「死刑は残虐、違憲」と死刑囚3人が執行停止求め訴訟

大阪拘置所に収容されている死刑囚3人が、「死刑は残虐な刑罰を禁止した日本国憲法に違反している」などと、執行差し止めを求める訴訟を提起しています。死刑囚といえども訴訟を提起する権利は保証されており、どのような訴えを起こすのも自由です
しかし、「絞首刑は残虐な刑罰か否か」については過去にも裁判例があり、否定されたところです。改めて訴訟を提起し、何を主張したいのかと思うばかりです
また、例によって弁護団は「日本政府は死刑の残虐性を隠蔽し、国民の目から逸している。死刑執行の実態を国民の前に明らかにし、議論を行うべきだ」と主張しています。これについての反論は後段で述べます


絞首刑は違憲だとして死刑執行の差し止めなどを求める訴訟を大阪地裁に起こした死刑囚3人の代理人弁護士らが27日、日本外国特派員協会(東京)で記者会見した。「問題は日本政府が死刑の実態を国民や世界に明らかにしておらず、秘密裏に執行していることだ」と指摘し、日本の死刑制度を巡る情報公開や議論の必要性を訴えた。
会見したのは大阪拘置所に収容されている死刑囚3人が昨年11月に起こした訴訟など、大阪地裁で審理中の死刑を巡る国家賠償請求3件の代理人ら。それぞれ▽再審請求中の執行▽当日の朝に執行を伝える「即日告知・即日執行」▽絞首刑の残虐性——は違憲などと主張している。
絞首刑に関する訴訟の代理人の水谷恭史弁護士は、時代や環境の変化によって死刑制度を巡る評価が変わる可能性があるとして「日本政府は死刑執行の実態を国民に秘匿し、議論を行うことを避けている」と訴えた。
会見の司会をしたイタリアメディアのピオ・デミリアさんは「この問題は日本人が向き合って考える必要がある」と話し、死刑を題材にした大島渚監督の映画「絞死刑」(1968年)を全国の高校で上映し議論する活動を弁護士会が主導することを提案した。
(毎日新聞の記事から引用)


まず、死刑囚は複数人を殺害し(その目的は強盗であったり、なにかの復讐であったり、レイプだったりします)、死刑判決を受けた者です
死刑執行の実態を国民の前に明らかにせよと求めるのであれば、彼ら死刑囚のなした非道かつ残虐な犯行も国民の前に明らかにし(役者を使った再現フィルムでもよいのでしょう)、被害者遺族の悲痛な思いも明らかにした上で死刑の是非を問うべきでしょう
死刑の残虐性だけを公開しろ、というのはおかしな主張です
死刑はあくまで結果であって、根本的な原因は死刑囚による無慈悲にして鬼畜な所業にあるのを隠蔽してはなりません。弁護団はこの事実を隠蔽しようとしているのです
大島渚監督の映画「絞死刑」を全国の高校で上映するとか、何をバカな活動を始めるつもりなのでしょうか?
死刑の残虐性だけをこれでもかと見せつけ、死刑反対の世論を盛り上げようと画策しているだけです。高校生だってそんなもの見たくないでしょう。見たくないものを無理やり見せ、「これが死刑の真実だ。これでもあなたは死刑を支持するのか。賛成するのか?」と問うのであれば、それは悪質な洗脳行為でしょう
弁護士たるものが、そのような悪質な犯罪行為を企てるのですから呆れるばかりです
「日本人は死刑の残虐さを知らないから死刑を支持している」のではなく、「死刑判決を受けるような残虐な犯罪を許せないから死刑を支持している」のです。そこには大きな違いがあるわけですが、理解できないのでしょうか?

(関連記事)
「死刑の当日告知は違法」の訴え退ける
5人殺害も恩赦で死刑を免れた少年 小田原事件(昭和24年)
藤沢ストーカー殺人(昭和57年) 藤間静波死刑囚
死刑執行 犯行時19歳だった関光彦
8人を強姦殺害 大久保清事件から50年(3)
8人を強姦殺害 大久保清事件から50年(2)
8人を強姦殺害 大久保清事件から50年(1)
恩赦を巡る誤解 刑罰が軽減される?
4人を射殺した永山則夫を聖人視するメディア
死刑囚に感情移入する愚かさ
死刑囚の妻になりたがる女性
連合赤軍永田洋子死刑囚 脳腫瘍のため死亡
連合赤軍永田洋子死刑囚と「更級日記の少女」
連合赤軍永田洋子死刑囚 「普通の女の子」説の誤り
瀬戸内寂聴「人を殺したがるばかども」 死刑廃止宣言へのメッセージ
日弁連の「死刑廃止宣言」を称賛する新聞社