こども3人殺害した父親 無期懲役確定

自分のこもど3人(うち、1人は養子)を殺害したとして無期懲役判決を受けた田中涼二被告は、判決を不服として最高裁まで争っていましたが、最高裁が上告を棄却する決定をし、田中被告の無期懲役が確定しています
田中被告は2010年代半ばまで九州の指定暴力団に所属しており、服役した経験もあります。暴力団を抜けたとはいえ、3歳や2歳のこどもを1人で育てるのには無理があったのでしょう。田中被告が生活保護費を受け取りながら妻にこれを渡さなかったため、妻が家を出たという経緯があります。逮捕後は一貫して心中するつもりだったと述べてはいるものの、それも親の身勝手な言い分です。3歳や2歳のこどもに心中する意志があるわけもなく
父親だからといってこどもを殺し、その将来を奪う権利などありません
1審福岡地裁での被告人質問の模様を報じた記事と、同じく1審で無期懲役判決が言い渡されたと報じた記事の2本を貼ります


去年、飯塚市で当時9歳の長男に暴行を加えて死亡させたうえ、鹿児島市のホテルで次男と長女を殺害したとして殺人や傷害致死などの罪に問われている父親の裁判で被告人質問が行われ、父親は「次男と長女を殺したのは私の勝手な都合です」などと述べました。
住所不定の田中涼二被告(42)は去年1月から2月にかけて飯塚市の団地などで小学3年生だった長男の大翔くん(当時9)に暴行を加えて死亡させたあと、鹿児島市のホテルの部屋で次男の蓮翔ちゃんと(当時3)長女の姫奈ちゃんの(当時2)首をしめるなどして殺害したとして、殺人と傷害致死の罪などに問われています。
福岡地方裁判所で行われている裁判で、きょう被告人質問が行われました。
この中で田中被告は、長男が死亡した時の状況について「車の中で小便を漏らしたことに腹がたち太ももを複数回たたいた。そのあと反応がなくなり、人工呼吸や心臓マッサージをしたが、生き返ることはなかった」と述べました。
田中被告は長男に対する傷害致死の罪について起訴内容を否認しています。
きょうの質問で救急車を呼ばなかった理由について聞かれたのに対し「次男と長女と離ればなれになるのが目に見えていて怖くてできませんでした」と述べました。
また事件後に自殺しようとしたことについて「一緒に死んだら償えると思った。次男と長女を殺したのは私の勝手な都合です」と述べた一方、「生きて自分が更生することが償いになると思います」とも述べました。
(NHKの記事から引用)

福岡県飯塚市で当時9歳の養子に暴行を加えて死亡させた上無理心中を図ろうと鹿児島市のホテルで実の子である3歳と2歳の子どもを殺害したとして殺人や傷害致死の罪に問われている父親に対し福岡地方裁判所は「何ら罪のない子どもを巻き込んでいて同情の余地はない」として検察の求刑どおり無期懲役の判決を言い渡しました。
住所不定の田中涼二被告(43)は、去年1月から2月にかけて、飯塚市の団地などで養子で当時小学3年生の大翔くん(当時9)に暴行を加えて死亡させた上鹿児島市のホテルで実の子である蓮翔ちゃんと(当時3)姫奈ちゃんを(当時2)首を絞めるなどして殺害したとして、殺人や傷害致死の罪などに問われました。
11日の判決で福岡地方裁判所の武林仁美裁判長は、被告側が否認した大翔くんに対する傷害致死の罪について暴行と死亡の因果関係を認め、被告側の主張を退けました。
その上で「被告は3人の子どもをひとりで養育していたが、児童相談所に預けるなどして育児ストレスを軽減することは難しくなかった。養子を虐待死させ、そのことが捜査機関に発覚することで実の子2人と離ればなれになりたくないという身勝手な願望に、何ら罪のない子どもを巻き込んでいて、同情の余地はない」と述べ、検察の求刑どおり、無期懲役の判決を言い渡しました。
最後に裁判長は「愛する子どもの命を奪った意味と、あなたが生き続ける意味をきちんと考え、生涯をかけて罪から目をそらすことなく向き合い続けて下さい」と諭しました。
(NHKの記事から引用)


なお、田中被告の両親は彼が幼い頃、借金を苦に練炭自殺をしています。その後、さまざまな出来事があって暴力団員になったのでしょう
また、田中被告の元妻は山本美幸で、あの「大宰府主婦ホスト漬け殺人」(2019年)の主犯であり、懲役22年の実刑判決を受けて服役中に死亡しています。太宰府主婦ホスト漬け殺人については、いずれ取り上げるつもりなので詳細は省略します
さて、長男(養子)の大翔君は発達障害があり、対応が難しいこどもだったようですが、田中被告は怒鳴りつけ、殴りつけて服従させていたようです。大翔君の死亡について田中被告側は病死だったと主張していましたが、1審では田中被告の暴行による傷害致死と認定しており、この点を不服として最高裁まで争ったわけです
生活能力がなく(田中被告は生活保護を受給)、育児も満足にできない状態で3人のこどもを抱え、たびたび児童相談所の介入を受けたもののこどもを養護施設に預ける勧告を拒絶し、果ては心中事件に至ったケースであり、後味の悪さだけが残ります

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