車に幼い姉弟放置 児童相談所の怠慢指摘

昨年の夏、厚木市内の公園駐車場に停めた車野中に幼い姉弟を放置し、死亡させた長沢麗奈被告には懲役3年6月の実刑判決が下されています
この事件では児童相談所の対応も問題視されました。警察から「買い物中にこどもを放置している」と連絡があったにも関わらず、児童相談所がネグレクトの可能性を考えて介入しようとはせず、単なる指導で片付けていたとされます
神奈川県の第三者委員会が児童相談所の対応を検証し、報告書をまとめているわけですが、どれだけ立派な報告書を作成したところで児童相談所が機能しなければ無意味です
不倫に熱心な黒岩知事にねじ込んででも、児童相談所の職員を増やすなりして実効性を確保しなければ何も改善しません


児童虐待への対応を検証する神奈川県の第三者委員会は27日に公表した報告書で、厚木市で2児が車内に放置され、死亡した事件をめぐり、児童相談所が事件前の車内置き去りを把握しても迅速に動かなかったとして「強い危機意識で対応する必要があった」と指摘した。4人の子供が死亡し、うち2人に対する殺人罪で大和市の母親が起訴された事件では関係機関が対応する上での課題として、死因などに関する速やかな情報共有を挙げた。
厚木市で昨年7月、母親(22)=保護責任者遺棄致死罪で実刑確定=が幼いきょうだいを車内で置き去りにした事件では3週間前の同月8日、買い物中に長男を車内に一時置き去りにし、警察官が駆けつけた。母親は「二度としない」とする上申書を県警に提出。児相は同14日に県警から通告を受けていたが、母親に電話連絡を試みたのは事件当日で、電話はつながらなかった。
報告書によると、児相は車内放置を重篤なリスクと捉えておらず、長男の身なりが清潔だったことなどから緊急性は高くないと判断し他の案件を優先させた。
同委員会は車内放置は安易な気持ちで繰り返される実態があるとし、「乳幼児は短時間で死に至る可能性が高いことから、強い危機意識で対応する必要があった」と批判した。一方で児相の人員体制は十分ではないとし、体制強化に向けて国の支援が必要とした。
大和市の事件では上田綾乃被告(43)=殺人罪で起訴=が次男を出産した平成24年に児相は長男が14年、長女が15年にそれぞれ乳児期に死亡したことを把握。三男が29年4月に死亡したため次男を一時保護し、30年に横浜家裁に施設入所措置の申し立てを行ったが家裁は却下した。児相は抗告せず、被告のもとに戻った次男は令和元年8月に死亡した。
報告書によると、家裁は申し立て却下の際にきょうだいの死亡への上田被告の関与を疑う事実は認められないと判断。同委員会は死因に関する記録内容が詳細ではなかったと指摘し、死亡時に死因の多角的な検討が行われ、その結果が記録として残されていれば「状況は変わった可能性がある」と言及した。
同委員会は養育状況を評価するためには過去の情報が大切だとし、児相の調査に対して警察を含めて速やかに情報提供する体制を整えるべきだと提言した。
家裁の判断には「工夫の余地はあった」と述べ、具体策として審理を継続して家庭支援の枠組み構築を誘導することなどを挙げた。児相に対しては「抗告すべきであったとする事情は見いだせない」とする一方、長男、長女の死亡に関する情報収集の遅さを批判した。
(産経新聞の記事から引用)


神奈川県の児童相談所は「関係機関との連携を強化していく」と表明しています。が、くり返し書いているように「関係機関との連携を強化する」などという文言は30年前から繰り返し使われているのであり、未だに何も実行されていないのかと呆れるだけです
本件も警察からネグレクトの疑いを通報されていたのに、児童相談所が専門機関としての対応を十分に果たしていなかったのであり、関係機関との連携強化どころではありません
人が足りなくて手が回らないのであれば、県知事に直訴してでも職員を確保し、職責を果たすべきでしょう。長沢被告の家に「電話をしたがつながらなかった」として放置するのではなく、児童の職員が自分の足で訪問する必要があったのです。事件は児童相談所の職員の机の上で起きているのではなく、それぞれの家庭で起きているのです。直接現場に出向かずに何をしているのか、と
これで児童相談所の職員が誰も責任を負わないのであれば、業務の改善などあり得ません。せっかくの報告書も書類キャビネットにしまい込まれて終わりです

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