猪苗代湖ボート殺人 禁錮3年6月求刑

家族でのレジャーが一転、悲惨な事故になってしまった場合、親としては「連れて行かなければよかった」と悔やみ続ける結果になります
2020年9月、猪苗代湖で水上バイクに乗るため水の中で待機していた親子連れにプレジャーボートが突っ込み、こどもがスクリューで切られ死亡する事故がありました。一緒にいた母親も両足を切断する大怪我を負っています
プレジャーボートを操縦していた佐藤剛被告は事故直後、「ボートを人にぶつけた覚えはない」と言い張っていたのですが、逮捕起訴された後、初公判では加害の事実を認め謝罪しています。検察は佐藤被告に禁錮3年6月を求刑しており、判決は明日24日に言い渡される予定です


事故の経緯
国の運輸安全委員会がまとめた報告書をもとに事故の状況から整理する。
事故は福島県の猪苗代湖・中田浜の湾内で発生。死亡した瑛大くんとその家族などは、浮き輪やボードに乗り水上バイクで引っ張ってもらって遊んでいた。
瑛大くんと母親など4人は、湖岸から82メートルから137メートルの位置に設置されていたブイの周辺に浮かんで順番待ちをしていた。そこへ、マリーナを出て湾の外に向かうボートが接近し、4人と衝突した。
ボートを操縦中に必要な安全確認を怠り3人を死傷させたとして、逮捕・起訴された被告が瑛大くんたちに気付かなかった理由として「これまでの経験から現場付近に人がいるとは思わず、目視で確認しなかったこと」「周辺を航行する複数の水上バイクや仲間の船が近付いてきたことに意識を向けていたこと」「仲間の船を追い越そうと加速した時に船首が上がって見通しが悪くなり、死角が広がったこと」が挙げられた。
報告書では、環境的な要因も指摘。福島県が主体となって作った湾内の区域分けを示す地図が当時、関係する自治体のホームページなどに掲載されていた。
湾の中央部分が船舶の航行区域となっているが、事故現場付近に利用制限の記載はない。
瑛大くんの父親は事故の2日前にこの地図を見ていて、禁止などの表記がないエリアを選択したところ事故が発生した。
しかしこの地図は誤ったもので、事故の後に公開された正しい地図では、事故がおきた場所はボートや水上バイクなどの一切の利用が禁止されているエリアだった。誤った地図が公開されていた経緯は分かっていないが、運輸安全委員会は正しい区域分けやルールが周知徹底されていなかったことも事故原因の一つに挙げている。
そのうえで、福島県などに正しい区域分けやルールを利用者に明確に示すことなどを求めた。
(福島テレビの記事から引用)


両足を切断した母親は何度か手術を繰り返し、その治療費は1200万円にも達しているそうですが佐藤被告側から治療費支払いはないのだとか
プレジャーボートですから保険に加入しているはずで、搭乗者以外にも怪我を負わせたり物損事故を起こした場合、保険金が出ると思うのですが、どうなのでしょうか?
佐藤被告は初公判になってようやく謝罪しているわけで、これも裁判対策という気がします(反省していると裁判官にアピールする狙い)
例え佐藤被告に有罪判決が下ったとしても控訴して争うのでしょうし、損害賠償については別途、民事訴訟を起こして争わなければならず、両親の闘いは果てしなく続きそうです
そうまでして自分の責任を否定し、佐藤被告は何をしたいのか、と思うばかりです
追記:福島地裁は24日、佐藤被告に対し禁錮2年の判決を言い渡しています

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