「別れさせ屋」を利用して泥棒 住職逮捕

寺の住職が一方的に恋愛感情を抱いた女性のところへ、「別れさせ屋」を仕向けて泥棒をさせる事件がありました。こう書いていても、「?」が3つくらい並ぶ珍妙な事件です
「別れさせ屋」と称した探偵会社アルバイトの大坪裕介容疑者ですが、通常探偵会社は違法行為に手を染めないのが決まりです。浮気現場の盗撮などは場合によって逮捕されかねないグレーゾーンですが、法に違反するかどうかギリギリの線で仕事をするからこそ、明らかに犯罪ととられる依頼は引き受けず、自身の身を守るように務めるわけです
今回のように報酬次第で何でもやる、というのは闇バイトと同類になってしまいます
逮捕されてしまったからには大坪容疑者は己の刑罰を少しでも軽くするため、住職今井雄山容疑者からの依頼内容をべらべらと供述するでしょう


知人女性宅に侵入し現金やブランドバッグを盗んだとして、警視庁世田谷署は26日までに、窃盗などの疑いで、東京都渋谷区の寺「霊泉院」住職の今井雄山容疑者(47)=渋谷区広尾=と、探偵会社のアルバイト大坪裕介容疑者(33)=東京都小平市=を逮捕した。
署によると、今井容疑者は容疑を否認。大坪容疑者は男女を破局させる「別れさせ屋」を称する探偵会社で働いており、面識があった今井容疑者から個人的に頼まれ盗みに入ったことを認めている。大坪容疑者は「数百万円の報酬を受け取った。今井容疑者は(被害者の)女性に好意があったようだ」と供述している。
逮捕容疑は共謀して3月、東京都世田谷区の30代女性のマンション一室に侵入し、現金約310万円と、ブランドバッグなど31点(時価1500万円相当)を盗んだ疑い。女性は結婚しており、事件当時は夫とともに不在だった。
捜査関係者によると、今井容疑者は大坪容疑者に“仕事”を依頼する際「バッグが盗まれれば、女性が(自分に)好意を持つかもしれない」という趣旨の説明をしていた。盗まれたものの中には、今井容疑者が女性に贈った高級バッグが含まれていたとみられている。同署は、プレゼントしたバッグが盗まれて夫婦間にトラブルが起きれば、新しいバッグをねだられるなど女性の関心が今井容疑者に向くと思い込んだ可能性もあるとみて調べているという。
仏教では盗みを戒めている。霊泉院は東京メトロ日比谷線の広尾駅に近い臨済宗大徳寺派の寺院で、江戸時代の1669年に創建された名刹(めいさつ)。その住職が空き巣を依頼して逮捕され、周辺住民に衝撃が広がっている。
(Sponichi Annexの記事から引用)


30歳代の人妻がどのような女性だったかは詮索しません。ただ、今井容疑者が高級バッグをプレゼントし、女性が受け取っていたとなればそれなりの仲だったと思われます
古典的な手口では、女性にわざと暴漢を差し向け(もちろん、金で雇った男です)、危機一髪のところへ自分が割って入り、暴漢を撃退して「頼れる男」を演出する方法がありました。危ないところを助けに入った男に女性は一目惚れするはず…という頭の悪い発想からくる手口です
演技のはずが、暴漢役の振り回した刃物で助けに入った男が刺され重傷を負って事件になってしまったケースもあり、なかなか上手くはいかなかったりします
また、「復讐屋」を雇って自宅に強盗に入らせ、夫を殺害しようと企んだ妻が逮捕される事件もありました
「復讐屋」と称していても、所詮は素人同然であり、テレビドラマのように上手くはいきません
最近の例でその手腕が発揮されたのは、元日産自動車会長のカルロス・ゴーンを海外へ逃亡させた、アメリカの元特殊部隊隊員だった男でしょうか?
保釈中ではあっても裁判を控え、行動を制限されていたカルロス・ゴーンをプライベートジェット機に乗せ(楽器のケースに隠して)、まんまと逃亡させました。が、この元特殊部隊隊員とその息子はアメリカで逮捕され、日本に送られて裁判を受け、有罪となって服役しています
さて、逮捕された今井容疑者は泥棒を指示した容疑を否認していますが、指示を受けて実行した大坪容疑者が自供していますので無罪判決はないでしょう
また、盗みに入られた夫婦の方も、妻と今井容疑者の関係が問題となり、ぎくしゃくするかもしれません。広末涼子とキャンドル・ジュン夫妻のようなドロドロの離婚劇にならずに済めばよいのですが

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