豊川男児殺害事件 再審請求またも認めず
2002年7月の深夜、豊川市のゲームセンター駐車場に止めた父親の車にいた村瀬翔ちゃん(1歳)を連れ出し、、岸壁から海に落として溺死させる事件がありました。夫婦は翔ちゃんを車に残したままゲームセンターで遊興しており、その間に連れ去られた格好です
当時、ゲームセンターにトラックを停めていた運転手の田辺雅樹(旧姓川瀬)が逮捕され、懲役17年の判決が確定して大分刑務所に服役したのですが、服役中に無罪を訴え再審を請求してきました
再審請求が棄却された件については当ブログでも取り上げたところです
週刊文春の記事も引用しているのですが、田辺元受刑者は取り調べ段階から嘘が多く、嘘の主張を並べて自身のアリバイを主張し、警察が1つ1つ裏を取って嘘を暴き、追い詰めるという捜査が展開されました
例としては以下のようなものです
事件当日、友だちとコンサートへ行くため待ち合わせしていた⇒コンサート自体、存在せず
専門学校卒業後、有名メーカーの下請けとして働く⇒嘘
これでは警察官も呆れてしまい、田辺元受刑者が無罪を主張したところで耳を貸す気にはなれないでしょう。追い詰められ、切羽詰まって嘘をつくというケースは珍しくないのですが、田辺元受刑者の場合は日常的に嘘をついて生活していた節があります
愛知県豊川市で2002年7月に起きた1歳男児殺害事件で懲役17年の有罪判決が確定し、服役を終え出所した田辺(旧姓河瀬)雅樹さん(56)の再審請求異議審で、名古屋高裁(田辺三保子裁判長)は7日、再審開始を認めない決定をした。
田辺さんは公判で無罪を主張。目撃証言や物証がなく、捜査段階での自白の信用性が有罪判決の決め手だった。
一審名古屋地裁は信用性を否定して無罪としたが、二審名古屋高裁は「根幹部分は十分に信用できる」と判断。逆転有罪を言い渡し、08年に最高裁で確定した。
服役中に再審を請求し、名古屋高裁が19年に棄却。同高裁の別の裁判部が異議申し立てを審理していた。田辺さんは昨年8月に出所した。
異議審で弁護側は、男児の投棄地点に関する専門家の意見書などを新証拠として提出。「自白内容は潮流などから推定される地点と矛盾する」と主張した。
確定判決によると02年7月28日未明、豊川市のゲームセンター駐車場で、1人で車の中にいた男児を連れ去り、約4キロ離れた岸壁から海に投げ入れ、殺害した。
(時事通信の記事から引用)
田辺元受刑者は大分刑務所を満期で出所しています。前科がなく初犯であるなら仮釈放の対象ですが、被害者遺族は田辺元受刑者の仮釈放に同意しなかったものと推測されます。無罪を主張していたのですから、田辺元受刑者は遺族に対して謝罪もせず、賠償もしていないのでしょう。これでは遺族が仮釈放に同意するはずもありません
また、田辺元受刑者は事件後、それまで乗っていた車を売却しており、これも証拠隠滅を図ったのではないかと疑われた理由の1つです
上記の記事にもあるように、再審請求にはそれ相応の理由があるのは分かりますが、有罪判決をひっくり返すほど直接的な新証拠というわけではありません
殺害された村瀬翔ちゃんの両親は当初から警察に容疑者扱いされ、長時間の事情聴取(という名の取り調べ)を繰り返し受けています。車内に放置していた息子が熱中症で死亡したのをごまかすため、連れ去られたかのように装って海に遺棄したと疑われたためです。この点、警察の見込み捜査は誤りであり、第三者による犯行を疑うべきでした。それこそ、両親を遺体遺棄容疑で逮捕しかねない状況であり、冤罪を生むところだったわけです
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