関西空港線切りつけ男 再逮捕

7月23日の午前10時過ぎ、JR関西空港線の車内で乗客や車掌をナイフで切りつけたとして京都市に住む清水和也容疑者(37)が逮捕される事件がありました
清水容疑者は自ら「精神病がある」と述べているため、報道では名前が伏せられる扱いになっています。が、まだ統合失調症の影響がどの程度なのか、精神鑑定も実施されていませんので、当ブログでは実名で表記します
事件発生時期が小田急線で刺傷事件を起こした対馬被告、京王線で刺傷事件を起こした服部被告の判決の時期と前後しており、関西空港線の事件は当ブログで取り上げないままになっていましたので、あらためて言及します
7月23日の事件発生時の記事と、殺人未遂容疑で再逮捕されたとの記事の2本を貼ります


大阪府泉佐野市を走行中の電車内で乗客ら3人が切り付けられた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された住所、職業不詳の男(37)と同じ車両に乗っていた女性が共同通信の取材に「男が男性に近づき、無言でいきなり首などを切り付けた」と証言した。府警によると、男は「心の病がある」と話しており、府警は責任能力の有無を捜査。24日、男を送検した。
女性はJR天王寺駅で関西空港行き快速電車の前から3両目に乗車。女性によると、日根野-りんくうタウン間で男が車両後方の優先座席付近から、1人用座席に座っていた男性会社員(23)の近くに移動し、無言で襲ったという。女性は「(切られた)男性は跳びはね、顔や首のあたりを押さえていた」と振り返る。
男は事件前から車両内を歩き回って別の乗客に顔を近づけて「何してんねん」と言ってにらみ付けたり、持っていた赤いバッグで乗客をつついたりするようなしぐさをしていた。女性は男性会社員が切り付けられた後、男と目が合い、後方の4両目に逃れたという。
府警によると、騒ぎを聞いて止めに入った乗客の男性(79)と男性車掌(24)も手などを切られた。3人とも軽傷で、男は男性会社員への殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。
(共同通信の記事から引用)

大阪府泉佐野市のJR関西空港線を走行中の電車内で乗客ら3人が切り付けられた事件で、大阪府警は13日、車掌の男性(24)をナイフで切り付けて殺害しようとしたなどとして、殺人未遂と傷害容疑で、京都市南区の無職の男(37)=殺人未遂容疑で現行犯逮捕、処分保留=を再逮捕した。男は「けがをさせるつもりもありませんでした」と容疑を否認しており、府警は刑事責任能力の有無を調べる。
再逮捕容疑は7月23日午前10時25分ごろ、泉佐野市のJR関空線日根野―りんくうタウン間を走行中の快速電車内で、車掌の男性(24)をナイフで切り付けて殺害しようとしたほか、止めに入った乗客の男性(79)の手もナイフで切りけがをさせたとしている。いずれも軽傷で命に別条はない。
府警によると、男は統合失調症の持病があり、今年4月まで入院していた。男は犯行時、約17万5千円を所持しており、取り調べに「海外に行こうと空港に向かっていた。パスポートは持っていなかったが、誰かに聞けばどうにかなると思った」と説明している。
男は先月23日、電車内で別の乗客の男性(23)の首やこめかみをナイフで切り付けて殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で現行犯逮捕されていた。車掌らは止めに入った際に切り付けられていた。
(産経新聞の記事から引用)


被害を受けた方が軽症で済んだのは幸いです。ただ、いきなり電車内で切りつけられれば誰もが不快感を覚えますし、恐怖もあります。複数名の重症者が出た上に、パニック状態で将棋倒しとなり被害が増大する危険もあったわけです
なので、この種の無差別、無分別な犯罪を軽視するのは大間違いであり、社会にとっては脅威ととらえる必要があります
先に述べた小田急線刺傷事件では対馬被告に懲役19年、京王線刺傷事件の服部被告には懲役23年が言い渡されており重罪の扱いです
清水被告が統合失調症による4月まで入院していたとしても、症状が寛解したと判断の上で退院したはずで(社会生活に支障がないとの判断で)、統合失調症だから刑事責任能力はないと決めつけるのは早計でしょう
今後は精神鑑定を実施し、起訴できるかどうかを検察が判断します。「統合失調症の影響はあったが限定的」との鑑定結果なら起訴して刑罰に問う展開になります。もちろん、統合失調症の影響を考慮した求刑となりますが
たとえ不起訴となってもそのまま無罪放免されたりはせず、措置入院となる(入院自体は刑罰ではありません)はずです。往々にして「精神障害者を野放しにするのか」と口走る人がいるのですが、そう決めつけるのは間違いです

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