京都アニメーション放火事件 妄想を弄ぶ青葉被告
青葉真司被告は自作の小説に描いたシーンを「京都アニメーションの作品に無断でパクられた」と怒り、放火殺人に至ったとされます
法廷で青葉被告が京都アニメーション主催のライトノベル新人賞に応募した2つの作品、短編の「仲野智美の事件簿」、長編の「リアリスティックウェポン」の2つでパクられたとされる部分が読み上げられ、かつ京都アニメーションの作品のパクリに相当すると青葉被告が申し立てた部分が再生されています
こうした検証作業も青葉被告側の主張によって行われたもので、裁判官や裁判員に作品がパクられた事実を証明しようとしているのでしょう
現代ビジネスが公判の模様を記事にしていますので、一部を引用します
【京アニ詳報】遺族呆然、青葉真司の嘘八百…「盗作」主張した3件のデタラメ、「妄想に支配されていた」主張が次々と検察に打ち破れた《京アニ女性監督の名前まで出して》
(前略)
青葉被告は京都アニメーションの3つの作品で、自分の小説の中身が「パクられた」と主張している。盗用したのは、京都アニメーションで数々の受賞経験がある女性監督だとも語った。
「パクられた」というのは、青葉被告が2016年に「京都アニメーション大賞」の小説部門に応募した短編の「仲野智美の事件簿」、長編の「リアリスティックウェポン」の2つである。
自分のノートにシーンがあった
「2009年ころに『涼宮ハルヒの憂鬱』に感動した。ハルヒがなければ小説は書いていなかった」「10年をかけた大作、金字塔」と青葉被告は自身の小説を絶賛したが、どちらも京都アニメーション大賞には最終選考にすら残れず、落選している。
検察は法廷で青葉被告の作品「リアリスティックウェポン」の要約を朗読したものの、正直、落選という結果は当然というもののように思われた。
そこで裁判では検察と弁護側の双方が、「パクられた」という該当箇所を青葉被告に示し、詳細を聞いた。
青葉被告が問題だとしたアニメは「ツルネ―風舞高校弓道部―」「けいおん!」「Free!」という京都アニメーションを代表する作品ばかりである。法廷では傍聴席から大きなディスプレイで、アニメのワンシーンを流すという異例の立証が行われた。
高校の軽音楽部が舞台になっている「けいおん!」では、女子高生が「私、留年しちゃった。これからは同級生」と言いながら、後輩に抱きつくシーンがある。この部分に関して、青葉被告は自分が応募した小説でも「最初のところに留年したと書いていた」と述べ、類似していることを主張。
(中略)
「Free!」は、高校の水泳部を描いたアニメだ。水泳部が地区大会に出場が決まり、学校からその報告がなされ、校舎には「地区大会に出場」という垂れ幕が風になびいていた。「自分の小説の中では垂れ幕を垂らしたままで、自由な校風を意味している。垂れ幕がパクられた」と語った。
いずれも苦しい主張だが、京都アニメーションの数ある作品の中で、「パクられたのは3つ以外にあるのか」と聞かれた青葉被告は「ありません」と明確に答えた。
監督への思いを聞かれ「Loveになります」
青葉被告が盗作されたと主張する3つのシーンとも、高校の部活動を描いたにすぎず、よくある日常の風景で、その部分だけみてもオリジナリティはまったく感じられない。そもそも「けいおん!」と「Free!」は青葉被告が2つの小説を応募する前に発表された作品だし、「ツルネ」にいたっては、青葉被告が公開していない「ネタ帳」にあったと主張しているだけだ。
(以下、略)
最終選考にも残らなかった応募作品の原稿を、よくもまあ京都アニメーションが保管していたものだと思います。通常ならすでに廃棄処分になっているところです
省略していますが、上記の記事はインターネットの掲示板「2ちゃんねる」で「けいおん!」の山田尚子と知り合い、執筆して作品について励まされたと青葉被告の主張が続きます。が、「2ちゃんねる」は匿名掲示板です。青葉被告も匿名で書き込んでおり、励ましをくれたとする人物も匿名です。それをなぜ山田尚子監督だと特定しているのか、謎です
また、青葉被告が再三口にしている「公安に見張られている」との主張も、精神鑑定時に「そうした設定」である旨の説明をしているようで、彼が「公安に見張られている優秀な作家」との設定を弄び、浸っていたものと推測されます。京都アニメーションから才能を認められ、山田監督からも認められる展開を、青葉被告は強烈に欲していていたのでしょう
京都アニメーションの新人賞に落選した現実を受け入れられず、さまざまな設定を組み合わせた妄想を弄んでいるうち、抑えが効かなくなって犯行に及んだ…のでしょうか?
妄想に支配されていたのではなく、妄想を弄んでいるうちに、妄想に翻弄されてしまったというのが実際ではないか、という気もします
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