に追い込まれたと認定。高専の学生主事は、根拠を欠いたまま「指導に従わなければストーカーとみなす」などと元学生に不適切な指導をした。
(産経新聞の記事から引用)


この短い記事では事件の概要が把握できないので、デイリー新潮の記事を以下、引用します
あらましとしては、八戸高専の学生だった男子が以前付き合っていた元カノから自宅に呼ばれ、ベッドでいちゃいちゃする結果になったのですが、元カノがその事実を今カレに伝えたところから始まります。今カレの父親がそのやり取りを知り、男子学生がいまだに元カノ=息子の彼女に性行為を強要していると思い込み、脅迫したり八戸高専に通報したりと圧力をかけ、男子学生を自殺に追い込んだ…というものです
元カノの方もかつての交際相手であった男子学生に未練があったのか、今カレと両天秤にかけようとしたのか?
ともかくも、元カノが男心を弄んだ結果、自殺未遂から訴訟合戦に発展した事件です
記事に登場する人物はいずれも仮名となっており、山田=今カレの父親、榊原=元カノ、石原君=自殺未遂で半身不随となった男子学生、沢井誠二=八戸高専の学年主事です


高専生自殺未遂で同級生の父に「2億円賠償命令」の理由 学校ぐるみで”凄絶いやがらせ”が
(前略)
息子可愛さからか、山田氏はまず、匿名で学校に電話を入れ、“石原君が婦女暴行まがいの行為を働いたので調査してほしい”と通報。また、石原君とクラス担任にも、同様の趣旨をやはり匿名でメールし、問題は学校側の知るところに。
「裁判では、榊原さんが山田氏に性行為を明確に否定しなかったことが、山田氏の脅迫行為を助長したのではないかという部分も争点になりました」(同)
さらに山田氏はTwitterの機能も使い、これも匿名で、石原君のアカウントに宛てて、〈性犯罪者って再犯率が高いんだって?〉などと投稿。石原君を追い込んでいく。先の記者が言う。
「その後、山田氏は高専側に素性を明かした上で、学生主事の沢村誠二氏(仮名)に対して、石原君を榊原さんに近づけぬよう申し入れを行います。その学生主事がまた問題で、騒動を収めることを優先。石原君の言い分も聞かず、彼に対して、榊原さんに近づいたらストーカーとして指導することになる、そうなれば保護者にも連絡することになる、と強い口調で“指導”してしまったのです」
遺書の中身
先生にも一方的にストーカー扱いされて見放された石原君は、山田氏から電話やメールで直接の面会を強要されて人生に絶望。自殺を図った当日には、次のような遺書もしたためている。
〈今日僕が死んだのであれば、原因は沢村誠二と山田義男にある。この2人は僕を犯罪者にしたてあげた〉
地裁は榊原さんについては当時、未成年者であり、山田氏を止めるのは容易ではなかったと認定。山田氏のあまりの勢いに、榊原さんが本当の事を言えなくなった可能性があったとしたら、悲劇と言うほかない。一方、山田氏と学校側については、その責任を認めている。
前出記者の話。
「学校側と山田氏は総額1億8529万7240円の賠償金を支払う義務を連帯で負いましたが、その内、約1億円は石原君が失った将来の逸失利益を根拠に算定したものです」
(以下、略)


人間関係を引っ掻き回した元カノ=記事では榊原が一番の元凶なのですが、損害賠償支払い請求の相手方はあくまで山田と八戸高専です
当時未成年者であったとしても、元カノに賠償請求しないのは謎です。損害を与えた割合からすれば、元カノ4割、山田4割、八戸高専2割といったところでは?
山田は己の信じる正義に基づいて不埒な男子学生を成敗してやると勢い込んだのでしょうが、とんでもない失態を犯したわけです。なお、控訴は八戸高専側の事情・理屈によるものであり、山田は賠償支払いの判決を受け入れています。八戸高専側も山田の告発を真に受け、男子学生を圧迫する必要はなかったとはずです。学校は捜査機関ではないのですから、事実関係など追及するのは警察に任せ、生徒指導の範疇に留めるべきでした。「ストーカーとして指導する」とは余計な発言であり、生徒指導の範疇を超えたものです
では元カノはどうなのでしょう?自殺未遂事件は2017年6月です。自身に損害賠償請求がこなかったのを幸いにとどこかへ移り住み、既に誰かと結婚し生活をしているのでしょうか?

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