京王線刺傷事件を考える ジョーカー男に懲役２３年判決
「服部恭太被告は乗客を殺して死刑になりたかった」と、殺意を持って犯行に臨んだわけですが、なぜか弁護人は「ライターオイルに火を点けた時点で乗客は他の車両に移っており、死亡する危険はなかった⇒殺意はなかった」と主張していました。刑罰を少しでも軽くするのが弁護人の役割とはいえ、被告の主張と矛盾した言い分が認められるはずもなく、東京地裁立川支部は殺意があったものと認めて懲役２３年（求刑は懲役２５年）の判決を言い渡しています
おととし、東京・調布市を走行していた京王線で乗客が切りつけられ、車内が放火された事件で殺人未遂などの罪に問われた被告に、東京地方裁判所立川支部は懲役２３年の判決を言い渡しました。
無職の服部恭太被告（２６）はおととし１０月、東京・調布市を走行していた京王線の車内で、当時７２歳の男性をナイフで刺して大けがをさせたほか、まき散らしたライターオイルに火をつけ、乗客１２人を殺害しようとしたとして、殺人未遂や放火などの罪に問われています。
裁判で被告は「交際していた女性が自分と別れて半年で結婚したことを知り、ショックだった。自殺願望を抱くようになったが死刑じゃないと死ねないので事件を起こすしかなかった」などと証言していました。
争点は、１２人の乗客に対する殺人未遂罪が成立するかどうかで、検察は「乗客を焼き殺す意思があった」としたうえで、「走行時間が長く逃げることができない特急電車を選んで計画的に犯行に及んだ」として懲役２５年を求刑しました。
これに対し弁護側は「ライターを投げた時点で乗客は危険な場所から逃げているか、逃げていなくても死亡する危険性はなかった」として放火に伴う殺人未遂罪は成立せず、懲役１２年程度が相当だと主張していました。
３１日の判決で東京地方裁判所立川支部の竹下雄裁判長は服部被告に懲役２３年を言い渡しました。
（NHKの記事から引用）
メディアの記事は現時点（夕方５時）で速報の扱いであり、判決文の中身にまで言及した報道は見当たりません。明日までには出ると思います
ただ、弁護人の主張する懲役１２年ではなく、懲役２３年の判断ですから複数の乗客に対する殺意を認めたものと推察します
１人を殺害しても懲役１５年という判決が出る時代ですから、殺人未遂と放火で懲役２３年は十分に重い量刑でしょう
さて、「服部被告の犯行にいかなる意味があったのか？」と問いを立てた場合、そこに意味を与えるのは服部被告本人ではなく、他者である我々だったり、検事だったり、裁判官だったりします
服部被告は「別れた彼女」について公判で語りまくっていたようです。服部被告にすれば本件は「別れた彼女」への未練と後悔と恨み、憎しみといった意味合いだったかもしれません
が、裁判官が「別れた彼女」の話を退け、「反社会的目論見であって許しがたい」と判断したのであれば、服部被告の犯行は社会に牙を向いた若者の凶悪な行動という意味が付与されます。そこに服部被告の言い分（別れた彼女）を斟酌する余地はなく、被告は適当な理由付けをしてばかりで反省が見られないと切り捨てられるでしょう
また、我々も服部被告の犯行にさまざまな意味付けを行い、解釈し、整理して片付けるわけです
服部被告はジョーカーに憧れたと発言していたようですが、本質的にジョーカーとは相容れない存在であり、彼は決してジョーカーにはなれない男だと言うほかありません。ただ、ジョーカーの姿を借り、少しでもあやかろうとしたのでしょう。映画の中のジョーカーという強烈なキャラクターと服部被告を同一視すべきではありません
さて、元カノの方は、「こんなやつと結婚しなくてよかった」と思っているはずです
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