北朝鮮が弾道ミサイル発射 日本の北海道沖に着水

今週は体調が思わしくなく、ブログ更新もやっとという状態でした。本日は少し回復してきました
それにしても、また北朝鮮が弾道ミサイル発射です。ICBM級の大型ミサイルを平壌近郊から発射し、北海道の渡島大島西約200キロ、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと報じられています
これに関連して思うところを3点書きます

1 発射の兆候は把握できているのか
北朝鮮の軍事パレードに登場するあの巨大なトレーラーに搭載して現地まで運搬し、そこで燃料を注入して発射するのが北朝鮮の大型弾道ミサイルの仕組みです。燃料は有毒なヒドラジンを使用しており、これが金属を腐食させる性質を持つため発射直前に燃料を注入しなければなりません。つまりは露天で作業をしているのであり、偵察衛星から発見できるわけです
北朝鮮は昨年来、何度も日本海に向けてミサイルを発射していますが、どこまで事前に把握できているのかが問題です
日本だけでなく、空からはアメリカの偵察衛星も監視しており、さらには弾道ミサイル発射を検知するため高性能の赤外線センサーを載せた早期警戒衛星も監視しています。ただ、早期警戒衛星は発射時のロケットエンジンが放出する赤外線を感知するだけなので、準備段階にあるものを発見できるわけではありません
もちろん、軍事的な機密事項ですから、日本の情報収集衛星やアメリカの偵察衛星が北朝鮮のミサイル発射準備を捉えたとして、大々的に公表したりはしないでしょう。が、日本政府が事前に把握できているのかどうか、気になるところです
2 早期警戒衛星は必要か
上記のように、弾道ミサイル発射時には大量の赤外線が放出されるため、宇宙空間からこれを検知するのは可能であり、現在はアメリカ、ロシア、フランスが早期警戒衛星を複数個運用しているといわれます。中国が早期警戒衛星を運用しているかどうかは不明です
ロシアの場合は静止軌道上に衛星を1基配置し、地球上を斜めに回る楕円軌道上に衛星を2基配置しています
日本にも以前から早期警戒衛星を保有すべきとも意見はあったわけですが、ロシアのように3基の衛星を打ち上げるにも多額の費用がかかるため、見送られてきました。米軍から情報提供を受ければ足りる、との考えもあったからでしょう
しかし、上段で述べたように日本の情報収集衛星だけで北朝鮮の弾道ミサイル発射の兆候が把握できておらず、米軍からも情報提供がないのであれば、自前で早期警戒衛星の運用を考える必要があるのかもしれません。財務省は金が無いと言うのでしょうが、財務省所管の特別会計で備蓄している外貨準備金117兆円から1兆円を流用すれば実現可能です
3 反撃能力は有効か
巡航ミサイル・トマホークを整備するようですが、一部のメディアは軍事評論家の口を借りて「トマホークでは北朝鮮の弾道ミサイルに対処できない」と言わせたり、憲法学者の口を借りて「反撃能力を保有するのは憲法違反」と言わせたりしています
日本国憲法には「北朝鮮のミサイルに対して一切反撃せず、国民は座して死ね」と書かれているわけではありません。また、国の基本法である憲法が国民に無為の死を強制するなどあってはならないのです
したがって最低限の反撃能力を保有することが直ちに憲法違反だとする、硬直した思考はナンセンスです
巡航ミサイル・トマホークは海面すれすれを飛行しますので、北朝鮮のレーダーでは補足できません。もっとも、北朝鮮は電力不足ですから常時対空監視レーダーを起動させているとは思えないのですが
さらにトマホークは地表の凹凸に沿って低空飛行します。これには地形の詳細な3次元立体地図が必要とされます。日本は陸域観測衛星「だいち」の観測によって全地球の詳細な3次元立体地図情報を保有しています。情報偵察衛星で北朝鮮の弾道ミサイル発射準備をしている地点が把握できれば、日本海から平壌近郊まで海面・地表すれすれにトマホークを飛ばして北朝鮮の弾道ミサイルを破壊できるわけです
ちなみに日本が対北朝鮮を念頭にトマホークを500発保有するというのは、北朝鮮にとって十分脅威になります。これまで韓国軍と米軍だけを想定していたのが、日本もそこに加わるのですから(北朝鮮が飛来するトマホークを発見し、迎撃するのは困難でしょう)
金正恩が怒り狂っているのかもしれません。それが今回の弾道ミサイル発射という行動に現れているように思えます
北朝鮮は核兵器開発と弾道ミサイル開発を放棄して、国民の飢餓救済に尽力すべきでしょう

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