児童手当で紛糾する国会
国会の施政方針演説で岸田首相が思いついたかのように「異次元の少子化対策」などと言い出し、児童手当の所得制限撤廃を打ち出したものの、閣僚からは所得制限撤廃に難色を示す発言が飛び出す(西村経済再生担当大臣)など、内閣でも合意が形成されていないと露呈しています
児童手当の所得制限は元々高額所得者を対象としているわけで、高額所得者が月1万円の児童手当を受け取ったからと言って2人目、3人目のこどもを生み育てる気になるとは思えません。つまり、無駄な政策です
「異次元の少子化対策」と言いながら、「児童手当の所得制限廃止」しか目玉がないのかと愚痴りたくなります
他方で、防衛費増額のための特別措置法案が閣議決定されたと報じられています
政府は、防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案を閣議決定しました。政府は、去年末に防衛費について、今後5年間で43兆円をあてる方針を決めています。
特措法案では、「防衛力強化税外収入」として、▼外国為替資金特別会計と財政投融資特別会計からの繰入金でおよそ3兆7000億円、▼東京・大手町の国有ビル売却収入でおよそ4000億円、▼新型コロナ関連予算の返納金でおよそ746億円を確保する方針を明記しています。
防衛費増額をめぐっては、税外収入や決算剰余金、歳出改革で財源を捻出し、足りない分は増税や建設国債で賄うことにしていますが、自民党内の慎重派に配慮し、増税についての規定はこの法案には盛り込まれていません。
政府は、3月末までの法案成立を目指しています。
(TBSの記事から引用)
以前にも書いたのですが、財務省が所管する外国為替資金特別会計には122兆円もの有価証券が外貨準備としてプールされています
財務省はこれを「外国為替(円相場)安定のために必要な資金であり、他に流用できないもの」だと主張し、温存してきました。ですが、円は国際基軸通貨であり、日本銀行はアメリカやイギリス、EU、スイスの中央銀行と無制限の通貨スワップ協定を締結して、投機的な為替操作に介入するための態勢を整えています。なので、外貨準備として122兆円もの資金を保有しておかないと政策目的がかなわないとは言い切れないのです
ただ、この122兆円を好きなだけ流用できるとなれば、竹下内閣がやった「ふるさと創生資金」のように、各地方自治体に1億円ばら撒くというアホな使い方をされる危険があり、財務省はこれに手を付けさせないようガードしてきたのでしょう
しかし、ここにきて防衛費捻出のため外国為替資金特別会計に手を付けざる得ない状況になりました。財務省の本音は「財源がないので、増税で賄うしかない」と主張し、大幅増税を実現したかったはずです
現状、岸田内閣が増税に踏み切ろうものなら内閣支持率は急落し、自民党内からも岸田おろしが始まるでしょう。岸田政権を延命させるためにも今すぐには増税に着手せず、外国為替資金特別会計から金を引っ張り出した格好です
さて話を元に戻して、「異次元の少子化対策」のために「財源がない」と閣僚たちは口にし、「限られた財源を有効に使うため、検討が必要」だと述べています。防衛費のためなら外国為替資金特別会計122兆円に手を付けるのに、少子化対策のために手を付けるつもりはないというのは不可解です
122兆円もの特別会計から少子化対策のため1兆円や2兆円流用したところで、為替相場が急変したりはしません
単に財務省が出し渋っているだけです
本来であればすべての特別会計(一般会計が113兆円なのに対し、特別会計も100兆円あるというのがそもそもおかしいのです)を見直し、整理・統合して無駄を廃する必要があります
これも以前書きましたが、農地整備の特別会計を使って片側2車線の国道を上回るような農道を整備したり、その農道にさらにお金をかけて農道空港を全国に9箇所も整備するといったバカな政策を推進するのも、特別会計が存在するからです。「金があるから使ってしまえ」との発想です。整備された農道空港がまったく利用されておらず、夏場の盆踊り会場になっているという現実を見れば、特別会計の存在がいかに歪んだものであるかが分かります
岸田首相の指導力では無理でしょうが、特別会計を廃止して一般会計と一本化するのが財政健全化の筋道です
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