日立母子6人殺害控訴審 死刑判決を支持

日立市で妻と子供の6人を殺害し、集合住宅の部屋に火をつけたとして1審で死刑判決を受けた小松博文被告の控訴審判決があり、東京高裁は1審の判断を指示して死刑を言い渡しています
小松被告は逮捕後、心不全によって瀕死状態となり、脳に後遺症があって事件当時の記憶を失ったとされます。そのため、1審でも「記憶を失った被告に死刑を言い渡せるのか」と争点になっていました
いまでも時折、「(犯行時の)記憶がない」などと主張して無罪判決を求める刑事事件があるわけですが、ほとんどのケースで退けられ有罪判決が下されています。飲酒運転でひき逃げ事故を起こし、「人を轢いた記憶がない」などと強弁しても通用しません


6年前、茨城県日立市で妻と子どもの6人を殺害し、放火したなどの罪に問われた被告に対し、2審の東京高等裁判所は「非常に残虐な犯行で死刑を回避する事情はない」として1審に続いて死刑を言い渡しました。
日立市の無職小松博文被告(38)は6年前、市内の県営住宅で妻の小松恵さん(当時33)と3歳から11歳までの5人の子どもを包丁で刺して殺害したうえ、部屋に火をつけたとして殺人と放火などの罪に問われました。
被告は起訴されたあと心不全などを発症して一時、心肺停止の状態になったということで、弁護士は「後遺症で事件当時の記憶を失っていて、裁判を打ち切るべきだ」と主張しましたが、1審の水戸地方裁判所はおととし、裁判をする能力はあるとした上で検察の求刑どおり死刑を言い渡し、被告側が控訴していました。
23日の2審の判決で東京高等裁判所の伊藤雅人裁判長は「事件当時の記憶は失われているが、弁護士の助けがあれば裁判に対応できる」と判断しました。
その上で、「離婚を切り出されたことを発端に、就寝中の妻と幼い子どもたちを柳刃包丁でかなり強い力を込めて突き刺した。強固な殺意に基づく非常に残虐な犯行で、動機も身勝手だ。結果の重大性や悪質性を踏まえると、死刑を回避する事情はない」と指摘し、1審に続いて死刑を言い渡しました。
(NHKの記事から引用)


弁護側は「心不全の後遺症で事件当時の記憶がないのだから、死刑判決を破棄して審理を地裁に差し戻し、記憶が戻るまで裁判を停止すべき」と主張していました。検察側は「手続きに問題はない」と反論しています
裁判官の判断を他の報道から補足すると、「単に記憶を喪失していることをもって、刑事被告人として重要な利害を見分ける能力などを欠いているということはできない」というものです
先に述べたように、「犯行当時の記憶がない」と主張し(嘘か本当かは不明)、無罪判決を得ようとする刑事被告人がいるわけですが、裁判官はそれを逃げ道にはしない、と理解する必要があります
もちろん、精神障害などその他の病気によって自身を弁護する能力(防御権)が失われたと認められるケースについては、公訴棄却として裁判そのものを取りやめる場合もあります

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