帯広女性教諭殺害事件 初公判で「同意の上で」
北海道で高校の女性教諭が元同僚だった高校教師と不倫関係を続けた末、殺害された事件の初公判がありました。その、あまりにドロドロの不倫関係には驚かされるばかりです
片桐被告は執拗に宮田麻子さんから不倫関係を続けるよう求められ、別れることができず、最後は「もう死ぬしかない」と口にして宮田さんが同意したため殺害した、と同意の上での殺害だったと主張しています。しかし、宮田さんが殺害されることに同意したという証拠はなく、片桐被告がそう主張しているだけにすぎません。スマートフォンに音声メッセージで「片桐さんに殺してもらいます」と宮田さんが吹き込んでいたならともかく、遺書や書き置きの類も残されていません。宮田さんのスマートフォンは片桐被告が燃やしてしまったわけで
弁護側は同意殺人を主張し、少しでも刑を軽減させたいのでしょうが、無理筋ではないかと思います
去年5月、北海道帯広市で、かつて同僚だった女性教諭を殺害した罪などに問われている36歳の元高校教諭の男の初公判で、元高校教諭は「やったことについては間違いありません。ですが、相手の同意があったと認識しています」と同意殺人を主張しました。
片桐朱璃(しゅり)被告36歳は、帯広市の高校教諭だった去年5月30日、市内のパチンコ店の駐車場の車内で、オホーツク地方の高校で同僚だった北見市の女性教諭、宮田麻子さん(当時47歳)の首をシートベルトで締めて殺害した上、遺体を市内の雑木林に埋めた殺人と死体遺棄の罪に問われています。
11日の初公判の罪状認否で、片桐被告は「やったことについては、間違いありません。ですが、相手の同意があったと認識しています」と、量刑の軽い同意殺人だったと主張しました。
これに対し検察は「宮田さんは、自分と一緒に死ぬことを前提に承諾したが、被告人は死ぬつもりがないのに、あるように装って殺害した」と指摘。
一方、弁護士は「被告人は(宮田さんが)同意していると思い、殺害に及んだので、同意殺人が成立。犯行に追い込まれたのは、被害者の言動にある」として、情状酌量を求めました。
2人は、それぞれ妻、夫、子どももいましたが、交際関係とされ、逮捕後の取り調べに対して片桐被告は「別れ話でもめた。宮田さんとの関係に疲れ、首にシートベルトを巻き、絞めて殺した」などと話していました。
冒頭陳述で検察は、2人の関係について、平成30年(2018年)から不貞関係で、片桐被告が「妻と離婚する」とウソをついて、関係を継続していたと話しました。
片桐被告に子どもが生まれ、帯広市の高校に異動後「関係を解消したい」と連絡すると、宮田さんが帯広市を訪れるなどし、そこでも別れ話をしたが、宮田さんが納得せず、一旦、離れた後、自宅に向かうと、住所を隠していたはずなのに、宮田さんの車があり、車内で口論に。
そこでも妻と別れるよう、求められたので、片桐被告が「もう、死ぬしかない」と言うと、宮田さんが頷いたので、一緒に後部座席に移動し、互いにシートベルトを巻いて、引っ張り合ったと説明しました。
その後、遺体を自分の車に積んで出勤し、授業や顧問をしていた野球部の活動などもこなし、雑木林に遺棄。
宮田さんの痕跡を隠滅するため、スマートフォンと車検証を焼いていて、身勝手な動機、経緯に酌量の余地はないとしています。
一方、弁護士は、宮田さんが関係解消を認めず、金銭を要求。全財産は700万円と話すと、700万円を渡すよう求められたが、まず、300万円を支払った。
異動後、別れ話を持ちかけると、ヒステリーを起こされ、4月3日には666回の着信や高校職員への電話があるなどし「嫌だったら、お金を払って」と言われ、さらに400万円を支払うも、宮田さんの態度は変わらなかった。
5月29日になって、宮田さんが野球部の練習場に現れ、車の中が荒らされるなどした後、宮田さんから「あなたの家の前にいる。早く来たほうがいい」と言われ、自宅前で合流。
車の中で、宮田さんから「(妻と)別れないなら、赤ちゃんと奥さんを殺す」と脅されたので、片桐被告が「もう、死ぬしかない」と言うと、宮田さんが2回、頷いたので、殺害に至り、追い詰められた上での同意殺人だったと主張しました。
(北海道放送の記事から引用)
「全財産をよこせ」と宮田さんが申し向けたのかどうかは分かりませんが、銀行口座に入金されるなり、自宅にその金額の現金が残されていれば裏付けにはなります。実際は宮田さんが「全財産をよこせ」と欲したのではなく、「妻子を捨て、すべてを投げ捨ててでも自分と一緒になってほしい」との意味だったのでしょう。しかし、片桐被告は妻子を捨てられずお金を差し出したのであり、宮田さんは失望したはずです
が、失望しようとも宮田さんが不倫相手に片桐被告を選んでしまったのであり、片桐被告に夢中になり、家族を捨ててでも片桐被告と一緒にいたいと望んだのは確かだと思われます
ただ、殺害に同意を与えたかどうかは疑問です
もしかすると片桐被告の方から、「一緒に死のう」と持ちかけ、同意した宮田さんを殺して自分は生き延びた(逃げた)という線も考えられます
片桐被告側は今後、宮田さんにつけ込まれ翻弄されたと立証し(メールやLINEでのやりとりを出し)、精神的に追い詰められたと主張して情状酌量を狙うのではないかと想像します
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