渋谷区副区長 新人女性議員を「ブタ」呼ばわり

渋谷区の副区長が、区役所職員専用のビジネスチャットの中で新人区議会議員の女性を「ブタ」と罵倒する書き込みをしていた、と報道されています
公人である以上、発言には十分に注意をはらい、暴言・失言には気をつけるのが当然です。暴言で辞任に追い込まれた国会議員もいますし、失言で国務大臣を辞任した例もあります
ところが渋谷区の区長は、「副区長はそんな意図で書き込んだわけではないと思う」と、侮蔑や差別する意図でも書き込みではないとの見解を披露しており、批判を招いています、侮辱や差別の意図でないのなら、どのような意図だったのか説明してもらいたいところです


「区職員らが100名以上も参加しているビジネスチャットがあるのですが、今年6月、澤田副区長が新人区議のくわずるゆき子さん(35)を『桑ブタ』と貶す書き込みをしていました。その上、彼女の住まいまで暴露し、『早めに封じておかないとね!』とコメントしていたのです。渋谷区の副区長という責任ある立場の人間のコメントとは思えず、目を疑いました」
澤田副区長は63歳。1984年に立教大学経済学部を卒業後、博報堂などの民間企業に勤め、2015年10月に渋谷区副区長に就任。“23区初の民間出身副区長”としてマーケティング畑で培ったスキルを発揮し、ビジネス媒体などで取材される機会も多い存在だ。2019年からは2期目を務めており、区政に長く携わっている。
一方のくわずる氏は、国民民主党の公認を受けて立候補し、4月に行われた統一地方選で初当選したばかりの新人区議だ。くわずる氏に問い合わせたところ、当該の書き込みについては把握済みだという。
「8月3日、私や私の所属する区民環境委員会のメンバー宛に、区の職員だという人物から匿名で内部告発の手紙が届きました。書き込みがされたビジネスチャットは、職員向けのもので、区議が直接閲覧することはできません。自分の預かり知らぬところで住んでいる所が公開され、大勢の目に長い期間その情報が触れていたことに強い恐怖を覚えています。
また、区議としての連絡先で公開している住所はありますが、プライベートな住まいは非公開にしていたはずです。そんな個人情報を副区長はどのように知り得たのか不明です」
(中略)
「おだひろみ幹事長、はるた学副議長、長谷部区長、私の4人で話し合いました。長谷部区長は当該の書き込みがあったことを事実と認めた上で、『(副区長に)注意しました』と報告しました。過去1年の副区長の言動を調査し、再発防止の方針を示すように頼んだところ、区長は『受け止める』と答えました。しかし、本件に真摯に取り組んでくれるのか、少々疑問が残る対応だったのも事実です。
私は選挙活動中に中高年の男性たちから何度も暴言を吐かれて、警察に相談したことがあります。子どももいることですし、だからこそセキュリティがよりしっかりしたマンションに引っ越したのに、その場所が拡散されてしまった。その恐怖を伝えると、区長は『副区長はそんな意図で書き込んだわけではないと思う』と擁護するような発言をしていました。区長と副区長は、民間企業で部下と上司の関係だったと聞いています。あまり厳しく注意できる関係にないのではないかと疑問が残ります」
(NEWSポストセブンの記事から引用)


渋谷区の長谷部区長は、「大した問題ではないし、謝罪したのであればそれ以上の責任は問わない」との構えなのでしょう
が、区民の投票で選ばれた議員を副区長が侮辱し、本人への謝罪もないまま(所属する議会の会派には謝罪を表明)、幕引きというのはあり得ない話です
最低でも副区長を辞任するのが筋でしょう
「ブタ」呼ばわりで思い起こすのが、東京五輪の開会式セレモニーで、「渡辺直美にブタの格好をさせよう」と言い出した元電通の広告クリエーター佐々木宏です。ソフトバンクの「犬のお父さん」CMなどで凄腕クリエイターとして有名な人物ですが、「電通が仕切るのは当然」と言わんばかりに、バカなアイディアをゴリ押ししようとして批判を浴びました
澤田副区長も広告大手の博報堂出身ということですから、電通にしろ博報堂にしろ、ろくでもない人たちばかりの業界だなあと思います
そんな人物に副区長など務めてもらいたくありませんし、「ビジネスとは、マーケティングとは」などと、ドヤ顔で語ってもらいたくなあ、と
余談ですが、早稲田大学で社会人向け「デジタル時代のマーケティング総合講座」を担当した吉野家の常務取締役・企画本部長だった伊東正明は、「生娘シャブ漬け戦略」と称して若い女性に牛丼の魅力を刷り込むマーケティング戦略を題材に取り上げたのですが、その女性蔑視の呼称が問題視され、解雇されています。彼もプロクター・アンド・ギャンブル社でマーケティングを担当し、ファブリーズやJOYといった商品を売りまくって名を挙げ、吉野家にヘッドハンティングされたやり手でした
このように功成り名を遂げた人物は自分の実績に寄りかかってしまい、一般世間の感覚とはズレた言動をしても「おかしい」との自覚を持てなくなっているのでしょう。「おかしいのは自分の素晴らしいアイディアを理解できない連中の方」だと決め込んで
澤田副区長の言動は公人たるに相応しいものではありません。なので、副区長の職にとどまるのは容認できない、と書いておきます
追記:澤田副区長が退職届を出し、辞職したと報道されています。取材にも応じず、会見もしないまま逃げたわけであり、公人たる覚悟がまったくなかった人物と言わざる得ません。ただ、桑水流議員には直接謝罪したとのことです。区政を混乱させた責任という意味でも、会見くらいするべきでしょう

(関連記事)
渋谷区副区長 議員を「ブタ」と呼び訴えられる
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/503604799.html
村議会議長 女性職員殴って議長辞任へ
暴言・暴行で豊田真由子議員が自民を離党
暴言・暴行の豊田真由子議員 「恥をさらして生きてゆく」
吉野家「生娘シャブ漬け戦略」を考える
吉野家常務「生娘シャブ漬け」発言でクビ
渡辺直美をブタに 組織委員会が文春にブチ切れ
渡辺直美をブタに 五輪開会式演出を乗っ取る者とは?
渡辺直美をブタに 東京五輪演出家佐々木宏とは?
渡辺直美をブタに 五輪開会式演出騒動の不快感
渡辺直美をブタに 五輪開会式演出騒動
自民党女性議員の華麗なフランス研修 研修より観光優先
自民党女性議員の華麗なフランス研修 批判に反論
自民党女性議員の華麗なフランス研修 批判殺到