秋本真利衆院議員 3000万円は収賄か

岸田内閣で外務政務官を務めていた秋本真利衆議院議員が風力発電を手掛ける会社から3000万円を受け取っていた、との疑惑が浮上し、秋本議員は自民党を離党しています
この金については「共同馬主になるための馬の購入代金」であると、風力発電会社側の弁護士が主張しています
国会議員が馬主になるのは禁じられていませんが、馬の購入代金を全額出してもらう(丸抱えしてもらう)のを「共同馬主」と主張するのは無理があります。秋本議員が実際に馬の購入代金を半額負担していたなら、「共同馬主」だと言えるのでしょうが


洋上風力発電事業を巡り、秋本真利衆院議員(47)が風力発電会社「日本風力開発」(東京)側から多額の資金を受領したとされる事件で、同議員が同社の塚脇正幸社長(64)に「馬の購入費を出してほしい」と求めるショートメールを送っていたことが6日、関係者への取材で分かった。
2人が共同出資する馬主組合の口座を、同議員が管理していたことも判明した。
東京地検特捜部は塚脇社長の携帯電話を押収し、2人のやりとりを把握。資金提供の趣旨を慎重に調べているもようだ。
関係者によると、秋本議員は2021年から今年にかけ、洋上風力発電事業への参入を目指す同社側から、20回以上にわたって計約3000万円を受領した疑いが持たれている。
秋本議員と塚脇社長は21年10月ごろ、競走馬を共同で管理する馬主組合を45%ずつ出資して設立。議員は、組合所有の馬や、社長が個人で所有する馬の管理も任されていた。議員が「いい馬が競りに出るがどうする」「飼い葉のお金がないけどどうしようか」と伝え、社長が「どこに払えばいいか」と尋ねるやりとりもあったという。
馬を預ける厩舎への支払いなども秋本議員が担当。塚脇社長は議員の求めに応じ、運営費の不足分や馬2頭分の購入費などとして計約3000万円を支出したという。
特捜部は同組合が実質的に秋本議員の所有で、塚脇社長の支出は議員個人への資金提供とみて捜査。社長側は「組合の運営費などとして支払ったもので、秋本議員に提供したわけではない」と主張している。
(時事通信の記事から引用)


洋上風力発電事業の認可を得るため(請託)、3000万円を渡したのであれば受託収賄罪に問われます。が、あくまでも事業の認可など、己の利益のために政治家を動かし、その見返りに金品を渡す構図が必要となります
国会議員ですから官公庁への口利きを頼まれるケースは珍しくないのであり、疑いを招くような金品の授受は慎む必要があります
日本風力発電側に贈賄の意図があったかどうか、が検察側の判断のポイントになるのですが、否定するのでしょう。ならば検察は贈賄の意図があったと、押収した資料、メールのやり取り、関係者の証言で立証しないと起訴に持ち込めません
もちろん、強制捜査に乗り出す時点で起訴して有罪に持ち込めるかどうか、検討した上でGOサインを出したのでしょう
「共同馬主」という形を借りることで、秋本議員側に利益を供与しようと企図した、とか解釈して
しかし、贈収賄は別にしても国会議員が馬主となり、馬の競売に熱中していると判明したら、有権者はドン引きです。次の選挙で秋本議員の得票は半減するのでは?
競馬中継を見て、ときどき馬券を買うくらいなら有権者も目くじらは立てないはずですが、国会議員が競馬場や競艇場に入り浸っているとか、パチンコ屋の新装開店の行列に朝から並んでいるとか知れば、支持しようという気持ちも冷めます
「競馬は紳士・淑女の嗜みであり、英国女王も馬主である」と主張する人もいるのですが、日本ではまだ「ギャンブル」とのイメージが強く残っています

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