老人ホーム３人転落死　今井被告の死刑確定: 夾竹桃日記

2023年05月16日

老人ホーム３人転落死　今井被告の死刑確定

老人介護施設の職員が３人の高齢者をベランダから投げ落として殺害した事件で、１審及び２審で死刑判決を受けた今井隼人被告は最高裁に上告していました。が、この上告を自ら取り下げたため死刑判決が確定しています

物的証拠の乏しい事件でしたから、否認を続けていれば「疑わしきは被告人の利益に」との法理により、無罪判決を得られると思っていたのかどうか

裁判の経緯はこれまでにも当ブログで取り上げてきたので、再度言及するのは止めておきます

無罪を主張するのは被告人の判断ですからとやかく言いませんが、自分には「嘘を付き続けるのに疲れ、上告を取り下げた」ように映ります

2014年に川崎市幸区の有料老人ホームで入所者の男女3人（当時86～96歳）を転落死させたとして、殺人罪に問われた元施設職員、今井隼人被告（30）は11日付で、最高裁への上告を自ら取り下げた。死刑とした1、2審判決が確定した。

弁護側は1、2審とも「3件の転落死はいずれも事故や自殺の可能性があり、被告は犯人ではない」と無罪を主張。今井被告は神奈川県警の任意の事情聴取では3人の殺害を認めていたとされ、自白の信用性が争点となった。

1審・横浜地裁判決（18年3月）は、被害者が自力でベランダの柵を乗り越えるのが不可能だったことなどを挙げて、事故や自殺の可能性を否定。その上で、3人の殺害を認めた任意段階の取り調べの録音・録画映像から「具体的、迫真的で現場の状況と一致する」と自白の信用性を認め、求刑通り死刑を言い渡した。

2審・東京高裁判決（22年3月）は、1審が取り調べの録音・録画映像から自白の信用性を直接判断しているのは、補助的な証拠として採用した当初の目的を外れて違法だと指摘。一方で、逮捕直前に家族に殺害を打ち明けていたことから、自白の信用性はいずれにしても認められるとし、弁護側の控訴を棄却した。

1、2審判決によると、今井被告は14年11～12月、入所者の男女3人を施設の4階と6階のベランダから転落させ、殺害した。今井被告の弁護人は「事実確認と今後の対応を検討中」とした。

（毎日新聞の記事から引用）

世間の同情が今井被告に集まることはなく、「今井さんは無罪だ。今井さんを救え」と叫ぶ市民団体は現れませんでした

むしろ今井被告に対する世間の目は厳しかったと思います

自分も高齢の母親を自宅で介護している身なので、介護の大変さは理解できますが、今井被告の抱いた殺意というのは理解不能です

過去、今井被告は施設に入居していた高齢者の金品を盗む犯行があり、それを見咎められたゆえ口封じのために殺害したのかな、とも思いますが本当のところは分かりません。捜査段階で今井被告は殺害を自供してはいますが、動機などについてありのまま語ったのかどうかは不明です

その後、裁判では犯行を否認し続けていますので、当然ながら殺害の動機などは語っていません

上告を取り下げたのですから、せめて何を思って犯行に至ったか、明確にしてもらいたいところです。遺族もそれを望んでいるのでは？

自分の父親や母親がどのような理由かも分からないまま殺害された、というのは遺族にとって辛いのですから。せめて今井被告には本当のところを言い残してもらいたいものです

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