三春町ひき逃げ殺人 盛藤被告の勝手な言い分
2020年5月、福島刑務所を出所したばかりの盛藤吉高被告は事件を起こして刑務所に戻りたいと考え、トラックを盗み出して福島県三春町の道路脇を清掃活動していた2人をはね、逃走して逮捕されました。2人は地域の清掃活動に従事しており、道路にカラーコーンを置いて通行車両に注意を促す措置を講じていました
盛藤被告は1審で死刑判決を受けたものの、2審の仙台高裁は死刑判決を破棄し無期懲役を言い渡しています。盛藤被告の殺意は認めたものの、「悪質な犯行ではなく死刑がやむを得ないとまでは言えない」という珍妙な理由です
検察はこの2審判決を不服として最高裁に上告しています
盛藤被告が仙台拘置所で週刊新潮の取材に応じ、記事になっていますので取り上げます
「刑務所に戻りたい」と出所直後、トラックで2人をひき殺した盛藤吉高被告の告白「最初から殺すつもりはなかった。死刑は嫌」捜査への不満も
(前略)
――拘置所の過ごし方は。
「ここで借りられる小説を読んで過ごしています」
――刑務所に戻りたい、と思った理由は。
「慣れない環境や土地で不安でいっぱいでした」
――当時の心境は。
「絶望、ですよね」
――出所から2日後で仕事も住む場所もあった。他の前科者に比べて恵まれていたのではないか。
「慣れない環境のせいで不安で…」
――刑務所に戻りたい、と思ったとしても、せめて人を傷つけない犯罪で捕まることは考えられなかったのか。
「不安でいっぱいになっていて、そんな時にトラックの鍵が目に入った。もうそれで当て逃げしようとしか考えられなくなった」
――被害者に対しどう思っているのか。
「申し訳ないことをしたと思っています。罪を償っていかなければならないと思います」
――一体どう罪を償うのか。
「それは…」
――控訴したのは、死刑になりたくないからか、死にたくないと思う気持ちがあるからか。
「死刑になりたくない、死にたくないという気持ちはあります……」
「避ける余裕はあったはず」
裁判について話を向けると、それまでの口数の少なさが嘘のように饒舌になった。
「検察は、やったことを事実より大きく見せようとしているんです。当てて逃げようと思っただけで、殺す気はなかったのに、殺す気があったかのようにされてしまった。控訴審では、現場の状況から殺意を否定する根拠をまとめた交通事故調査会社の調査結果を弁護士が提出しましたが、証拠として認められなかった。社長の証人尋問だけが認められて、証言だけはしてもらうことが出来ました」
――“殺すつもりはなかった”と言っても、常識的に考えて加速した車で人にぶつかれば、亡くなる可能性があることは十分わかっていたはずではないか。
「その時はそれしか考えられなくなっていたんです」
――“戻りたかった”という刑務所内での生活はどんなものだったのか。
「刑務官に性格の悪いのがいて、8割は普通に接してくれるいい人なんですけど、その性格の悪い2割に当たると最悪なんですよね」
盛藤は先の服役中、“刑務所所員への反抗”を理由に仮釈放の許可が出ず、満期出所となっている。犯行直前まで福島刑務所に入っていた暴力行為等処罰に関する法律違反の罪(懲役1年6月)のほか、2015年にも公務執行妨害、障害及び器物損壊の罪(懲役1年10月)で実刑判決を受けており、福島刑務所で合計3年以上を過ごしている。
――福島刑務所以前にも前科前歴がある。
「交際しているような女性を迎えに行ってドライブをしていたら、その女性が友人に連絡して、誘拐・監禁で逮捕されました。それで2011年から、民間の刑務所である島根あさひ社会復帰センターに約2年半いました」
(以下、略)
随分と勝手な言い分が並んでいます。「当てて逃げようと思っただけで、殺す気はなかったのに、殺す気があったかのようにされてしまった」との言い分を聞けば、遺族は逆上するに違いありません。2人の命を奪っておいてこの言い草です
上記の記事にもあるように、盛藤被告はこれまでに何度も刑務所に出入りを繰り返しており、どれも「自分だけが悪いのではない」と主張して反省など感じられない思考の持ち主です
もうこれだけで死刑にする理由は十分、と思えてなりません。そしてなお、「死刑は嫌だ」と言い張るわけで
であるからこそ、盛藤被告が一番嫌がる死刑を科すのが相当でしょう。死刑という現実に直面して、少しは反省できるかもしれません
他人の命の重さなど微塵も理解できていないのは、上記のインタビュー記事から十分伝わってきます。それでいてすべては警察が悪い、検事が悪い、刑務官が悪いと他人のせいにして生きているのであり、ただ呆れるばかりです
「死刑廃止は世界の趨勢だから」とか、「日本だけが死刑制度を維持しているのは恥ずかしい」などと主張する人たちがいます。むしろ、こうした犯罪者を罰するためにこそ、日本には死刑制度があるのだと世界に堂々と表明するべきでしょう
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