交際女性の娘に淫行 母親と男に実刑判決
いわゆる母子家庭のところに男が上がり込み、その娘にまで手を出すという人間性を疑うような犯罪があります。母親でも、娘でもどちらもセックスの対象としか見ていないのであり、往々にしてこうした男は無職でヒモだったりします
さて、こうした犯罪はしばしば耳にする所ですが、実際に事件として立件されるケースはさほど多くないのが実際です。被害者（こども）が被害を届け出るのはハードルが高く、泣き寝入りしてしまう場合がほとんどです
自分も少年鑑別所勤務時、家出をして徒遊状態の少女たちから話を聞かされました。母親がヒモのような男を家に引き入れ、その男が父親面をするようになり、母親が夜の仕事（ホステス）で家を留守にしている間に体を求めてくる…というパターンです。それが嫌で家を飛び出し、売春したり暴走族をやっている男と同棲したり、と続きます
少女たちを補導し、少年鑑別所に入れたり少年院に入れるのも保護政策ですが、大元にあるヒモ男をどうにかしないといつまでも後手に回るだけです
松江地裁がヒモ男に実刑判決を下していますので、取り上げます
ことし１月、交際相手の娘にあたる１０代の女性に性的暴行を加えたとして、監護者性交等などの罪に問われた被告に対し、松江地方裁判所は懲役６年の実刑判決を言い渡しました。
被告は監護者の立場ではないものの、母親である交際相手の共犯として「身分なき共犯」の規定で起訴されていました。
松江市の無職、津野田陸被告（３１）は、ことし１月、３９歳の交際相手の被告と共謀し、交際相手の娘が１８歳未満と知りながら性的暴行を加えたなどとして、監護者性交等などの罪に問われました。
「監護者性交等」の罪では、父親など、１８歳未満の子どもの生活を支える大人である監護者が、その影響力を利用して性的な行為をした場合に処罰されるものです。
松江地方裁判所で行われた判決で、今井輝幸裁判長は「津野田被告は被害者の監護者ではないものの、被害者に性交に応じさせるため監護者である交際相手に説得を要求するなどしていてその影響力を認識して利用する意思が明らかだ」などと指摘し、「身分なき共犯」の規定を適用しました。
そのうえで「被告が当時１６歳の被害者との性交に至ったのは被害者の人格を無視した卑劣な犯行で悪質というほかない。被害者が被った身体的、精神的苦痛も多大である」などとして懲役６年の実刑判決を言い渡しました。
また、被害者の母親である交際相手については懲役５年の実刑判決としました。
（NHKの記事から引用）
上記の記事の末尾に「被害者の母親である交際相手には懲役５年の実刑とした」と書かれているのは間違いです。津野田睦被告＝ヒモ男に懲役６年（求刑は懲役９年）の判決が下され、被害者の母親に懲役５年（求刑は懲役６年）が言い渡されています
さて、津野田被告は母親の交際相手という立場で、実際には内縁関係にあったと見なされますが、法律上は監護者には該当しません。そこで監護者に該当しないものの、少女の母親に対して影響力を及ぼすことが可能な人物として監護者に準じる存在と認定し、「身分なき共犯」として立件したものです
もちろん、監護者性交罪に問わずとも、未成年者に対する同意なく性交を強いたとして不同意性交罪と児童ポルノ法違反で起訴することも可能でした。が、本件では家に転がり込んできたヒモ男にも監護者に準じる立場と認め、その責任を問い、有罪判決を得たというのが１つの成果でしょう。「母親の男」との立場につけ込んだ卑劣な犯行として糾弾できたのですから
被害者の受けた精神的苦痛がこの判決で癒やされたりはしないのですが、多少なりとも鬱屈を晴らし前を向いて生きるきっかけになることを祈念します
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