京都女学生タリウム殺人　叔母殺害未遂で再逮捕

事件を考える
交際相手だった女子大生にタリウムを飲ませて殺害した容疑で逮捕・起訴された宮本一希被告ですが、叔母にもタリウムを摂取させて殺害を図ったとの疑いがあり、殺人未遂容疑で再逮捕あれています
ただ、いまだに宮本被告がいつ、どこからタリウムを入手したのかは判明しておらず、タリウムの入手手段解明が鍵になります


京都市の女子大学生に毒性の強いタリウムを摂取させて殺害したとして起訴された容疑者が、61歳の叔母にもタリウムを摂取させて殺害しようとしたとして再逮捕された事件で、容疑者のスマートフォンに殺人やタリウムに関する検索履歴が残っていたことがわかりました。検索は叔母が体調不良を訴えた数日前まで続いていたということで、警察が詳しいいきさつを調べています。
京都市左京区の元不動産業、宮本一希容疑者（37）は、いずれも毒性の強いタリウムを摂取させて去年10月に知人で21歳の女子大学生を殺害したとして起訴され、3年前の7月にも、61歳の叔母を殺害しようとしたとして24日、殺人未遂の疑いで再逮捕されました。
警察によりますと、叔母は当時、原因不明の体調不良を訴えて病院に運ばれ、現在も意識不明の重体で、病院で保管されていた叔母の尿などからは、タリウムの成分が検出されたということです。
また、警察が、容疑者のスマートフォンを調べたところ、叔母に対する殺人未遂事件の5か月前から「殺人」ということばが、さらに、2か月前からは、「タリウム」ということばが検索された履歴が残っていたということです。
検索は叔母が体調不良を訴えた数日前まで続いていたということで、警察が詳しいいきさつを調べています。
警察によりますと、調べに対し宮本容疑者は黙秘しているということです。
（NHKの雉から引用）

タリウムで叔母を殺害しようとしたとして殺人未遂容疑で再逮捕された無職宮本一希容疑者（３７）のスマートフォンに、薬品を計測できる「はかり」を購入した記録が残されていたことが捜査関係者への取材でわかった。購入日は叔母が入院する数日前だった。大阪府警は、宮本容疑者が致死量のタリウムを正確に計測するために購入し、使用したとみている。
叔母は京都市で不動産会社を経営していた宮本紫（ゆかり）さん（６１）。２０２０年７月１９、２０日に腹痛や筋肉痛を訴えて病院を受診。２１日に救急搬送されて入院し、意識不明の重体となった。
捜査関係者によると、府警が押収した宮本容疑者のスマホには、紫さんが入院した数日前、インターネットの通販サイトで、はかりを購入した履歴が残っていたという。
一般的にタリウムの化合物は粉末状で、致死量は約１グラムとされる。府警の捜査では、重体になっている紫さんの血清と尿から致死量に達するタリウムが検出された。
宮本容疑者のスマホには叔母が入院する２か月前の２０年５月、タリウムを扱う業者から受け取った見積書のデータが残されていた。スマホにはタリウムについて繰り返し検索した履歴もあった。
（読売新聞の記事から引用）


大阪の医薬品販売会社に、「京都大学の宮本」と称してメールでタリウムの見積もりを依頼していたと判明していますが、この会社は宮本被告にタリウムを販売しておらず、他から入手したものと思われます。正規の販売ルートが限られているのですが、まだ特定できません。となれば、非合法な手段で購入したとも考えられます
ただ、殺人にタリウムが使用される事例は稀であり、よほどの薬物マニアでもない限り、個人でタリウム化合物を所持しているケースは考えられません（ただ、世の中には一般に入手困難な薬物を収集しているマニアとか、個人でさまざまな化学実験を趣味としている人がいます）
もう３０年以上前の事件になりますが、化学実験に取り組む発明家の男性が借金返済に困り、さまざまな薬品を使用して覚醒剤を製造し、密売して逮捕される事件がありました
また、再婚相手となった男性６人に青酸化合物入りカプセルを飲ませて殺害し、財産を奪ったとして死刑判決を受けた筧千佐子死刑囚は、最初の夫と印刷工場を営んでいた際、出入りの業者から青酸化合物をもらったと供述しています。本来は厳重に管理しなければならない毒物を、ホイホイと他人に譲渡する自覚を欠いた大人がいるのも現実です
劇物・毒物の管理もいわば業者任せになっていて、全員が善良な管理者だと期待するのは無理があます。紛失したり、金に困って売り渡そうという人物がいても不思議ではありません
宮本被告は黙秘を貫いており、自らタリウムの入手方法を自供はいないのでしょう。今のところ、秤の購入もタリウムを量るのに使ったのだろうという状況証拠であり、スマートフォンの検索歴もタリウム入手を模索していたという状況証拠です。嫌疑は濃厚ですが、決め手はやはりどこからタリウムを手に入れたかであり、そこを解明しなければなりません

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