入管法改正ドタバタ ウィシュマさんを詐病扱い
出入国管理局の収容所で十分な医療を受けられないまま、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなったのですが、いまだに国は責任を認めようとしていません。そしてさらに強制送還をしやすくする法改正を実現しようとしています
日本が難民の受け入れを極端に制限し、事実上難民を排除しているのは周知の事実です。その一方で、低賃金労働者として外国人実習生の受け入れには熱心です。低賃金労働者不足を訴える産業界の要請に、政府・自民党が後押しされているからなのでしょう
しかし、日本の外国人実習生制度が低賃金労働者を搾取するだけの奴隷労働だと言われ、その廃止を求める声もあります
難民認定はせず、都合よく使い捨てできる外国人低賃金労働者は求めるという矛盾は正されなければなりません
そして、ウィシュマさんの事例はともかく、不法滞在の外国人だからといって十分な医療措置を講じることなく入管の収容所で見殺しにしてよいはずがありません。それでは北朝鮮や中国と同じ、人権無視の無法国家になってしまいます
維新の代表質問で梅村みずほがウィシュマさんの病気を“支援者の誘導”と詐病扱いし非難殺到! 背景に維新のフェイク&差別体質
(前略)
暴言を吐いたのは、維新所属を代表して質問に立った梅村みずほ参院議員。梅村議員は質疑冒頭から、名古屋出入国在留管理局に収容され、体調不良を訴えていたにもかかわらず適切な医療を受けられず2021年に亡くなったスリランカ人女性、ラスナヤケ・リヤナゲ・ウィシュマ・サンダマリさんの収容時の映像を10時間視聴したことに触れ、「彼女が死に向かっていく様子を映像で追いながら、まだ生きることができる命であったと落涙を禁じ得ませんでした」と述べた。
ところが、梅村議員はその後、こんなことを言い出すのだ。
「医師の診療情報提供書や面会記録を含めた資料とともにウィシュマさんの映像を総合的に見ていきますと、良かれと思った支援者の一言が、皮肉にもウィシュマさんに『病気になれば仮釈放してもらえる』という淡い期待を抱かせ、医師から詐病の可能性を指摘される状況へ繋がった恐れも否定できません」
「自分がなんとかしなければという正義感や善意からとはいえ、なかには一度も面識のない被収容外国人に次から次へとアクセスする支援者もいらっしゃいます。難民認定用件を満たしているのに不当に長期収容されているのではないか、弱い人を救いたいという支援者の必死の手助けや助言は、場合によってはかえって被収容者にとって、見なければよかった夢、すがってはいけない藁になる可能性もあると考えますが、法務大臣はどのようにお考えでしょうか?」
なんと、梅村議員は、ウィシュマさんの支援者が「病気になれば仮釈放してもらえる」と伝え、そのことが医師から詐病だと疑われる事態を招いたのではないかと口にした上、支援者の支援が「見なければよかった夢、すがってはいけない藁になる可能性もある」と述べたのだ。
この発言に議場は騒然となり、「とんでもない発言だ」という声が飛ぶ事態に。Twitter上でも批判が巻き起こり、ジャーナリストの江川紹子氏は〈これはひどい!ウィシュマさんは詐病で亡くなった、とでも?〉と投稿。
(後略)
ウィシュマさんは詐病で死亡したのではなく、十分な医療を受けられないため死亡したのであり、梅村参議院議員の根本的な認識が間違っています。人の死を悼むのではなく、己の政治的な思惑のために人の死を捻じ曲げ弄ぶ梅村議員の主張は批判されて当然でしょう
日本の難民認定が度を越して排他的であるのは、田舎の人が都会からの転居者を「ここの風習を知らん者が増えると困る」と排除するのと似ています。自民党議員ら保守系の人たちは、難民であろうと外国人が我が国に入り込めば問題が起こるから入れないようにしろ、と主張しているわけです
その一方で、先に述べたような農業や水産業に従事する低賃金の外国人労働者を必要とし、あるいは観光地に金を落としてくれる外国人旅行客を求めています
難民を10人、20人、30人受け入れたら日本の社会が崩壊するのでしょうか?そんなことはありません
今後、チベット族やウィグル族の人、香港の市民が難民として日本に逃れてきた場合でも、日本政府は「経済難民だ」とか「偽装難民だ」と決めつけ強制送還するつもりなのでしょうか?
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