スシロー事件　迷惑少年は高校自主退学: 夾竹桃日記

2023年02月13日

スシロー事件　迷惑少年は高校自主退学

事件を考える

スシロー岐阜正木店で迷惑行為を行い、その動画をアップして批判を浴びた高校生は、県立岐南工業を退学したのだとか

ちなみに動画を撮影し、アップしたのは本人ではなく居合わせた友人です。が、この友人に対してもスシローは民事で損害賠償請求をする方針のようです

軽いノリで、友人の間だけで動画を共有するつもりが外部に流出し、大きな騒ぎになったのは事実です。風評被害と相次ぐ模倣犯の登場によって回転寿司業界は大迷惑です

“ペロペロ少年”の処分はどうなる？　少年の母が取材に語った「謝罪」と「息子の退学」

https://www.dailyshincho.jp/article/2023/02120557/?all=1

（前略）

本名や卒業アルバムまでさらされ…

金髪の少年がテーブル席に備えられた醤油ボトルの口をペロペロとなめ回す。ストックの湯飲みをなめて戻したのに続き、レーンを回ってきた寿司にも指で唾液をなすり付ける……。

少年が自宅から車で20分ほどの回転寿司チェーン「スシロー」岐阜正木店で撮影した「迷惑動画」をSNSに投稿したのは、1月中旬より前のことと思われる。

面白い。これで仲間内から拍手喝采だ……とでも思ったのか。50秒ほどの動画はカメラに“キメ顔”を向けて終わるが、それが泣き顔に変わるのに時間はそうかからなかった。動画は1月下旬、ネット上で拡散され、多くの“他人”の目にさらされることになったのだ。

折しも今年に入り、くら寿司、はま寿司など他の回転寿司チェーン店での迷惑行為動画が拡散されて話題になっていた。そんな中でも極めて悪質だったこの動画は大炎上。本名や高校名、さらに中学校名と卒業アルバム写真までがさらされ、少年は一気に全国、いや全世界の“指名手配犯”となった。

一層厳しい世の中に

「またかという印象です」

と述べるのは、ITジャーナリストの三上洋氏だ。

「こうした炎上動画は10年ほど前から出ています。当初はアルバイトの店員が店の食洗機や冷蔵庫に入ったりという画像をTwitterに投稿していた。それから5～6年経つと今度はInstagramやTikTokに動画を上げるようになった。自分のワル振りを自慢するためで、“バカッター”“バイトテロ”とも言われます」

もちろんこうした動画は身内受けを狙い自らのSNSに投稿される。広く“バズりたい”わけではないが、

「それが友人から友人へ共有されるうちに、誰かが転載して世間に拡散されることになる。今回のケースもそうですが、最近は“暴露系”という、ネット上で起こる事件をまとめてアップするユーザーがいて、そこにそうした動画がタレコまれる。彼らが上げることによって爆発的に広がっていくんです」（同）

するとそこに入り込んでくるのが“特定班”などと呼ばれる人種。動画内容やアカウント情報を手がかりに対象人物を特定し、個人情報を暴いて拡散するのだ。

さらに本件では、あるYouTuberが少年の高校に突撃し、教師に「なぜ退学処分にしないのか」と詰め寄る動画を投稿する始末。

炎上した人物に一層厳しい世の中になったわけである。

（以下、略）

少年法でこの元高校生がどのように裁かれるかは前回述べましたので、繰り返しません。民事についてもどれだけの賠償を請求するかはスシロー次第です。支払えないほどの額を請求するのか、支払い可能な額に留めるのか？

さて、この事件を思い出したのが１９８０年２月に起きた京阪電車置き石事件です。枚方市内の中学生５人が電車の線路にコンクリートブロックを置いたため、７両編成の急行電車のうち先頭から３両までが脱線して転覆し、うち１両は民家に突っ込んでこれを破壊する大惨事になりました。乗客はおよそ４００人いたのであり、重軽傷者は１０４人にも及びました。死者が出なかったのは奇跡でしょう

もちろん５人の中学生はこれほどの大事故になると予想していなかったわけですが、重大な犯罪でありいたずらで済まされる話ではありません

京阪電鉄は５人の中学生の親と示談交渉をし、８４０万円を各自が支払うことで和解しています。が、被害金額はこの１０倍近い額であり、京阪電鉄が加入していた保険で賄われています

この事件を起こしたのは中学生ですから、当然、家庭裁判所に事件として送付され少年審判を受けたはずです。どのような決定が下されたのか、検索しても報道等は見当たりません。少年審判の結果は公にされませんので

が、結果が重大ですから少年院送致（短期処遇）になったものと想像します

事件としては列車往来危険罪に問われ、刑事罰は２年以上の有期懲役(上限は２０年)ですから、少年院送致で済んだなら本人たちに不満はないでしょう

軽いいたずらのつもりであっても、重大な結果を招く場合があります。こどもたちは想像力が乏しいので、その重大な結果をイメージできないのです

スシロー事件でも、「店員に見つかれば怒られるくらい」との認識だったのでしょう

ちなみに学校や家庭でSNSの利用について教育すべきだ、との意見があるのですが、小学生や中学生は上記のように想像力が乏しい（社会的な影響とか、法律上の刑罰、損害賠償などイメージできない）ので、親や教師がどれだけ言って聞かせても効果は限定的です

SNSで素敵な異性との出会いがあるかもしれない、と期待を膨らませてしまえば、親がどれだけ警告しても無駄なのです。ほかのこどもがSNSで変態の餌食にされようとも、自分だけは素敵な異性と巡り会えるはず、と信じて疑わないわけで

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