岡崎警察署暴行死 留置係は戒具使用規定知らず

岡崎警察署の留置場で男性が死亡した事件の続きです
まず、岡崎警察署の留置場係として勤務していた警察官のほとんどが、「戒具使用の規定について知らなかったと話している」と報じられています。岡崎警察署の留置管理課に警察官が何人配置されているのか不明ですから、「ほとんど」が何人なのか気になる所です
法務省の矯正施設では金属手錠や革手城の使用について省令や使用規則が定められており、その使い方と法令上の根拠については繰り返し研修を実施しています(刑務所や拘置所での戒具使用が裁判になる例がたびたびあるため、戒具を使用する原則を徹底して教えています)
戒具を使用して保護房に収容した際には対面監視となるのは当然で、監視カメラの映像を見るだけで済ませる、ということにはしていません
なので、岡崎警察署の留置管理課長が部下をきちんと指導・教育していなかったのでしょう


愛知県警岡崎署の留置場で勾留中の男性が死亡した問題で、署員らが監視についての内規に違反していたことがわかりました。
警察官への公務執行妨害の疑いで逮捕された男性(43)は、岡崎署の留置場で暴れたため、ベルト型の手錠などでのべ140時間以上手足を拘束されたのち、12月4日に死亡しました。
関係者によりますと、手錠などで体を拘束した際は対面での監視が警察の内規で定められていますが、署員らは大半の時間を監視カメラでの映像確認しかしていなかったことが新たにわかりました。
当初の警察の聞き取りに対し、担当した署員のほとんどが「内規を知らなかった」などと話していたということです。
男性は24時間体制で対面などでの監視が必要な「特別要注意者」に指定されていて、警察は監視体制に問題がなかったか調べています。
(東海テレビの記事から引用)

愛知県警岡崎署の留置場で男性(43)が勾留中に死亡した事件で、署員の一部が床にこぼれた水を飲むよう男性に指示した疑いがあることが23日、捜査関係者への取材で分かった。男性が収容されていた保護室の監視カメラに、署員が床を指さす様子が写っていた。弁当を出す際、食事をふたにひっくり返して提供した疑いがあることも判明。県警は特別公務員暴行陵虐容疑で署員らから一連の行動の経緯や理由を聴いている。
捜査関係者によると、署員はコップに入った水を男性に提供したが、何らかの理由で保護室の床にこぼれ、直後、床に広がった水を指さした。飲むよう促したとみられる。
(共同通信の記事から引用)


弁当を蓋にひっくり返しで提供した、との表現は誤解を招きやすいのですが、戒具で両手を固定して使えないため、蓋の上に弁当の中身を出し食べさせたという意味です
矯正施設の例を引き合いに出すわけですが、戒具を使用していると手が使えないため、四つん這いになって口だけで食べる「犬食い」の格好になります。御飯をおにぎりにして皿に乗せ食べさせていた例もあります
ただし、戒具を外さず食事をさせていたのが裁判で問題になりました。現在では余程の事情がない限り、食事の際には戒具を外すよう矯正局から通達が出ています。ただ、箸を使用させるとそれが自傷行為につながったり、職員襲撃の凶器になるので、箸ではなくスプーンを使わせているはずです
警察の留置場には紙皿とかスプーンといったアイテムが用意されていないため、割子弁当の蓋を代用してそこに弁当の中身を乗せて食べさせたという事情があり、これは虐待と呼ぶべき行為ではありません
それでも戒具をした状態ではコップの水を飲めないのであり(職員が介助して飲ませてやれば可能ですが)、適切な対応をしていたとは思えません。2時間に1度は給水させないと脱水症状を起こす危険があります
もちろん、連続して戒具を使用し続けたというのが根本的な問題であり、法令を無視した行為です。岡崎警察署の留置管理課長までもが戒具使用の規定を知らなかったのでしょうか?

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