小学生「防衛費なぜ上げる?」と岸田首相に手紙

私立和光小学校の6年生が岸田首相に防衛費増額や沖縄に基地がある理由など問う手紙を書いた、と毎日新聞が記事にしています
こどもの素朴な疑問に大人たちを虚を衝かれ、答えられず説明できずしどろもどろになる…という場面を想像したのか、いかにも毎日新聞らしい記事です
が、安全保障や外交に疑問を提起する手紙を書いたものの、記事を読めばこどもたちの理解不足が明白であり、社会科や総合学習の成果と呼ぶにはあまりに稚拙でしょう。沖縄に米軍基地が存在する理由など、戦後からの日本の安全保障や日米安保条約を巡る動きを調べれば分かる話であり(理解できるか、納得できるかはともかく)、それを調べないまま首相に質問の手紙を書くというのは敎育としてどうなのか、と思います
チャットGPTに丸投げするのと同じでしょう


なぜ、防衛費を上げるのか。
日本はアメリカのことをどう思っているのか。
小学6年生には、分からなかった。だから、岸田文雄首相に手紙を書いた。
◇岸田首相に伝えたい
東京都世田谷区の私立和光小6年の36人が今年初めに書いた手紙は、こう始まる。
<私たちは、社会科や総合学習で、沖縄のことや戦争のことを学んできました。戦争は遠い昔の話だと思ったのに、今も苦しんでいる人がいることや、今にも続く問題であることがわかりました>
<戦争は怖いし、絶対にやってはいけないと思っていたのに、ニュースで防衛費をあげようとしていることを知りました。そこで岸田首相に『ぜひ聞いてみたい、伝えたい』という声があがって、クラスのみんなで手紙を書きました>
北朝鮮の弾道ミサイルが日本列島の上空を通過。日本が相手国のミサイル拠点などを攻撃する力を持つことを決め、岸田首相が防衛費の増額を指示したころだった。
児童らは、政府の安全保障政策への思いや疑問をつづった。
<今、北朝鮮が日本にミサイルをうってきていますが、うってきているから軍事費を増やすのはダメだと思います>
<逆に中国などが怒って、攻撃してくるかもしれないと思いました>
<防衛費1兆円を他の税からとるのは、さすがにひどいと思います。他の案はないのですか?>
<なぜ自衛隊が、国を守る以外に攻めてもいいというルールになったのですか?>
 (中略)
◇米軍基地がある意味「分からない」多数
米軍基地は何のために日本にあるのか。児童らは沖縄から帰ってきてから討論した。
中国やロシアが攻めてくるかもしれない。基地があるから守られている気もする。米軍基地が攻撃されて、周りの住民が巻き込まれるかもしれない……。
結局、クラスでは「分からない」という意見が多数を占めた。
アメリカ側の思惑を知ろうと、米軍横田基地に「話を聞きたい」とメールを送ったが返信はなかった。担任教諭が知人を通じて米軍関係者にもアクセスしたが断られた。
米大統領だったバラク・オバマ氏は毎週6万5000通の手紙を受け取っていた。政策に批判的な内容であったとしても、毎日10通の返事を出していたと英BBCが報じている。
(以下、略。毎日新聞の記事から引用)


小学生たちの「米軍基地がなぜ沖縄にあるのか分からない」という疑問が、自分には分かりません。学校の授業で教えないのか、と
また、防衛費の増額については国家予算の仕組みを教師がきちんと説明できていない(教師でも国家予算の仕組みや財政法を理解した上で説明するのは難しい?)のでしょう
これもインターネットで検索すれば説明しているウェッブサイトはいくつも見つかります。が、公務員でも予算に関する実務を経験しないとよく理解できない部分があり、積極的に財政法や財政の仕組みを深掘りして勉強しないと、全容を把握するのは難しいのかもしれません。が、勉強とはこのように深掘りすることであり、まとめサイトをコピーするだけでは学習と言えません
テレビ番組や国会審議で取り上げられるのは主に一般会計予算だけであり、特別会計については国会でも議論されないという事実も、学校の先生たちは理解していないのでしょう。ましてや外国為替相場に介入するため、117兆円もの資金を財務省がプールしているなど、想像もできないはずです。一般の公務員も知らないわけで
「アメリカ軍の横田基地について話を聞きたいとメールを送ったら断られた」と記事にはあります。一介の小学生たちに米軍基地関係者が米軍のアジア太平洋戦略について説明する…はずはないのであり、「メールを送れば説明してもらえるはず」との発想も大間違いです。その大間違いに気づかないところも痛いところです
米軍のアジア太平洋戦略について知りたいのであれば、アメリカのランド研究所や戦略国際問題研究所の公表しているレポートを読むとか、方法はいくらでもあります
なぜそうしないのか、和光小学校の教諭に訊いてみたいところです
首相に質問の手紙を書く前に自分たちで調べることが勉強です。こどもたちだけで必要な情報にたどり着けないのなら、教師が助言するのが先でしょう。児童に手紙を書かせるという、「やってる感」を出してアピールするのは心悪さを感じます

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