幼児をエアガンで虐待・死亡させた父親に懲役16年判決
エアガンというのはガス圧で弾を発射できるようにしたモデルガンです。もちろん、本物の銃のような殺傷能力はないのですが、弾が当たれば痛いのであり、アザのような痕跡が体に残ります
そのエアガンを自分のこどもに向けて撃ち、体に幾つものアザをつくり、さらに殴る蹴るの暴行を加えて骨折させても医師の診察を受けさせず(虐待がバレるから)衰弱死させた福岡県田川市の父親に、福岡地裁は求刑通り懲役16年の判決を言い渡しています
死亡したこどもはわずか1歳でした。自分の身を守ることもできず、被害を訴え出ることもできないこどもに虐待を加え続けた鬼畜の所業です
福岡県田川市で起きた1歳男児エアガン虐待死事件の裁判員裁判で、傷害と保護責任者遺棄致死の罪に問われている父親に対し、福岡地裁は9日、求刑通り懲役16年の判決を言い渡しました。
判決を受けたのは、田川市の常慶雅則(じょうけい・まさのり)被告(27)です。
起訴状などによりますと、常慶雅則被告は2018年、自宅で三男・唯雅(ゆいが)ちゃん(当時1)をエアガンで何度も撃ちケガをさせたほか、妻の藍(あい)受刑者(27)と共謀し、重度の低栄養状態だった唯雅ちゃんに適切な治療を受けさせず肺炎で死亡させたとされています。
唯雅ちゃんは当時、体脂肪がほとんどなく極度に痩せていました。
さらに全身にはエアガンで撃たれた痕(円形の創傷)が合計71カ所あり、両手両足や肋骨は23本、あわせて31カ所も折れていました。
これまでの裁判で、雅則被告は起訴内容について「違います」と全面否認し、弁護側は証明に足る証拠が無いとして無罪を主張していました。
検察側は、「苦しむ被害者に救いの手を差し伸べず放置したのは極めて悪質で残虐」などとして、雅則被告に懲役16年を求刑していました。
9日の判決公判で、福岡地裁の冨田敦史裁判長は、雅則被告に対し、求刑通り懲役16年の判決を言い渡しました。
この事件で、保護責任者遺棄致死の罪に問われた藍受刑者には、去年3月、懲役8年の判決が言い渡されています。
(テレビ西日本の記事から引用)
腕や足、肋骨など31箇所も骨折があったにもかかわず、「暴行は加えてない」と常慶雅則被告は主張していたわけです。常慶雅則被告と妻の藍
被告は逮捕時から犯行を否認しており、知らぬ存ぜぬで押し通すつもりだったのでしょう
福岡県警は殺人容疑も視野に入れて捜査を進めたのですが、殺人罪での立件は無理と判断し保護責任者遺棄致死での送検となりました
身を守る術のないこどへの過度な暴行で衰弱させ、死に至らしめたのですから(なおかつ、虐待が発覚するのを恐れて医師による治療を受けさせなかったのですから)、犯行としては殺人にも等しい内容です
自分のこどもをなぶり殺して何が楽しいのでしょうか?
おそらくは1歳のこどもに向け、ゲラゲラと笑いながらエアガンを撃っていたのでしょう。人間のクズです
これまでにもさまざまなこどもへの虐待事件を取り上げてきましたが、栗原心愛ちゃん殺害事件と同じく懲役16年の判決であり、どちらも痛ましい限りの蛮行です
保護責任者遺棄致死事件では最高刑が懲役20年です。しかし、殺人事件として刑罰に問われた場合は死刑もあり得ます。常慶被告に「こどもが死んでも構わない」という未必の故意があったとして殺人罪で立件できていれば、懲役16年を上回る懲役20年くらいの求刑ができたのであり、否認を続ける被告の態度に「反省なし」と裁判官も判断し、求刑通り懲役20年の刑を言い渡すことができたでしょう
母親である藍被告も起訴内容を否認したわけですが、雅則被告に従属する立場だったとして懲役8年の判決です。これも「何だかな」と思ってしまいます
追記:常慶被告は懲役16年の1審判決を不服として控訴していましたが、福岡高裁も懲役16年の判決を支持し控訴を棄却しています。それほどまでに自分の罪を認めたくないのか、と唖然とさせられます
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