3歳児に熱湯浴びせ殺害 松原被告初公判

女性の連れ子を同居している男性が虐待し、殺害したり負傷される事件は昔から繰り返されています。家の中での虐待はなかなか外から察知できないため、手遅れになってしまうケースもしばしばです
大阪府摂津市のマンション内浴室で、当時3歳の男児に熱湯を浴びせて死亡として起訴された松原拓海被告(25)の公判が始まっています
検察は松原被告を傷害致死罪ではなく、殺人罪で裁くよう求めています


おととし8月、大阪・摂津市で交際相手の長男に熱湯をかけ、殺害した罪などに問われている男の裁判が22日に始まりました。
男は殺人の罪を否認しています。
「熱湯を浴びせ続けた事実はありません。殺意もありません。」
22日の大阪地裁での初公判で、殺人の罪に問われている松原拓海被告(25)は、堂々とした様子でこう述べました。
松原被告はおととし8月、大阪府摂津市のマンションで交際相手の長男、新村桜利斗ちゃん(当時3歳)に熱湯を浴びせ続けるなどして大やけどを負わせ殺害した罪に問われています。
また、桜利斗ちゃんが死亡する数ヵ月前に、殴打するなど暴行した罪にも問われています。
逮捕時、熱湯を浴びせたことについて松原被告は「熱湯を故意に浴びせていません」、「温度を上げると桜利斗がびっくりするので、ふざけてやった」と話していました。
しかし、桜利斗ちゃんの遺体には全身にやけどがあり、特に頭から上半身にかけては、皮膚がただれていました。10分近く熱湯が浴びせられた可能性が高いとみられています。
事件の数日後、松原被告が母親の知人に当時のお風呂の状況を説明している音声では「あくまで遊びだった」と述べていました。
(松原被告)「(桜利斗に)シャワーがかからないように、浴槽とか壁のほうに向けて出しっ放しに(していた)。そのときに僕が(キッチンで)給湯の温度を上げていたりしたんですよ」
(母親の知人女性)「何で(温度を)上げたん?」
(松原被告)「遊び。そういうことをしたのは今回初めてじゃなくて、前にもそんな感じ(のことをした)。(桜利斗に湯が)かかっていないし安易に大丈夫かなと言う気持ち」
また、桜利斗ちゃんの母親も暴行の罪で罰金10万円の略式命令が出されています。
事件前の桜利斗ちゃんの様子について母親の知人は-
「あざが何個も見られ、桜利斗がすごく泣く。大声で助けを呼んでいるような異常な泣き声でした」
事件を巡っては、摂津市が桜利斗ちゃんへの虐待の情報を母親の知人や通っていた保育所から繰り返し伝えられてきたにもかかわらず警察に報告していなかったなど対応の不備が指摘されていました。
22日の初公判で、松原被告は黒のスーツを着て堂々とした様子で法廷に現れました。
桜利斗ちゃんの頭を殴って転倒させるなどした暴行罪については「間違いありません」と起訴内容を認めました。
しかし、桜利斗ちゃんを殺害したことについてはー
(松原被告)「桜利斗ちゃんに対して熱湯を浴びせ続けた事実はありません」
(裁判長)「殺意については?」
(松原被告)「殺意もありません」
殺人罪については否認。
弁護側は、被告が浴室に閉じ込めたのはトイレがうまくできなかった桜利斗ちゃんをこらしめるためだったと説明。
75℃のシャワーを出しっ放しにし、脱水症状にさせる意図はあったものの、殺意はなかったなどとして傷害致死罪にとどまると主張しました。
一方、検察側は「被害者は全身のおよそ90%に重いやけどがあった。被告は、桜利斗ちゃんが死亡する恐れがあると認識していながら熱湯を浴びせ続けた」として、殺意はあったと主張しました。
(ABCニュースの記事から引用)


松原被告自身、親からのネグレクトや虐待を受けて育った、と別の報道では書かれています。が、それは弁解にもならず情状にもなりません
松原被告がどのような生い立ちであろうと、3歳のこどもには関係がないのですから
松原被告が虐待を受けて育ったから、3歳のこどもに「虐待されても文句を言ってはいけない」などと言い含めたりはできません
むしろ、松原被告自身が虐待を受けて辛い体験をしたのであれば、幼いこどもを慈しみ大切にするべきでしょう。が、こどもをどう扱ってよいのか分からないまま同居し、苛立ち、持て余していたのが実際でしょう
桜利斗ちゃんに熱湯を浴びせていないのなら全身にやけどを負ったりはしません。全身にやけどがあるのは松原被告が熱湯を相当時間、浴びせ続けたからです
「殺意はなかった」との主張も、どうかと思ってしまいます。いつも書いているように、日本の刑事裁判は殺意の有無にやたら執着するのですが、何より結果に対して責任を負わせるべきでしょう。殺意があろうとなかろうと命を奪った結果は揺るがないのであり、松原被告はその責任を負う必要があります。悪ふざけであろうと何であろうと
初公判での言動は記事を介して察知するしかないものの、おそらく逮捕時から殺害を否認し続け、事故だの軽微な過失だのと主張し続けてきたように思われます
全身の9割にやけどを負う事態ですから「過失」致死という判断はありえません。それでもなお、松原被告は「オレはそんな大したことはやっていない。ちょっと湯をかけただけ」との認識なのか、そもそも桜利斗ちゃんを殺害したこと自体、「大したことじゃない」と切り捨てているのか?
判決は7月14日になります

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