成人式墨汁男 懲役１年２月の実刑判決
今年１月の「北九州市二十歳の記念式典」に出席した女性２人の振り袖に墨汁のような黒い液体をかけたとして、器物損壊罪に問われた平井英康被告に、福岡地裁小倉支部は懲役１年２月（求刑懲役２年）の判決を言い渡しています
求刑が懲役２年ですから、執行猶予付き有罪判決の可能性もあったのですが裁判官は実刑を科しました。そこは平井被告の八つ当たりとも思われる、無関係の女性を狙った犯行を悪質だと判断したからでしょう
女性の振り袖に墨汁のようなものをかけて汚した罪に問われた男に対し、福岡地裁小倉支部の渡部五郎裁判長は12日、懲役2年の求刑に対し、懲役1年2か月の判決を言い渡しました。
判決を受けたのは、北九州市若松区の会社員、平井英康被告（33）です。
平井被告はことし1月、北九州市で「二十歳の記念式典」に参加した女性2人の振り袖に、墨汁のような黒い液体をかけて汚した器物損壊の罪に問われていました。
平井被告は公判で起訴内容を認め、性同一性障害と診断されていることを明かして「振り袖を着た女性を見て悲しさや嫉妬心が爆発し、着物を汚そうと思った。一生に一度のことを台無しにしてしまった」と話していました。
判決公判は5日に行われる予定でしたが、小倉支部の停電による影響で期日が延期されていました。
（福岡放送の記事から引用）
平井被告側の言い分は前回取り上げました。犯行を認めて反省の弁を述べ、性同一性障害の診断を受けていると明かした上で、情状酌量を求めたわけですが（つまりは執行猶予付き判決を求めたわけです）、裁判官は懲役２年の求刑を割り引いてなお実刑とする判断を示しました
これはやはり一生に一度の成人式の日に晴れ着を汚された被害者の心情を慮り、取り返しの付かない行為を糾弾する意味があったのでしょう。振り袖の墨汁は染み抜きできますが、成人式をやり直すことはできません
被害者の大切な思い出を踏みにじる権利は平井被告にありませんし、そもそも被害者が平井被告に何か迷惑をかけたわけでもありません
公判で平井被告側が何をどう主張したのか、一部が報道されただけで自分は全容を把握していませんが、妥当な判決だと思います
性同一性障害と今回の犯行がどう繋がっているのか、きちんと筋の通った説明を平井被告側は展開したのでしょうか？
裁判官の判断からしても、裁判官を納得させるような説明ができていなかった（そもそも、説明するのが無理では？）という気がします
「振り袖を着た女性を見て悲しさや嫉妬心が爆発し、着物を汚そうと思った」と平井被告は犯行の動機を述べたのですが、世間の人からすれば「何言ってんだ、こいつ？」という感覚です
一般論としても、こうした事件で性同一性障害を前面に出せば出すほど、性同一性障害への誤解や偏見が広がるのでは？
また、成人式の振り袖をレンタルするケースも増えたとはいえ、もし両親が娘のために買い与えたものであるならそれだけの思いがこもっており、「染み抜き代を払います」では示談に応じないでしょう。振り袖を見るたびに嫌な記憶が蘇るのですから
成人式の晴れ着を汚すような行為をすると実刑を食らう場合がある、と記憶しておきましょう
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