神戸5人殺傷事件を考える 控訴審始まる

2017年、自宅で祖父母ら3人を殺害した上に実母ら2人を殺害しょうとした竹島叶実被告は、1審の神戸地裁で心神喪失状態にあったとして無罪判決が言い渡されていました(検察は無期懲役を求刑)
その控訴審がようやく始まっています
神戸地裁の判決では、刑事責任能力はあったと判断した最初の精神鑑定書を裁判官が真っ向から否定しており、鑑定医と神戸地検の面子を潰した格好になっています


2017年、神戸市北区で祖父母ら5人を殺傷した罪に問われ、一審では無罪となった男の控訴審が12日始まり、検察は「責任能力は残っていた」と主張しました。
無職の竹島叶実被告(32)は2017年、神戸市北区で同居していた祖父母ら3人を包丁で刺すなどして殺害したほか、母親ら2人も殺害しようとした罪に問われています。
争点は責任能力の有無で、一審で神戸地裁は「犯行当時、被告が心神喪失状態にあったのではないかとの合理的な疑いが残る」とし、無罪を言い渡しました。
検察は判決を不服として控訴。この日から始まった控訴審で医師を証人として呼び、犯行をためらう発言をするなど、相手を人と認識していたと証言しました。
一方、弁護側は竹島被告は幻覚を見ていたとして、無罪を訴えています。
(読売テレビの記事から引用)


1審で竹島被告は祖父母を殺害したのではなく「哲学的ゾンビ」を殺したと主張していました。裁判官は、「相手を人間として認識できない状態」=心神喪失だと判断し、竹島被告には刑罰よりも治療を優先させるべきだとし、法廷にいた遺族にこの判断を受け入れるよう説諭までしています
被告への処罰感情が強かった遺族にとって無罪判決は意外であり、受け入れがたいものだったでしょう
神戸地検としては本来死刑を求刑するところを、竹島被告が妄想を抱えていた事実を考慮して無期懲役刑を求刑したところですが、上記のように「心神喪失状態にあったのではないかとの疑いが残る」というだけで無罪判決を下されたのは驚きだったはずです
ここ最近の傾向としては、「統合失調症であったとしてもその影響力は限定的」と判断し、有罪判決を言い渡すケースが目につきました
もちろん、刑事事件は個別に審議し判断されるべきものであり、あの事件とこの事件の判決を比べてどうのこうのと言うのはこじつけになってしまいます
ただ、竹島被告が事件直前まで引きこもり状態にあってもそれなりに分別のある、見当識を保った生活をしていたのであれば、突然に心神喪失状態に陥り凶行に走ったと決めつけるのは乱暴すぎる気がします

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