追手門学院の退職強要研修 労働災害認定へ

企業などが従業員を退職に追い込むため、外部の研修講師を利用して圧迫研修を受講させ、心身を疲弊させて自己都合退職を仕向けるというのはままある話です
当ブログで取り上げた追手門学院のパワハラ研修では、受講させられた元職員2人がうつ病になったとして労働災害の申請を出していました。このほど大阪労働者災害補償保険審査官が実施された研修とうつ病との因果関係を認める判断を下したと報じられ、近く労災認定が下りるものと思われます
ただ、これで問題解決というわけではありません。執拗に退職を迫った追手門学院と退職者との訴訟はいまだ係争中です
追手門学院では2018年、事務職員18人を対象としてブレインアカデミーの講師による研修が行われたのですが、これは18人全員を退職させる目的であり、およそ研修と呼べる内容ではありません。5日間に渡って繰り返し罵詈雑言を浴びせ続けたものです


学校法人「追手門学院」(大阪府茨木市)の40代の男性の元職員2人が、出席者の人格を「腐ったミカン」などと否定する研修を受けさせられて鬱病を発症したと訴えた労災申請について、大阪労働者災害補償保険審査官が、研修と鬱病発症との因果関係を認める決定をしたことが28日、分かった。
労働基準監督署はこれまで因果関係を否定して休業補償給付を不支給としていたが、この決定を受けて労災と認定する見通し。
決定によると、男性2人は同学院で勤務していた平成28年夏、5日間の職員研修への出席を指示された。研修では外部講師が「あなたはノーサンキュー」「老兵は去るのみ」などと発言しながら繰り返し退職を迫り、その後、2人は鬱病を発症した。
この外部講師は研修で、出席者全員の前で、別の男性=すでに労災認定=に「腐ったミカンは置いておけない」とも発言しており、同審査官は「同じ受講生として恐怖感を抱くもの。執拗な退職勧奨で、心理的負荷が強い」と認定した。
3人は令和2年8月、学院と研修を実施した会社に損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こし、係争中。
今回、因果関係が認められた元職員1人の主治医は、昨年末に発生した大阪・北新地のクリニック放火殺人事件で犠牲になった西澤弘太郎院長=当時(49)=だったといい、この元職員は「悩みを理解して真摯(しんし)に対応してくださった。深く感謝しています」と語った。
(産経新聞の記事から引用)


研修を担当したブレインアカデミーは取材を拒否し、研修の是非について何も説明しないままです
ただ、退職を強要された元職員はブレインアカデミーと追手門学院を相手取って訴訟を起こしており、ブレインアカデミーが無関係というわけではありません
ブレインアカデミーは私立学校に幅広く食い込み、クビ切り役を務めているのだとか。事務職員といえども長年務めると給料が高くなります。なので、ベテラン職員をクビにして給料の安い若い職員だけにするという、私立学校の経営方針に沿って営業活動をしているのでしょう
ブレインアカデミーはその企業理念を以下のように述べています(HPから引用)

教育は、未来をつくる仕事です。
人と真剣に向き合い、育み、
そして新たな教育を創造しようとする教職員の意志は
変わりゆく世の中において
子どもたちの未来を明るく灯していくと私たちは考えています。
私学という、多様で可能性に満ちた教育の場は、
人の成長を願ってきた場でもあります。
私たちは、その想いに応えるため、様々な事業を紡ぎあげてきました。
これから先も私学振興、私学支援というミッションのもと
常に、教職員のあるべき姿をともに考え、刺激しあい
魅力ある私学を一緒につくりあげていく。
それが、私たちブレインアカデミーの在り方です。

立派な存念ですね。そのためには罵詈雑言を浴びせてでもクビを切るという信念には恐れ入ります
追記:追手門学院と元職員の男性ら3人が損害賠償などを求めた訴訟が続いていたのですが、2023年6月、地裁の非公開手続きで、元職員の地位確認請求を受け入れる「認諾」をしており、和解に向けて動いています
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