帯広女性教諭殺害事件 懲役13年求刑

札幌首なし遺体事件の報道も気になるところですが、まずはこちらから取り上げます
高校教師が元同僚だった女性教師と不倫を続け、その清算のため殺害し遺棄した事件で、検察は片桐朱璃被告に対して懲役13年を求刑しています。片桐被告はあくまで被害者である宮田さんと合意の上で、首を絞めたと主張しており、裁判官がどう判断するかが注目されます


去年5月、北海道帯広市で、同僚だった女性教諭を殺害した罪などに問われている36歳の元高校教諭の男に、懲役13年が求刑されました。
片桐朱璃(しゅり)被告36歳は、帯広市の高校教諭だった去年5月30日、パチンコ店の駐車場の車内で、北見市の教諭、宮田麻子さん(当時47歳)の首をシートベルトで締めて殺害した上、遺体を市内の雑木林に埋めた殺人と死体遺棄の罪に問われています。
片桐被告と宮田さんは、同年3月までオホーツク地方の高校の同僚で、それぞれ妻、夫、子どもがいましたが、2018年から男女の交際関係でした。
これまでの公判で片桐被告は「やったことについては、間違いありません。ですが、相手の同意があったと認識しています」と、量刑の軽い同意殺人などと主張。
これに対して検察は「宮田さんは、自分と一緒に死ぬことを前提に承諾したが、被告人は死ぬつもりがないのに、あるように装って殺害した」と指摘。
その上で、24日午前「被害者を殺しさえすれば、被告人は死ぬ必要がなかった。自己保身のための身勝手な動機に酌量の余地はない」として、懲役13年を求刑しました。
一方、弁護士は「逃げたいが、逃げられないという思いから(被告人は)極限まで追い詰められ『もう、死ぬしかない』と口にした。万策尽き果てたことによる自然な思考や自然な感情。追死を装ったわけではない。被害者の落ち度が大きい」として、執行猶予付きの判決が妥当と主張しました。
(北海道放送の記事から引用)


「一緒に死ぬしかない」という片桐被告の気持ちの中身はどうだったのでしょうか?
片桐被告に心中する気があったとは思えないのであり、結果としては宮田さんを殺害し、死体を埋めて隠し、事件の発覚を遅らせようとしたと解釈するしかないように思います。つまりは殺人と死体遺棄です
宮田さんの気持ちについては前回、ブログに書いたように「妻子もすべて捨てて自分と一緒になってほしい」というもので、片桐被告の覚悟を問う決意だったと推測します。形の上で宮田さんは金銭を要求していますが、金が欲しかったはずもなく、片桐被告に「すべてを捨てて一緒になろうよ」と持ちかけたものの、片桐被告は妻子を捨てる決断はできませんでした
世の中には「心中するつもりで妻子を殺害し、自分だけ生き残る」というケースがしばしばあります。「死にきれなかった」と警察に自首する場合がほとんどです。そのまま逃げ続けたのであれば、「心中する気はなく、妻子を殺害し遺棄したもの」と裁判では判断されます
本件での求刑は懲役13年ですから、不倫関係にあったと事実を踏まえ割り引いた求刑であるのは間違いないでしょう
片桐被告が宮田さんの遺体を隠さず、そのまま自首していれば「心中を図ったけど死にきれなかった」として懲役6年から7年の求刑だったかもしれません
が、遺体を隠した=犯行を隠した、つまりは殺人という自覚があったとの裁判官は解釈するはずで、弁護人の主張するような「執行猶予付き有罪判決」にはならないと予想します

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