岡山女児虐待死を考える 第三者委員会報告

学校でのいじめや自殺、児童相談所が虐待を見過ごした件では第三者委員会による検証が行われ、報告書が作成されます
しかし、いわば行政機関のアリバイ作りのようなものであり、報告書を受けて行政の在り方が改善されるとは限りません。引き出しの中にしまい込まれて終わり、という事態を考えられます
2022年2月、岡山市で幼稚園児の西田真愛(まお)ちゃん(当時6歳)が虐待を受けて死亡した事件では、母親である西田彩と交際相手であった内装工の船橋誠二の両名が強要と逮捕監禁致死の疑いで逮捕・起訴されています。まだ公判は始まっていません
船橋被告は真愛ちゃんを裸のまま墓地に連れ出して怒鳴りつけたり、ポリタンクの上に長時間立たせて失禁させるなどいたぶり、その様子を3台のカメラを使って撮影していました。船橋被告は躾のためにやったと主張していますが、児童ポルノ作成の目的があったのではないかと疑いたくなります
幼いこどもをいたぶり、ビデオを作成してそれを楽しむという変態趣味の発現です
当ブログで繰り返し取り上げたところですが、もう1つの問題は岡山の児童相談所が真愛ちゃんへの虐待を把握していながら、岡山県警から「命の危険があるので保護してほしい」と要請を受けながら、「軽度の育児放棄」にすぎないと放置した点です
真愛ちゃんが布団でグルグル巻きにされ死亡した、と報じられた際、児童相談所の所長は早々と会見を開き「児童相談所の対応に問題はなかった」と公言しています。対応が適切であったかどうか確認もせず、「対応に問題はなかった」と言ってのけたわけであり、無責任の極みでしょう
その後、岡山市は例のごとく第三者委員会を設置して児童相談所の対応を検討する、と説明していました。その報告書は2022年10月になって公表されています。なぜこの程度の報告書に半年以上も費やすのか疑問です(自分なら2週間で作ります)


岡山市で西田真愛(まお)ちゃん(死亡当時6歳)が虐待を繰り返し受けた後に死亡した事件をめぐる検証報告書は、市が虐待のリスク評価を見直すタイミングが少なくとも6回あったと指摘した。中でも2020年に真愛ちゃんが裸で墓地に立たされた事案を把握しながら、適切な対応をとれなかったことを問題視した。
「真愛ちゃんが墓場で立たされて、その時に対応をもう少し変えていれば違った結果になったかもしれない。心残りであるのは間違いない」
大森雅夫市長は11日、外部有識者でつくる市の分科会から報告書を受け取ると、こう語った。市側の対応の不備を認めたかたちだ。
分科会が「六つの機会」でもっとも検証を重ねたのは、真愛ちゃんが2020年9月、目隠しの状態で全裸で墓地に立たせられた事案だった。母親の彩被告(34)ばかりでなく、交際相手の内装工の船橋誠二被告(39)=ともに逮捕監禁致死と強要の罪で起訴=について「存在が警察によって明らかにされた」と認定した。
報告書によると、県警は「男(船橋被告)からの報復がある可能性があり命が心配」「もともと虐待家庭であり、(真愛ちゃんのきょうだい)全員を保護してほしい」と市の児童相談所(児相)に伝えた。
しかし児相は危険性を十分に認識せず、真愛ちゃんのみの一時保護にとどめた。両被告が反省の態度を示したことから、2週間後に真愛ちゃんの保護を解除。彩被告を「軽度の育児放棄」と判定してきたが、この件を経ても虐待のリスク評価を引き上げなかった。
両被告は21年9月、真愛ちゃんを鍋の中に長時間立たせたり、指を口に押し込み嘔吐(おうと)するよう要求したりといった虐待を繰り返した末、同月25日に布団に巻いて放置。真愛ちゃんを低酸素脳症にさせ、約4カ月後に死亡させたとされる。
墓地の事案をめぐり、報告書は、家庭の状況を「正確に評価し直す絶好の機会だった」と指摘。リスク評価を変えなかった対応は「不十分だった」と結論づけた。
分科会の中原隆志副会長(弁護士)は11日の記者会見で「市が念を入れた調査をしていれば死亡という結果は防げたかもしれない」と指摘した。
(朝日新聞の記事から引用)


毎日新聞の記事では報告書が「警察や医療機関などと連携を密にすることや、児相職員の人員拡充などを求めている」と書いています
いじめ、自殺、虐待に関する第三者委員会の報告では、「関係機関との連携の強化」が決まり文句のように登場するのであり、自分が法務省に勤務していた20年前~30年前に何度も目にしました。いまだに関係機関との連携の強化が図られていないのでしょうか?
上記のように、岡山県警が保護を要請しても児童相談所が動かないのですから、連携など存在しないと言わざるを得ません
また、「児童相談所の人員拡充」という提言は、児童相談所の職員から「忙しくて手が回らない」との訴えを受けて加えたものでしょう。が、児童相談所に持ち込まれる件が増えているのはここ数年の傾向ですから、人手が足りないならもっと先に児童相談所の機能充実を提言し職員増を求めるべきだったのでは?
不祥事があってから「人を増やして欲しい」などと申し出るのは、仕事のできない人間の言いぐさです。失った命は取り戻せないのであり、幼い命を守る責務を担っているとの自覚を欠いて」います
報告書を受けて、岡山の児童相談所は改善が図られたのでしょうか?

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