吹奏楽指導でセクハラ? 大阪の市立中学
大阪市の中学の部活動で、吹奏楽の指導を担当していた部活指導員が女子生徒らの楽器に口をつけたり、体を触るなどの指導を繰り返し、生徒から不快感を表明されていたと報じられています
生徒からそうした声が挙がったものの、校長は問題視せず教育委員会にも報告していなかったのだとか
外部からの指摘を受けて大阪市教育委員会が事情聴取を実施したものの、不問にしたようです。ところが松井一郎大阪市長がこの件をやり玉に挙げたため、市教育委員会はあらためて調査を行うと決めた、と報じられています
大阪市立中学校の吹奏楽部で、令和2年度まで在籍していた部活動指導員の60代男性が指導の一環として、女子生徒らが使う楽器や手鏡をくわえたり、腹部を触ったりしていたことが8日、学校関係者への取材で分かった。学校側は生徒から相談を受けて男性に事実を確認したが、校長は昨年末に外部から指摘を受けるまで市教育委員会に報告していなかった。
同校によると、男性は平成31年4月から吹奏楽部を指導。部活動中、女子生徒が使うクラリネットなどの管楽器に直接口をあてて吹き方を指導したり、生徒の私物の手鏡をくわえて口の広げ方を見せたりした後、洗わずに返却した。また呼吸法の指導として、並べた机の上に生徒を寝かせて腹部を触ったほか、生徒を背後から抱きかかえる姿勢で演奏時の指の動きを教えたという。
令和2年に複数の女子生徒が教員に相談。男性は校長の聞き取りに「生徒が嫌がっているなら申し訳ない」と認めた。校長は昨年末に外部の指摘を受けて初めて市教委に報告したが、当時の生徒の保護者には説明していなかった。男性は3年春に別の市立中に異動し、現在も吹奏楽部で指導を続けている。
校長は取材に「男性は芸術家肌で悪気はなかったように感じた。重い問題だと認識せず、市教委に報告していなかった」と述べた。
部活動指導員は学校教育法に規定された学校職員。校長の監督のもと、部活動の技術指導や大会への引率などができる。
「私物の楽器をくわえられて嫌だったが、上級生もそうした指導を受けていると思い、返された楽器をそのまま吹いた。親には相談できなかった」。男性から指導を受けた元吹奏楽部員で現在高校1年の女子生徒は、取材にそう証言した。
(産経新聞の記事から引用)
部活指導員にセクハラの意図があったかどうかが問題ではなく、生徒が不快感を覚えるような指導を繰り返したのが問題です
教員の負担を減らすため部活動を部外者に委託する制度が始まっていますが、その結果、教員ではない者が学校に入り込むようになっています。全員が善意の指導者であるとは限らず、児童や生徒相手に性犯罪をなそうという人物がいるかもしれません。それを防ぐためにも教員が各部活動の指導現場を巡回し、適切な指導が行われているかチェックする必要があります
委託制度が始まったから指導員に丸投げで、指導内容はチェックしないというのではあまりに杜撰でしょう
これまでにも書いてきたように、部活指導は担当の教員などに委ねるのが常であり、校長や教頭が部活の指導内容を見て回るなどしてこなかったわけです。それゆえ、体罰やセクハラが繰り返されてきたという実態があります
ともかくも、生徒から苦情や不快感を表明されるような指導は不適切であり、部活指導員から外すのが妥当でしょう
なぜ、教育委員会はそうした判断ができないのか、不思議でなりません。今回のケースでは誰が責任を取るのか訊いてみたいものです(教育委員会も校長も責任を取る気はないのでしょう)
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