横浜女子大生殺害 伊藤龍稀を起訴
大学生冨永紗菜さん(18)を自宅マンションの駐車場で、刃物のようなもので複数回刺して殺害した伊藤龍稀容疑者を、横浜地検は殺人罪で起訴しています
「よりを戻したかった」と言いながら、なぜ包丁を持ち出し刺し殺したのか?
さらに冨永さんを暴力で支配し、隷属させようとした点も自分には不可解に映ります。相手を束縛し、支配する行為=愛情と勘違いしていたのでしょうか?
先月、横浜市鶴見区のマンションの敷地内で、18歳の女子大学生を刃物で殺害したとして23歳の元交際相手が殺人の罪で起訴されました。
起訴されたのは横浜市鶴見区の配送業 伊藤龍稀被告(23)です。
起訴状などによりますと先月29日、横浜市鶴見区東寺尾中台のマンションの敷地内で、このマンションに住む元交際相手で大学1年生の冨永紗菜さん(18)を包丁で刺すなどして殺害したとして殺人の罪に問われています。
これまでの調べで、被告は事件当日の朝、合鍵を使って大学生が暮らす部屋に侵入した疑いがあることがわかっています。
捜査関係者によりますと、被告は家族に見つかって部屋を追い出されたあともマンションの敷地内にとどまり、その後、外に出てきた大学生を包丁で襲ったとみられるということです。
検察は認否を明らかにしていませんが、これまでの警察の調べに対し「よりを戻したかった」という趣旨の供述をしているということです。
たびたび暴力も 複数の友人の大学生が証言
小学生のころからの友人だという男性は「2年ほど前からつきあっていた男に、馬乗りになって殴られ、事件の2か月ほど前に別れたと聞いた。そのあともしつこく連絡があったと相談されました」と話していました。
また、別の男性は「元交際相手から一方的にDMが送られてきていて、困っていると言っていました。『おれと別れたらおまえどうなっても知らないからな』というような脅迫的な内容だったそうです」と話していました。
大学生と同じ大学に通う女性2人によりますと、被告は束縛が強く異性の友人と関わるのを禁止したり、頻繁に連絡してきたりしたということです。
大学生は交際していた被告について話すこともあり「DV気質で、怒ると暴力を振るわれる。この前はおなかを蹴られた」と打ち明けたり、腕にあざができていたこともあったということです。
(NHKの記事から引用)
現代ビジネス掲載の記事で片田珠美医師は、伊藤被告の行動について以下のように書いています。ストーカー殺人によって懲役22年の刑が確定した池永チャールズ・トーマス受刑者とも重なる部分がある、との指摘です
伊藤容疑者が冨永さんに「おれと別れたらおまえどうなっても知らないからな」という脅迫的な内容のDMを送りつけたのも、対象喪失を防ぐためだったのだろう。
また、伊藤容疑者は「嫉妬深くてかっとなる性格」だったという周囲の証言があるが、嫉妬深さと独占欲の強さはストーカーに共通して認められる。これも、愛する人を失うのではないかという喪失不安が強すぎ、大切な対象を他人に奪われまいとするあまり形成された性格傾向にほかならない。
母親からの「見捨てられ体験」が一因
なぜ対象喪失に弱いのか。その原因を考えるうえで、伊藤容疑者が母親に見捨てられたと感じたとみられる体験に注目したい。
母子家庭で育った伊藤容疑者は17歳で高校を中退したが、ちょうど同じ時期に母親が再婚して山形に転居した。母親は弟と妹を連れていったが、伊藤容疑者だけ置いていかれたという。
その後、伊藤容疑者は一度山形まで行ったが、帰ってきて「母親に冷たくされた」と話していたそうだ。したがって、このときの「見捨てられ体験」が、女性から拒絶されたと感じると過剰反応する一因になったことは十分考えられる。
今回の事件といくつもの共通点があるように見えるのが、2013年に発生した三鷹ストーカー殺人事件である。「リベンジポルノ」という言葉が広まる契機になり、センセーショナルに報じられた事件だったが、犯人の池永チャールズ・トーマス受刑者(懲役22年の刑が確定)も、母親から見捨てられた体験があった。
関西に住んでいた当時21歳の池永受刑者と東京都三鷹市在住の女子高生は、2011年にSNSを通じて知り合い、一時は交際していたが、女子高生側が別れを切り出し、いったん交際は終わった。
しかし、池永受刑者のほうは受け入れられなかったようで、しつこく復縁を迫ったものの、かなわなかった。そのため、女子高生の殺害を考えるようになり、上京して凶器となるナイフを購入し、女子高生の自宅に侵入して待ち伏せたうえ、11カ所の刺し傷・切り傷を負わせて殺害したのである。
池永受刑者の母親は、彼の実父と離婚後次々に男を作った。そのせいか、池永受刑者は実父や母親の同棲相手などから10数年に渡って虐待を受け、母親が男遊びで4、5日帰らないこともざらにあったという。
(現代ビジネスの記事から一部を引用)
伊藤容疑者の生い立ちの一端は分かりますが、それだけではないように思います。再婚した母親が弟と妹を連れて山形へ転居した際、伊藤容疑者は高校を中退していたのであり、既にさまざまな問題行動を繰り返して手に負えない状態だったと推測されます
そんな勝手放題で荒れていたと推測される伊藤容疑者が、「母親に見捨てられた」と自覚したのでしょうか?「オレ、山形なんかに行かねえぞ」と見栄を切ったか、反発してそう言ったのか?
実際のところは分かりませんが、単なる「見捨てられ体験」と一括りにするのはどうか、という気がします
池永チャールズ・トーマス受刑者の場合、まだ幼い時分から母親に見捨てられ、あるいは虐待を受けていたのですから「見捨てられ体験」と呼ぶのは妥当でしょう
このように「ストーカー殺人犯で数多くの共通項がある…」と、共通項を並べるよりも、伊藤被告のどこが違っているのか、相違点にこそ着目すべきだと自分は思います
安易に「あの事件とこの事件は同じだ」と言うのではなく、この事件ならではの独自な部分や、一般的なストーカー事件との相違点を読み解くことの方が、この事件を理解する上で必要でしょう
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