３歳時に熱湯浴びせ殺害　松原被告に懲役１８年求刑

事件を考える
松原拓海被告は２０２１年、摂津市のマンションの浴室で、交際相手の長男・新村桜利斗（おりと）ちゃん（当時３歳）に高温のシャワーを浴びせ、殺害した罪などに問われています。これまでの公判では殺意はなかったと主張し、熱湯シャワーを浴びせた事実はないと犯行を否認してきました。ただ、桜利斗ちゃんを死亡させたのは間違いなく、傷害致死にあたるとの言い分です
しかし、３歳時が全身の９割も火傷を負っているのであり、自分で熱湯のシャワーを浴び続けたと考えるのはあまりに不自然です。松原被告は責任を桜利斗ちゃんに転嫁し、「自分はあくまでこどもを見守る責任を果たさなかった過失がある」と言うだけで、己の犯行から目を逸らしていると指摘できます
大阪地検は松原被告に対し、懲役１８年を求刑しています。判決は７月１４日です


２年前、大阪府摂津市で当時の交際相手の３歳の子どもに熱湯をかけて殺害したなどの罪に問われている男（２５）の裁判で、４日、検察が論告を行い、懲役１８年を求刑しました。一方、弁護側は懲役６年が妥当だと主張しました。
無職の松原拓海被告（２５）は２０２１年８月、大阪府摂津市のマンションで当時の交際相手の長男・新村桜利斗ちゃん（当時３）に熱湯を浴びせ続けて、全身に重いやけどを負わせて、殺害した罪に問われています。また、この２か月前にもクッションで桜利斗ちゃんの頭を殴って、ソファーから転倒させるなどした暴行の罪にも問われています。
これまでの裁判では
初公判は６月２２日に大阪地裁で開かれました。松原被告は桜利斗ちゃんの頭を殴って転倒させるなどした暴行の罪については認めたものの、殺人の罪については「桜利斗ちゃん対して熱湯を浴びせ続けた事実はありません。殺意もありません」と起訴内容を否認しました。
弁護側も「被告人は高温の湯を出した状態で、桜利斗ちゃんを浴室に１５分～２０分程度放置したが、脱水症状になる可能性を把握していただけで殺人罪は成立せず、傷害致死にとどまる」と主張していました。
６月２３日には被告人質問が行われ、松原被告は、「（桜利斗ちゃんが）トイレトレーニングに失敗したので、懲らしめることにした」と話しました。また、「熱いシャワーを浴槽に向けて出しっ放しにして、サウナ状態にして浴室に閉じ込めた。直接熱湯をかけようとは思わなかった」などと釈明し、「桜利斗ちゃんは浴室の外に出ようとしていたが、１０回ほど鍵を閉め直すうちに反応が無くなった」などと証言しました。
４日の裁判での検察と弁護側の主張は―
４日、検察が論告を行い、懲役１８年を求刑しました。この中、検察は「桜利斗ちゃんの重いやけどは全身の９割におよび、松原被告が殺意を持って、熱湯をかけ続けたことは明らかだ。３歳の子どもに６０度または７５度の熱湯をかけ続けたことは信じがたい虐待行為で、極めて悪質だ」なとどして、懲役１８年を求刑しました。
一方、弁護側は「目撃者もおらず、被告がシャワーをかけ続けたという具体的な証拠は何もない。松原被告は浴室に閉じ込めて、サウナ状態にすることで桜利斗ちゃんを懲らしめようとしただけだ」として、殺人罪は成立せず、傷害致死罪にとどまると主張しました。
松原被告「とてもやさしい子だった。嫉妬心があったのかもしれない」
裁判の最後に、裁判長から尋ねられた松原被告は「伝えたいことがあります」と切り出しました。そして、事件当時に交際していた桜利斗ちゃんの母親に向けて書いた文章を読み上げました。
この中で、松原被告は冒頭、「事件から２年がたち、あなたがどれほど悲しく苦しい思いをしていたのか、この裁判の中で知りました。あなたが桜利斗ちゃんがいない辛い現実を生きているのに、僕は加害者という現実とどう向き合っていいのかわからず、逃げていました」と述べました。
（読売テレビの記事から引用）


毎度ながら思うのですが、こどもをどれだけ残虐な方法で殺害しても、懲役２０年を超える刑罰が科されないのが不思議でなりません。過去に取り上げた西淀川虐待事件（下記の関連記事で取り上げています）のような、９歳の女の子に繰り返し殴る蹴るの暴行を加え、満足な食事を与えず、寝具もなしに冬のベランダに放置するなど、鬼畜としか言いようのない虐待を繰り返して衰弱死させてもたった懲役１２年の判決でした
過去の判例に沿って判断し、判決を下しているのだとすれば、過去の虐待事件も軒並み軽微な判決で済まされてきたのであり、この国ではこどもの命がとても軽く扱われていたと言うほかないでしょう
自分を守る術がない３歳時に抵抗などできるはずもなく、されるがままに熱湯を浴びせられ全身に火傷を負うような非道でも、たったの懲役１８年です
本件以外にも幼児、乳児に虐待を加え殺害する事件は枚挙に暇がありませんが、軒並み１５年前後の懲役刑です
こどもの命を守るためにも、小学生以下に幼児に対する虐待事件については、厳罰を科すようにしたいものです

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