大阪女児誘拐事件を考える 控訴審も懲役20年判決

今でもなお、「家出したい」とSNSに書き込んだ中学生や小学生の少女を誘い出し、自宅に連れ込んだとして逮捕される事件が相次いでいます
保護者の同意も得ず連れ出し、自宅やホテルに泊めるのは犯罪行為なのですが、未成熟な少女を意のままにしてあんなことやこんなことをしたいと、欲望でパンパンになっている男は自制が効かないようです
2019年、大阪市内に住む女子小学生を連れ出し、茨城県内の自宅に監禁したとして逮捕、起訴された伊藤仁士被告は1審水戸地裁で懲役20年の判決を受けたのですが、不服として控訴し争ってきました
東京高裁はあらためて伊藤被告に対し、懲役20年の判決を言い渡しています


19年にSNSで知り合った当時大阪市の小6女児と茨城県の女子中学生を自宅に誘拐して、強制性交、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)未成年者誘拐などの罪に問われた栃木県小山市の伊藤仁士被告(38)の控訴審判決が10日、東京高裁で開かれ、三浦透裁判長は懲役20年を言い渡した1審水戸地裁判決を支持し、控訴を棄却した。
被告側は少女らがSNS上に自殺願望を書き込んでいたことから「命を守るために(自宅に)避難させた」とし、茨城の少女との関係については「結婚を前提とした交際で違法性はない」と主張した。判決によると、伊藤被告は茨城の少女の顔面を平手打ちして暴力を振るい、裸を撮影した。また、大阪の少女誘拐時には警察の目をかわすための行動などをとった。三浦裁判長は伊藤被告の犯行について「性的関係を目的としたもの」「命を助けようとしている者として不適切」などとして、計画的に自宅に連れ込んだものと認定した。伊藤被告は判決を言い渡されると、右手を挙げて「はい」と一言、返事をした。
(日刊スポーツの記事から引用)


前回も書いたように、伊藤被告は控訴審でも自らの正義を誇示し、「自殺しようとした女の子の命を救ったのに(なぜ懲役20年なのか)」と、不満をあらわにしています。
その上で、「写真は撮ったし、少女Aとはセックスもした。だから児童ポルノと児童福祉法違反に関しては認める形になると思う」と起訴内容の一部を認めるかのような発言をしていました。が、納得はしていないのでしょう
上記の発言を解釈するなら、伊藤被告としては「自分は自殺しようとした女の子を救ったのだから、その報酬としてセックスするくらいは許されるべき」と言いたかったのかもしれません。が、そんな理屈は通用しないのであり、厳しく罰せられるのは当然です
ただ報道された伊藤被告の言動を見る限り、彼なりの正義感という論理に自分の手足を縛られ、行動選択の幅が異常に狭くなってしまい、思考の柔軟性も欠如してしまっているよう見受けられます。高校進学の失敗やその後の就労生活も思い通りにはならず、挫折を繰り返した結果、理想とするところの正義の味方と乖離が広がり、ますます自分の殻に閉じこもるようになってしまったのか?
懲役20年という刑罰は殺人事件並みの重さです。2人の少女の人生を歪めるだけの行為をしたのだ、と伊藤被告が理解し、受け入れる日がくるのかどうか。そうとは理解しないまま、刑務所が出てくるのか、気になるところです

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