車に幼い姉弟放置 死亡させた母親初公判

毎年、夏になると起きる事件が車の車内にこどもだけ放置し熱中症で死亡させる事件です。過失と呼ぶより犯罪行為と表現したほうがよいのでしょう。幼いこともは車の外に逃れることもできず、熱せられた車の車内で苦しみ、命を落とすのですから
昨年7月、厚木市内で車に幼児2人を放置し、交際相手の男性宅で遊んでいるうちに死亡させた事件で逮捕、起訴された長沢麗奈被告の初公判があり、長澤被告は公判でさめざめと涙を流したようです。が、いくら泣いたところで2人は生き返ったりしません


去年7月、姫梛(ひな)ちゃん(当時2)と煌翔(こうが)くん(当時1)のきょうだいが車の中に置き去りにされ、熱中症で亡くなりました。母親の長沢麗奈(れいな)被告は、交際相手に会っている間、2人を車内に放置・死亡させた保護責任者遺棄致死罪に問われています。
去年7月、事件があった日の神奈川・厚木市は、外の気温が30℃を超える真夏日でした。なぜ幼い命は、失われなければならなかったのでしょうか。
横浜地裁・小田原支部で行われた28日の初公判で、起訴内容について問われた母親は、涙を流しながら「間違いないです」と認め、席に戻ると眼鏡を外し、ハンカチで涙をぬぐいました。
   ◇
実は、長沢被告は事件の3週間前にも車内に煌翔くんを放置し買い物に出掛けていて、警察などが駆けつけていました。検察側が示したのは、その際、交際相手の男性に送ったLINEのメッセージです。
【交際相手とのLINEやりとり(検察側の証拠調べより)】
長沢被告(去年7月8日)
「児相の人来るかも」
「警察に怒られたの笑」
「警察、消防きたのえぐすぎでしょ笑」
おおごととは思っていないような様子でした。
そして事件当日の去年7月29日、交際相手と2時間44分会ったあと車に戻ると、倒れていた2人を発見。車を近くの公園に移動させました。
救急とのやりとりでは、放置はしておらず、「車内に一緒にいた」と説明しました。
救急(去年7月29日)
「車に放置していた?」
長沢被告(去年7月29日)
「放置してない。わかんない。一緒にいたのに…」
救急(去年7月29日)
「水分あげてください」
長沢被告(去年7月29日)
「息してないよ。息してるというかうんうん言ってる」
「姫梛…煌翔…姫梛…煌翔…がんばれ」
40度以上の熱があったとみられる2人。現場に駆けつけた消防隊員は、「同じ車内にいたのなら、長沢被告も同じ状態になるのでは」と疑問に思ったといいます。
検察側は、「犯行後に救急隊や関係者などにウソの説明をするなど態様が悪質」と指摘しました。一方、弁護側は、「日常的な虐待はなく、愛情を持って2人を育てていた。エアコンをつけていれば大丈夫だと思ってしまった。短時間で戻るつもりだったが、交際相手に引きとめられ、長時間になってしまった」と主張しました。
判決は、来月8日に言い渡される予定です。
(日テレNEWSの記事から引用)


報道は2月28日付けですから、判決は3月8日です。その間に求刑公判があるわけですが、長沢被告は事実関係を争わない方針なのでしょう
長沢被告が車を停めていたのは公園の駐車場であり、陽射しが照りつける場所です。地下駐車場ならともかく、エアコンを稼働させていても車内の温度は上昇します。交際相手の男性宅から公園の駐車場に戻って、車内でぐったりしているこどもを発見した長沢被告は車を別の場所へ移動させ、それから救急車を呼んでいます。つまり、公園の駐車場に置いた車にこどもを放置していた責任を問われると判断したのであり、己の過失を認識したわけです
悪質とは言いませんが、愚かすぎる過失です。そしてその過失は自動車事故のような運転上の不注意として責任を問われるものではなく、保護責任者遺棄致死罪という犯罪として糾弾され処罰されるもので、懲役3年以上20年以下という重い刑になります(懲役3年以上の刑罰が予定されていますので執行猶予付き判決はありません)
過去にも同等の事件が高松市であり、2人のこどもを車の中に放置し死亡させた母親に懲役6年の刑が言い渡されています。ですから今回も懲役6年くらいが量刑の目安となります

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