中国政府 「和服も日本アニメもダメ」と規制強化
中国政府は思想の堅実化、強化に取り組んでいます。本当は不動産バブルの処理が間に合わず、風紀取締にかまける余裕などないと思うのですが、習近平国家主席の肝いりで推進されているようです
具体的には日本アニメのキャラクターのコスプレをして街頭を歩いたり、和服姿で歩くのは「民族精神を損なう」として取り締まりの対象にしようというものです
恐怖心で“おとなしくさせる”法改正
ーー中国のSNSで日本のコスプレを注意されている動画をよく見るが?
中国には日本のアニメが大好きな若者がたくさんいて、それで日本に留学するケースも多いです。
日本でアニメ由来の場所を巡礼したり、公園で忍者や侍の格好をして写真を撮っている風景は、ずいぶん昔からありました。
今回、それを禁止することを法令化し、違反すれば罰金ないしは拘留といった処罰が課されるという点で、中国国内でも一般の人だけでなく、専門家も反対意見をメディアに出しています。
実際の例として、「漢服」という中国の古典的な衣装を着ている人たちが、日本の和服と間違われて注意されている動画がSNSに流れています。
しかし、この法案は単に日本に向けたものではありません。中国政府はもっと広い意味合いで、治安管理処罰法の中に書き込んで法制化するよう動いています。
ーーSNSを見るとトラブルの対象はほぼ日本の衣装だが?
中国が改革開放政策を打ち出すまでは、裾の広いジーンズを履いていたら注意される時期もありましたが、今は西洋の服装に関してはほとんど話題になりません。
やはり日本がターゲットになるパターンが多いです。
ただ、今回の改正案は、同性愛を想起させるような服装でコンサートに行くと注意されるなど、日本だけに向けられたものではありません。
広く、多元的に踏み込んでいる法案です。
根底にあるのは、「中華民族」というキーワードです。中華民族の“精神”や“感情”を損ねるような服装やシンボル、物品、言論が対象になります。
「中華民族」を強調する背景には、若い人の高い失業率や治安維持の問題があり、以前から「反スパイ法」や、香港の「国家安全維持法」など、習近平政権になってから治安維持関係の法律が相次いで作られています。
今回もその流れの一環です。
一番大事なポイントは、当局がいろいろな理由をつけて拘束したり、罰金を取ることができることです。
こうした法律を中国では「ポケット罪」といいますが、ポケットの中に何でも入ってしまうような感じで、当局の解釈次第で、拘束したり、罰金を取れるという恐怖感を与え、「おとなしくしなさい」という意味合いがあります。
その例として「中華民族」という言葉が使われています。
異質なものは全部排除
中国のSNSでは、ショッピングモールで日本アニメのコスプレをした若者がトラブルに見舞れたり、浴衣を着ていた中国人女性が警察に「君が着ているのは日本の浴衣だ。中国人としてどうなんだ!」と怒鳴りつけられ連行される様子などが多く配信されている。
これらの動きについて興梠教授は、「日本だけに向けられたものではなく、中国政府による統制強化」だと指摘する。
ーー中国政府の狙いは?
外交問題などで揉めた時、中国当局はよく「中国の人民が怒っている」と言いますが、ちょっとそれに似ている感じです。大きな意味でこれは「治安維持」なんです。
要するに、服装を画一化したり、宗教の中国化も進められていますが、新疆ウイグル自治区とかチベット、キリスト教の中国化なども習近平政権になってからキーワードになっています。
ちょっと異質なものを全部排除して、思想も含めて全部統一していこう、ということです。
その中でたまたま日本が引っかかりやすいというのは当然あります。ビジュアル的に和服がやり玉に挙げられるということです。
昔から「精神的日本人」という言葉もあって、若い人たちが日本の文化、特にアニメに憧れて日本びいきになることを政府は嫌がり、批判するわけです。
中国国民を団結させるためには、日本は便利な存在でシンボルなんです。これは過去の戦争の経緯があるからそれをうまく使うんです。
(FNNプライムオンラインの記事から引用)
いつも書いているように、「日中戦争で日本軍を打ち負かしたのは中国共産党である(実際には蒋介石率いる国民党です)」という、中国共産党の主張が、そのまま中国を支配する彼らの根拠です。つまり、日本=悪との図式の上に中国共産党の支配が成立しているわけで、日本を貶めることが政治的な支配の強化、統制強化に結びつき、権力基盤を固める役割につながっているのです
それにしても中国の「民族精神」とやらが、「日本アニメのコスプレ程度で揺らいでしまうほど脆弱なもの」と意味しているのであり、失笑を禁じえません
日本の場合、コミックマーケットの会場でチャイナドレスのコスプレを披露している女性がいたとして、それで「日本の民族精神が揺らいでしまうから禁止せよ」などと言い出す政治家はいないでしょう。言い出したならネタ扱いされるだけです
中国共産党(習近平)が己の権力基盤を失うのを恐れ、ビクビクしているのが伝わってきます
また、理屈をつけて日本の劇場版アニメの公開を禁止したり、アニメのネット配信に規制をかけるのかもしれません。武力ではなく、漫画やアニメといったサブカルチャーが中国共産党を畏怖させている、というのは随分と皮肉な話です
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