自衛官候補生射殺事件 実名報道

週刊新潮が十代の未成年者であっても、重大事件であれば実名で報じるのがいつもの話であり、いまさら大問題というわけではありません
少年法は十代の未成年者については実名での報道を控えるよう定めてはいますが、罰則はなく、報道機関のモラルに委ねた形です。もちろん、報道された側は人権を侵害された等の理由で週刊新潮を相手取って民事訴訟を提起できます。が、昨今はインターネットで重大事件の犯人の素性を特定しようとの動きもあり、週刊誌や新聞だけを規制しても実名が出回るのを止められません
当ブログも、十代の未成年者であろうと実名が掌握できれば実名で表記するようにしています。少年法が実名報道を制限しているのはあくまでもテレビや新聞など報道機関についてであり、個人のブログは対象外と解釈できるからです
さて、6月22日発売の週刊新潮では、岐阜の射撃場で自衛官候補生による射殺事件の容疑者について、実名での記事を掲載しています
特定少年として検察が起訴した後、その氏名を明らかにできると少年法が改正されました。が、本件少年についてはまだ特定少年として氏名が明かされる前での報道です
実名報道の是非はともかく、自衛官2人を射殺し1人に重傷を負わせた重大犯罪ですから、匿名扱いする必要はないと自分は思います
元自衛官候補生渡邉直杜容疑者についての報道を一部引用します


「普通の子やけえ…」「現実味がない」自衛隊銃乱射、容疑者の父と弟が明かした胸の内
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/06270559/?all=1
(前略)
「最後は家賃を支払わず…」
Aはトラック運転手の父親と母親を両親に持つ。6人きょうだいの次男で、すでに成人している長女と長男に続く第3子にあたる。
一家の原点は岐阜市内の岐阜市中央卸売市場に近い、今は取り壊されたアパートだ。
当時の大家が振り返る。
「あの大家族の家ね。いつもおむつが窓際に干してあってね。家賃は3万円で安かったのに、最後は家賃を支払わず、家財道具もほったらかしにして、あいさつもなく出て行きましたよ」
一家は困窮。両親はAを2歳上の兄とともに岐阜県瑞穂市の児童養護施設に預けた。Aは施設から幼稚園と小学校に通った。
小学校の元同級生が言う。
「Aという名前の男の子は確かにいたと思います。でも、休みがちでした。3年生で転校しましたよ」
兄とともに移った先こそ、現在も一家が居を構える同県安八郡の貸家。子どもたちは再び、親元で過ごすようになったのだ。
「昔から一緒に遊ぶ間柄だったので悲しいです」
そう語るのは、安八郡にある小~中学校時代の元同級生だ。Aは小学校ではコマ遊びなどをする「伝統遊びクラブ」、中学では「美術部」に所属したが、放課後はもっぱらゲームに時間を費やしていたといい、
「小学校では『妖怪ウォッチ』、中学では『スプラトゥーン』を一緒によくやりました。ひと月前もシューティングゲームの『フォートナイト』をオンラインで一緒にプレイしたばかり。なかなかの腕前です」(同)
喜怒哀楽がない感じ
ゲーム好きで内向的な性格のAにはまた、子どもの頃からいったんキレると手に負えない面があった。
「不登校気味でしたが一度、中学校にスマホとイヤホンを持ち込んで、校則違反だと先生に怒られたことがあります。それに対してAは“なんで持ってきたらダメなんか”と逆ギレした。結局、先生に私物は没収され、親との三者面談を受けていました」
また別の元同級生いわく、
「中学に入って接しにくい雰囲気になりました。髪が長くて、前髪が目にかかるようになって……。喜怒哀楽がない感じ。友達の間でも“大丈夫か”みたいな話になっていました」
ほどなくほぼ不登校となり、ついに完全に姿を消すことに。
「彼は中2の頃に突然転校しました。なぜ、どこに転校したのか。先生からは特に何も説明されませんでした」(同)
もっとも、教師には「転校理由」を生徒たちに公にできないワケがあった。さる捜査関係者が声をひそめて言う。
「Aは素行に問題があり、中学の後半を岐阜県関市の児童心理療育施設で過ごしています。その施設には地元の公立中学の分教室があり、彼はそこで授業を受けていた」
児童心理療育施設とは耳慣れないが、関市健康福祉部子ども家庭課によると、
「家庭環境に問題があるなどの理由で、社会生活への適応が困難となった児童を入所させる施設です」
(以下、略)


渡邉容疑者の父親はトラック運転手、母親は東南アジア出身とされていますので、おそらくフィリピン出身なのでしょう。6人のこどもがいて、渡邉容疑者はその真ん中です。
想像するに「素行に問題があり」というのは、学校に通わず気ままに過ごし親も観護能力が欠けている点を指しているのだと思われます
これが万引きを繰り返すような非行の色合いが濃い問題行動であれば、県の児童自立支援施設(旧教護院)に収容したはずです
関市にある心理療育施設とは桜学館です。児童福祉法に則って運営される施設で、心理的(情緒的)要因により集団になじめず不登校やひきこもり等の状態になった子ども、いじめ等により心理的困難にぶつかっている子ども、友人関係や親子関係がうまくいかない等で悩んでいる子どもたちに心理療法、生活治療及び学校教育による総合的な支援を行う場、とされます
大雑把にまとめると、粗暴で暴力的な面(ケンカを繰り返す)は少年時代にさほどなかったように見受けられるのであり、自衛官候補生でありながら自衛官に銃口を向けるような、反社会性剥き出しの暴力志向な人物像というのはイメージしにくい人物のようです
もちろん、上記の記事ですべてが語られているとは限らず、施設での生活の中で対人暴力やいじめなどあったのか、なかったのかが気になります。そして自衛隊への過度な思い入れも気になるところです
候補生として訓練を受けたら自分が思い描いていた生活とは異なっており、失望から自衛官への攻撃に出た可能性が考えられるためです

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