越谷動画配信女性殺人 身勝手な動機に公判で謝罪もなし

2022年1月、埼玉県越谷市のアパートでライブ配信をしていた女性が、彼女のファンである男性に刃物で滅多刺しにされ死亡する事件がありました。その後、続報がないまま1年以上経過してしまったのですが、週刊女性が公判の模様を記事にしていますので取り上げます
当ブログで取り上げた際、報道のままに「交際していた男を逮捕」と書いたのですが、2人はライブ配信者とそのファンという関係であり、実際に会ったのは1回だけなのだとか。それだけで被害者岩永未咲さんを自分の恋人だと勝手に思い込み、意に沿わなければ殺害してしまおうとする短絡さに呆れます
起訴された古川大輝被告には懲役17年(求刑は懲役18年)の判決が言い渡されています。これも事件を「男女交際のもつれ」と決めつけ、殺害された側にも問題があったと検察官、裁判官が安易に判断した結果ではないのか、と言いたくなります。殺害された岩永未咲さんにすればあまりに理不尽な扱いでしょう。遺族が憤慨するのも当然です


「おまえの顔忘れないからな」埼玉・女性ライバー殺人 遺族の悲痛と自称“元カレ”の身勝手すぎる動機
(前略)
「当時33歳だった岩渕未咲さんの部屋のベランダに、当時25歳だった古川大輝被告が侵入。用意していた包丁で美咲さんの胸や腹などをメッタ刺しにし、殺害したんです。
2人はライブ配信者(通称・ライバー)と視聴者(通称・リスナー)の関係で、リスナーだった被告が一方的にライバーである岩渕さんに好意を募らせた上での犯行といわれていました」(全国紙社会部記者)
5月8日に行われた初公判でも、起訴事実を認めた古川被告。2人の間に何があったのか。公判で明らかになったのは、古川被告の身勝手すぎる動機だった。
「当時、専門学生だった古川被告は、事件の数か月前から岩渕さんのライブ配信の視聴者になっていたようです。起訴状によると、“岩渕さんから別れを告げられたことからホームセンターで包丁を購入して、岩渕さんのアパートのベランダに侵入した”とあります。事件の数日前から岩渕さんのアパート付近をうろついていたり、事件当日もベランダで7時間も待っていたことから相当な殺意が見受けられるが、果たして本当に交際していたといえるのか。
被告は岩渕さんのライブ配信のいわば客だった。どのくらい被告が“投げ銭(オンラインでの課金)”をしていたかはわかりませんが、専門学生だった被告からすると貢いだ気になっていたのかもしれません。思いを募らせていった被告は岩渕さんと交際したと思い込み、わずか1日会っただけなのに“付き合っていた”と証言しています。逆上させないためだったのでしょう、岩渕さんが“ライバーとリスナーの関係に戻ろう”と告げたことから一方的に殺意を覚えたようです」(同・全国紙社会部記者)
被害者がライブ配信でどれくらいの収入を得ていたのかは明らかにされていないが、優しい人柄でリスナーも多かったという。
両親や親族からも愛されていた未咲さん。両親は被害者参加制度を使って、公判に出席していた。聞くに堪えない場面も多かったであろう。未咲さんの母親は、最後の意見陳述で涙ながらに悲痛な思いを明かした。
「私の娘の未咲は、窓から侵入してきた男に殺されました。それも、たった一度しか会ったことのない男に包丁で身体中7箇所もメッタ刺しにされたんです」
(中略)
証人尋問では被告の母親が証言台に立ったが、ご遺族の方を向くこともせず、検察から謝罪の意思を聞かれても「まだわかりません」と答えるのみだった。被告は最後の意見陳述で、
「今後は自分と向き合って生きていきたい」と、謝罪の言葉はなく終始自分のことばかりな発言が目立った。遺族が怒鳴りつけたくなるのも無理はない。
16日、古川被告に17年の判決が言い渡された。最後まで遺族のほうを見ることなく謝罪もしなかった被告。最終意見陳述で自分と向き合うと述べたが、遺族の思いに向き合うべきではないだろうか。


古川被告は遺族に謝罪もせず、「今後は自分と向き合って生きていく」と言明しています。「岩永さんには謝罪しない」と決めており、「あの女に当然の報いを与えただけ。もうあの女のことは考えない」と言いたげな態度です
古川被告は事件当時25歳で専門学校生という身分でした。25歳で専門学校に通っていたというのはどうなのかとも思いますが、家庭環境など不明なので突っ込まないでおきます
岩永さんが使用していたライブ配信アプリは「17LIVE」という台湾発祥のもので、投げ銭機能がついており、古川被告は度々多額の投げ銭をしていたようです。多額の金銭を貢いで「この女はオレのもの」だと勘違いしていたのか
以前の静岡の女子大生が殺害された事件も、犯人の一方的な思い入れとつきまといの結果だったのですが、裁判官は何を思ったのか無期懲役の求刑に対して懲役20年という半額バーゲンセールなみの割り引いた判決を下しました。本件の場合は懲役18年の求刑に対して懲役17年の判決です。人の命とはかくも安いものか、と言いたくなります。最低限でも懲役20年以上の判決とするべきでは?
判決文を見ていないので、何を根拠に懲役17年という判断に至ったのかよく分かりません。岩永さんに相応の落ち度があったと認定しないと17年という量刑にはならないはずです。動画配信で男から金銭を得ていた=けしからん行為、と判断したのでしょうか?

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