ススキノ首なし遺体 壊れた家庭が増えている?
札幌ススキノで起きた首なし遺体事件は取り調べが進んでいるのか、細切れな情報が報じられています。ただ、全容はまだ見えてこないのであり、当ブログで再び取り上げるのはもう少し先にしようかと思っていました
本件とは直接関係ないのですが、AERAに掲載された北原みのりの記事がかなり酷いので言及します
北原みのりは最近の事件をひとまとめにし、家庭内で噴出する猟奇的な事件⇒日本の家族が壊れているとの論調で書いています
“札幌遺体切断事件”の衝撃 家庭内で噴出する猟奇的で残虐な事件、日本の「家族」に何が?
(前略)
歌舞伎役者の猿之助被告の両親に対する自殺幇助罪についても事件の解明が待たれる……と、一応「定型」の言葉を使ってみるが、「事件の解明が待たれる」などということなどあるのだろうか……とどこかで諦めるしかないのが、家族内事件である。家族関係があるからこそ、日常を共にする家族だからこそ加速化される暴力。狂気を含み、猟奇的ともいえるあまりに内省的な思考は、なぜ家族内で熟成されてしまうのだろうか……ということを社会が思考しなければ、このような家庭内の事件はなくなることはないのかもしれない。
家族内事件、その極めつきが、今、世間をにぎわしている「木原事件」と「札幌首狩り家族事件」だろう。どちらも「週刊文春」のタイトルから取ったものだけれど、文春の身も蓋もないタイトルには目が離せない。「首狩り家族」の文字を見たときは目を疑ったが、殺人の送り迎えをするような父親、切った首を自宅に持ち帰ったことを認識していたという母親など、いったいここに至るまでにどのような会話が、どのようになされていたのか想像を絶するものがある。ただこの事件、単純な「猟奇」というよりは、男性から暴行を受けたという話が一部報じられている。もし事実だとするならば、精神科医であり、患者から信頼されていたという父親が、医療にも法にも頼らず、つまり一切の公助を頼らず、家族だけで、つまり究極の自助で解決をしようとした点が、時代を象徴するようにも感じられる。なぜそこまで絶望できたのか、極端の選択を選ぶまでに何があったのか。
(中略)
すごい時代を生きていると思う。結婚は愛の象徴のように語られ、家族愛こそが正義・善であるかのようにうたわれ、敵は家族の外にあるかのように喧伝される社会で、家族の中で起きる殺意、暴行、虐待はエスカレートしているようだ。何年に1度起きるか起きないか、日本中が注目するレベルの衝撃度の高い猟奇的な事件がここまで続くと、これはもう「日本社会」の問題でしかない。日本の家族に何が起きているのか。それこそ、「真相の解明が待たれる」。
あらためて言うまでもないのですが、家庭内の猟奇的殺人というのは現代になって増えたとの認識は大間違いであり、昔から存在していたと考えるべきでしょう。ただ、インターネットもなく、SNSもなかった江戸時代や明治の世では広く知られる機会がなかっただけです
家庭内の虐待というのも昔から繰り返されていたのですが、表に出なかっただけです
児童相談所が存在し、通報する仕組みがあるからこそ、これまで家庭内でひっそりと繰り返されていた虐待が表に出るようになったと考えられます。もちろん、家庭内の虐待の認知件数が増加傾向にあるというのは事実その通りであり、否定するつもりはありません
また、アメリカで大量殺人をやらかす犯罪者はこどものころに虐待を受けていた例も多いのであり、こどもの虐待は日本の家庭だけの問題ではありません
しかし、北原みのりの記事はあたかも現代の日本の家庭は病んでいる、壊れているとの結論に結びつけたいがための書き方です。では、病んでいない健全な家庭というのはいつの時代に存在したのでしょうか?
安倍晋三ら保守派政治家の「昔はこどもへの虐待などなかった。学校でのいじめなどなかった」と陳腐な思い込みを平然と口にします。安倍晋三ら保守派政治家は明治の家父長的な家族制度を過度に理想化し、「美しい日本の家族」と持ち上げ、そこに理想的な家族が存在していたかのごとく語るわけです
が、明治の時代にも家庭内での虐待や猟奇的殺人はあったわけで、警察に介入させず一族内で処理したり、村の掟を司法より優先させたりしてこっそり始末をつけていたのです
裕福な地主の娘に村の若い男が手を出そうものなら、警察に突き出したりせず村の中で袋叩き(リンチにする)にして始末をつけるという具合に
それを「美しい家族」などと言うのは欺瞞でしょう
家庭内のしつけ、敎育というのは各家庭に委ねられたままであり、余所者は介入しないまま現在に至っています。もちろん、3才児検診で異常が発見されれば保健所が、子育てに問題があって通報があれば児童相談所が介入する仕組みはありますが
ススキノの首無し遺体事件では父親が精神科医ということもあり、保健所も児童相談所も介入しなかったのでしょう
いくつかの特殊な事例、事件だけを挙げて、「日本の家庭は壊れている」などと決めつけるのは間違いです
おそらく北原みのりは、「そんなつもりで書いたのではない」と言うのでしょうが、記事を読めば読者を間違った方向へ誘導する意図がありありです
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