71歳老人が女子中学生にストーカーで実刑判決

ストーカー事件は単純なつきまといから、殺人にエスカレートするものまでさまざまな態様があります。なので、これをひとまとめにして論じてよいのか、迷うところです
19歳の定時制高校に通う男子生徒が、同じ学校の女子生徒に恋い焦がれたもののフラレてしまう、逆上して家に火を放つ事件がありました。他方で71歳の老人が女子中学生に一目惚れし、つきまとい行為を繰り返し、罰金刑を課されても止められない事件もあります
人に執着し(恋愛感情というベースを基に)、現実検討を放棄して度を越した行動を繰り返せばますます嫌われるでしょう。しかし、「自分が嫌われる」という現実をひたすら拒否し、追いかけ回せば振り向いてもらえるはずだと思い込む…ばかりであり、尋常ではありません
現実検討能力の喪失なのか、認知の歪みなのか、はたまた自己愛が強くて手放せない(彼女から愛される自分に執着している)のか、根っこは同じでも表に出る衝動はその人独自の考えや感情に支配されているのでしょう
先に書いてしまいましたが、本日は女子中学生に一目惚れした71歳の男性の事件です


自転車のサドルまで舐め…女子中学生をストーカーして懲役10ヵ月の判決を受けた71歳男の悲哀
昨年11月30日、さいたま地方裁判所川越支部である事件の初公判がひっそりと開かれていた。同9月30日に逮捕された安田進被告(71)の「ストーカー行為などの規制等に関する法律違反」の裁判である。
起訴状などによると、安田被告は21年12月上旬に女子中学生Aさんと路上で挨拶を交わしたことをきかっけに、恋愛感情を抱くようになった。しかしAさんに対する恋愛感情などの好意が満たされなかったことを恨みに思い、Aさんにつきまとうようになったという。Aさんの通う中学校や自宅を近くから見たり、朝、通学路で待ち伏せしたり。Aさんの自転車のサドルをなめているところを目撃されたこともあった。
22年4月に埼玉県警からAさんに対するつきまといなどを禁じる命令を受けたにもかかわらず、8月には罰金刑になっている。今回は9月27日から30日まで、毎朝、Aさんの登校時間に合わせて待ち伏せをしたことで逮捕された。実に4回目の逮捕だ。逮捕時には、「Aがかわいくて好きだなという感情があり、あの子を見たいという気持ちがあった」と供述している。
前出の近隣住民が「また」というのは、安田被告がここ30年以上やめられなかった「問題行動」があるからだ。
「下半身の露出をやめられないんだよ。捕まっても捕まっても繰り返す。5年ほど前には、自分の下半身の写真を公園の女子トイレに置いて逮捕されたこともあった。警察が家の周りに張り込んでるのを何度も見たよ」
近くに住む同年代の男性も、「若いころは普通に働いていたのに」とあきれかえる。
「40になったあたりからかな。夕方、中学生の帰宅時間になると、自転車でフラフラとでかけるんだよ。下半身を出した状態で、自転車に乗ってウロウロしてるんだ。そんなんだから、いまはもう誰も付き合ってないよ。しばらく家の電気が点かないと、ああ、また捕まったんだなと思うくらいかな」
安田被告は三人兄弟の二番目。すでに両親も弟も他界し、実家でひとり暮らしをしている。
初公判にグレーのスウェット上下で現れた安田被告は身長165センチくらいで短い白髪。前かがみで腰が少し曲がり、足元がおぼつかない様子だった。
公判では「なぜ、ストーカー行為をやめられないのか」という一点に質問が集中した。
検察官「今年3回、あなたの取り調べをして、そのたびに『二度としません』と言いましたよね。罰金の処分までいって、さすがにもうやらないと思ってました。それでもやってしまったのはなぜだと思いますか?」
安田被告「罰金を兄貴に出してもらったってのが甘かったのかなと思います」
検察官「もういちど聞きますよ。こんなに繰り返してしまう原因はなんですか?」
安田被告「(しばらく考えたあと)かわいいというイメージがあって。でももう顔を合わせてはいけないと思います」
裁判長は8月に罰金を払ってからまだ1か月ほどしかたってないことを指摘したうえで、
裁判長「多少は行っちゃいけないとか、我慢したりとか、したんですか?」
安田被告「はい」
裁判長「でも我慢できなくなって、見に行っちゃったということですか?」
安田被告「はあ、そこに行けば見れるかな、間違いなく見れるかなって」
(以下、略)


安田被告は性器露出を繰り返していたのですから、ストーカー云々以前に性依存症だったと考えられます。ただ、性依存症と言っても中身はさまざまです。性依存症の治療プログラムというものは存在しますが、誰にでも有効というわけにはいきません。安田被告も性意識の歪みやら、性衝動をコントロールできない等の問題はありますが、根底にあるのは安田被告が孤独であるという事実でしょう
つまり奥さんもおらず、同棲している女性もいません。セックスパートナーもいないのであり、完全に1人です。性依存症の治療プログラムより、安田被告の孤独を解消する方が有効だったのではないか、と考えます
女性ではなくとも、同年代の男性とワイワイガヤガヤ交流できたなら、生活も変わったのでは?
地域の男性と繋がりが乏しく、積極的に交流できるタイプではなかったとしても、孤独だからこそ誰かと繋がっていたいと思い、ストーカー行為が止められなかったと推測します
つまり71歳の孤独な老人の生き甲斐だったと解釈できます。ただ、それがストーカー行為ですから迷惑であり、不快に感じるのは当然です。刑事罰を科すのはもっともなところです
ただ、安田被告の孤独が解消されない限り、刑務所を出ても同様の行動を繰り返すはずです
安田被告に知的障がいがあるのかどうか、も気になります。知的障害がすべてが自己統制の効かないタイプだと決めつけられませんが、ひょっとして軽度の知的障害がある人なのかな、と記事を読んで感じました
65歳以上で生活するのに介護が必要なら介護保険の利用が可能です。デイサービスなど使って人との交流機会を増やし、孤独を解消するようにしてみてはどうでしょうか?

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