鳥栖市両親殺害　起訴するも氏名は非公開

事件を考える
今年の３月９日、鳥栖市の実家でナイフを用いて５０代の父親と４０代の母親を殺害した九州大学の学生が起訴されています
佐賀地検はこの１９歳の学生を特定少年として氏名を公表しました。が、そのすぐ後に佐賀地裁が「公判では氏名、住所等を秘匿する」との決定を下しています
この裁判所の決定を受け、メディアは学生の名前を伏せたまま報道しています。今回の佐賀地裁の決定は被告の妹（高校生）が、氏名を特定され生活に支障をきたすおそれがるため、との事情からです。それも必要な配慮でしょう


佐賀県鳥栖市の住宅で両親を刃物で殺害したとして大学生の長男（19）=福岡市=が起訴された事件を巡り、佐賀地裁が被告の氏名などを「被害者特定事項」として公判で非公開とする決定を出したことが24日、分かった。遺族代理人の弁護士が明らかにした。被告は昨年4月施行の改正少年法で実名報道が可能な18歳以上の「特定少年」に該当するが、今後の裁判員裁判で氏名は伏せて審理される。
被害者特定事項秘匿制度は、氏名、住所など被害者や遺族が特定される事項について、裁判所が相当と認めた場合は公開の法廷で伏せることができる。遺族の代理人弁護士によると、佐賀地裁が非公開を決めたのは被告の氏名や殺害された両親の氏名、住所など。仮名など代替の呼称を用いて審理する方針が示されたという。
起訴状によると、被告は3月9日正午前後、鳥栖市の実家で50代の父親と40代の母親をナイフ（刃体約15センチ）で数回突き刺し、失血死させたとしている。事件当時、自宅で倒れていた両親を10代の娘が発見して119番していた。　
代理人弁護士は被告が2人の殺人罪で起訴された5月1日、被害者特定事項の秘匿を申し出て、「両親を失った遺族である少女が（特定されないことにより）平穏な社会生活を送るため」としていた。
佐賀地検は起訴した際、被告の氏名も公表し、「改正少年法の趣旨などを踏まえ、殺人という重大事件であることなど諸般の事情を考慮した」と説明していた。同地検が特定少年の実名を公表したのは初めてだった。
■被害者特定事項秘匿制度　刑事裁判で、氏名や住所など被害者を特定する事項を公開の法廷で明らかにしないで審理できる制度。刑事訴訟法に規定されている。被害者や遺族が秘匿を申し出て、裁判所が適否を判断する。主に性犯罪の被害者保護が目的だが、「（被害者らの）社会生活の平穏が著しく害される恐れがある」事件も対象になる。
（佐賀新聞の記事から引用）


犯行の動機については、「学業について父親からあれこれ言われた」のが原因だとする報道があったものの、具体的に何があったのかは不明です。例によってメディアは拘置所に勾留されている被告に面会を申し入れたり手紙を書いたりして接触を求め、事件について聞き出そうと試みているはずです。が、こうした取材には応じていないのでしょう。家庭内の問題ですから、外部の人にペラペラしゃべるつもりはないものと推測されます
犯行については認めていますので、遠からず公判が開かれるはずです
ともあれ、九州大学に入学した長男にあれこれ干渉する必要があったとは思えないのですが、親としてああしろ、こうしろと言わずにはおれなかったのでしょうか？
いずれ公判の場で何があったのか明らかにされます。親を殺害する前に親の干渉を打ち切らせる方策を考える余裕はなかったのか、と思うばかりです

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