岸田首相襲撃 木村容疑者の卒業文集

和歌山県の漁港で岸田首相に爆発物を投擲したとして逮捕された木村隆二容疑者については、高校を中退した後も無職で自宅にいたものと推測されます。社会との接点が極めて少ないため、彼のここ数年の心境の変化を知る人物はおらず、犯行に到るまでの経緯も不明なままです
そこでお約束のように中学時代や小学校時代の同級生の証言を引き出し、「木村容疑者の人となり」を記事に仕立てようとするのですが、成功しているとは言い難いのが現状です
そもそも小学生当時のまま24歳になっているはずもなく、人は変貌します。小学生当時の印象や思い出を語られても、現在の木村容疑者の姿は見えてこないのであり、こうした試みは限りなく無駄でしょう
あろうことか、時事通信は中学生の卒業文集から木村容疑者の作文を引っ張り出し、記事にしています


岸田文雄首相の遊説先で起きた爆発事件で、火薬類取締法違反容疑で再逮捕された木村隆二容疑者(24)は中学校の卒業文集で、光やブラックホールについて説明する作文を書いていた。
同級生らが中学時代の思い出などを記す中、学校生活や友人との思い出には触れていなかった。
文集の作文タイトルは「光について」。「光の速度は毎秒2億9979万2458メートル」「1秒間に地球を7回半回る速さだ」などと記し、ブラックホールは「極めて高密かつ大質量で、『光』さえ脱出することができない天体」と説明していた。
その後、タイムマシンの実現可能性に言及し、「まずは光の速度を超えなければ話にならないので、到底タイムマシンを拝む日は来ないだろう」と結んだ。寄せ書きのページには「ありがとうございました」とのみつづっていた。
小中学校の同級生だった男性は「教室で1人でいることが多かった。無口な方だった」と当時の様子を話す。
一方、木村容疑者の自宅近くで商店を営む熊岡良隆さん(71)は、「明るい子だった」と振り返る。小学生の頃、友人と一緒に駄菓子を買いに来ていたことを覚えており、サッカークラブの帰りに、店によく立ち寄っていたという。
木村容疑者は事件当時、兵庫県川西市の住宅で母親、兄と3人で暮らしていた。仕事はしておらず、母親と庭の手入れをする姿などが目撃されていた。
(時事通信の記事から引用)


よほどネタがなかったのか、記者が入手した卒業文集から引っ張り出して何を伝えたかったのでしょう?
中学生の時から木村容疑者は友人もおらずボッチだった、と伝えたかったのでしょうか
さすがに上記の作文から、心理分析の専門家が「首相を爆殺しようとする、仄暗い殺意が垣間見える」などとコメントするのを期待したとは思えないのですが
木村容疑者の母親は連日、警察からの事情聴取を受けているはずです。調書を作成する都合上、木村容疑者がいつから政治に目覚め、不満を表面するようになり、爆発物を作って首相殺害を企図したのか、安倍元首相銃撃事件から影響を受けたかどうかなど、事細かに尋問されているものと推測します
木村容疑者が黙して語らないのであれば母親の供述だけが頼りとなるため、そこから事件のアウトラインを描きたいのでしょう
ただ、最近では警察の調書にも厳しい目が向けられるようになっており、本人が供述していない話をさも供述したかのごとく作文すれば信用を失いかねません。わからないことはわからない、不明のままと書くのが正しい対応です。それは新聞記事も同じであり、憶測やら決めつけで記事にするのは間違いです
卒業文集の作文と木村容疑者の犯行を結びつける要素は何もないのですから、こんな記事を配信するべきではなかったはずです

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