名古屋夫婦強盗殺人　やり直し裁判始まる

事件を考える
強盗殺人と一括りにしますが実際には、最初から殺す目的で強盗に入ったのか、強盗に入った後で殺害したのか、窃盗に入ったものの家人に見つかり口封じのために殺害したのか、さまざまなケースがあります
名古屋市内で老夫婦宅に入り込み、夫婦を殺害した後に財布を奪った山田（旧姓松井）広志被告の場合、１審の名古屋地裁で「強盗殺人ではなく、殺人罪と窃盗罪が成立する」と判断して無期懲役の判決を言い渡しました。求刑は２人を殺害した強盗殺人で死刑、でした
２審の名古屋高裁では１審の判断を批判し、事実誤認があるとして差し戻しを命じました。つまり、殺人と窃盗に分けた判断は誤りと指摘したわけです


平成２９年、名古屋市で８０代の夫婦を殺害し財布を奪った罪に問われた４８歳の被告について、強盗殺人罪の成立をめぐり行われることになったやり直しの裁判員裁判はきょう被告人質問が行われました。
山田広志被告（４８）は平成２９年３月、名古屋市の自宅アパートの近くに住んでいた当時８３歳と８０歳の夫婦を刃物で刺して殺害し、財布を奪ったとして強盗殺人の罪に問われています。
もとの１審の裁判員裁判は死刑の求刑に対して強盗殺人ではなく殺人と窃盗の罪にあたると判断して無期懲役を言い渡しましたが、２審がこの判決を取り消し、強盗目的があったことを前提に１審をやり直すよう命じました。
名古屋地方裁判所で開かれているやり直しの裁判員裁判は８日、被告人質問が行われました。
裁判は午前１０時から行われる予定でしたが、被告が「パニックっぽくなって苦しくなっています」などと述べたため、開廷からすぐにおよそ３０分ほど休廷しました。
再開後の被告人質問はおよそ４時間にわたって行われ、財布を奪った行為について「お金が入っていると思ってとった。殺害し終わったあと、とにかく逃げたいときに逃走資金になると思った」と述べました。
裁判では被告がステージ４の末期がんと診断されたことが明かされ、裁判長の「遺族に思うことはありますか」という質問に対し、被告は「大切な家族、尊い命を奪い、ものすごく後悔をしている。自身ががんを告知されてからより一層、自分がしたこと、奪ったことを罪が深いと考えている。謝っても帰ってこないのでただただ申し訳ない」などと述べました。
（NHKの記事から引用）


８０歳を超える老夫婦を殺害した犯行に汲むべき情状はないのであり、１審でなぜ無期懲役にしたのか理解できません
犯行当時、山田被告は生活保護を受けながらパチンコにのめり込んでいたわけであり、老婦人から「昼間っから働きもせず、いい御身分ね」と皮肉を言われ憤慨したのが殺害の理由として挙げられていますが、その発言を聞いたのは山田被告だけです。本当に山田被告を侮辱する発言があったのかどうか、確かめようもありません
そして現在、山田被告が末期がんであるというのも後発的な事由であって、同情はするものの罪一等を減じる理由とは認められないでしょう。山田被告が早期にがんを発見したかったのであれば、パチンコなどせず健康診断を受ければよかったのであり、不摂生の結果でしかありません
被害者遺族にしても、山田被告が末期がんだからといって寛大な刑罰を望みはしないはずです
一部のメディアは、「末期がんを患っている被告に死刑を言い渡すのか？」と、人権侵害であるかのような報道をするのでしょう。しかし、事件侵害は８０歳を超える老夫婦の命を奪った山田被告の方であり、勘違いしてはいけません
追記：名古屋地検は山田被告に対し死刑を求刑しています
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