仙台放火殺人 佐々木被告に無期懲役判決
自宅に放火して家族を殺害しようとした佐々木伸被告に対し、仙台地裁は求刑通り無期懲役判決を言い渡しています
兄と父親が死亡し、兄嫁とその娘2人が火傷を負った犯行です。検察が無期懲役を求刑したのは家族が佐々木被告の死刑を望まなかったからだと推測されます。本件のような親族間の殺人事件の場合死刑を求刑するか、否かは家族の意向も考慮されます(ヤフーニュースのコメント欄には、「5人も殺しているのに無期懲役はおかしい」とか「死刑判決を出してはいけない決まりでもあるのか」などの意見が書き込まれています。が、もう少し記事をよく読んで事実関係を把握した上でコメントすべきでしょう)
4年前、仙台市青葉区で、自宅に火をつけて全焼させ、同居していた父親や兄など家族5人を死傷させたとして放火や殺人などの罪に問われた26歳の3男に、仙台地方裁判所は「犯行が身勝手であったという非難は免れない」などとして無期懲役を言い渡しました。
住所不定、無職の佐々木伸被告(26)は、2019年12月、仙台市青葉区吉成で自宅に火をつけて全焼させ、同居していた父親の孝さん(当時76)と兄の健さん(当時29)を死亡させたほか、兄の妻と娘2人にやけどをさせたとして、放火や殺人などの罪に問われました。
これまでの裁判で、検察は無期懲役を求刑し、弁護側は「被告が放火したとする十分な証明がされていない」などとして無罪を主張していました。
16日の判決で、仙台地方裁判所の中村光一裁判長は、「当時、被告は火元の部屋にいて、放火する機会があり、やけどを負いながらも通報や助けを求めていないなど、かなり不自然な点がある」と指摘し、被告が放火したと認定しました。
その上で、「犯行を決意した背景には家族関係などが影響した可能性もうかがわれるが、非常に高い危険性がある犯行を決意したことは決して正当化できず、身勝手であったという非難は免れない」として、無期懲役を言い渡しました。
(NHKの記事から引用)
裁判官が指摘しているように、家が燃え上がった後佐々木被告は現場を離れ、商業施設のトイレに隠れているところを発見されました。彼自身も火傷を負っていたのであり、警察にも届けず救助も求めなかったのは不可解です。犯人であるからこそ、の行動だと解釈されるわけです
佐々木被告は黙秘を貫いており、弁護人は無罪を主張していました。佐々木被告自身が無罪だと主張したのか、佐々木被告が態度を保留したものの弁護人が「放火したのが佐々木被告であるとの証明が不十分であり、争えば勝てる」と踏んだのか、はっきりしません
拘置所にいる佐々木被告の本音を聞こうと、各メディアは面会を求めたり手紙を送ったりしているのでしょうが、佐々木被告がこれらを拒絶している状態だと推測されます
なので佐々木被告の心境は憶測するしかないのですが、家族との長期間の対立や葛藤を殺害を決意した佐々木被告ですから、父親と兄を殺害したという結果に満足してしまい「裁判などどうでもいい」と突き放していた可能性も考えられます。「死刑でも、無期懲役でも勝手にしてくれ」と
もしそうであるなら、死刑を回避して無期懲役を求めた家族の心境を佐々木被告は思いやったりできないままでしょう
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