放火殺人で無期懲役も再審で無罪になった母親の顛末

1995年、保険金目的で自宅に放火したとして逮捕・起訴され無期懲役判決を受けた女性が再審の結果、無罪判決を勝ち取りました。つまり冤罪という判断が下ったわけです
ただ、この事件は決して冤罪で済まされるものではありません。無罪判決を勝ち取った青木恵子さんは大阪府警や大阪地検から違法な取り調べを受けたとして賠償を求める訴訟を起こし争っています。ただ、その報道に対してニュースのコメント欄では辛辣な意見が多く書き込まれています
放火殺人で無罪を得たにも関わらず批判が寄せられるのは、青木さんが当時同居していた内縁の夫である韓国人男性との関係を維持するため、11歳の長女に夫ともに性的虐待を加えていたと無期懲役判決を下した原裁判で明らかにされたためです。自分の娘を性のオモチャとして男にに差し出すという、おぞましい事実が暴露されたにも関わらず、メディアは青木さんを冤罪被害者として扱い、性的虐待には触れないように扱ってきたため、「それはないだろう」との意見が寄せられるわけです
賠償請求の裁判の報道と、文春オンラインによる性的虐待報道の2つを貼っておきます


27年前、大阪市東住吉区で当時11歳の女児が亡くなった火災を巡り、殺人罪で服役した後、再審・無罪となった母親が違法捜査などを訴えた裁判の控訴審で、国側が和解に応じず交渉は決裂し、判決が言い渡されることになりました。
青木恵子さんは1995年、自宅に放火し長女を殺害したとして服役した後、やり直しの裁判で無罪が確定。警察と検察の違法捜査を訴え、国と大阪府に対し損害賠償を求めていました。
一審は、大阪府警の違法な取り調べを認定し、府に約1200万円の支払いを命じましたが、検察については「違法とまでは言えない」として、国の責任は認めませんでした。
青木さん側と大阪府がそれぞれ、判決を不服として控訴していましたが、先月、大阪高裁は青木さん側が求めた当時取調べを行った検察官の証人申請を却下し、裁判は結審していました。
裁判長の意向で和解協議が設定されましたが、22日、国側が「和解には応じない」とし、大阪府も「国が応じなければ、単独では和解できない」として、交渉は決裂しました。
記者会見を開いた青木さんは「和解に応じてもらって、早く裁判を終わらせたいという気持ちもあったので、怒りが収まらない」と話していました。
(読売テレビの記事から引用)

晴れた冤罪。だが内縁夫の性的虐待はなかったことになった ――青木惠子さん55歳の世にも数奇な物語
性的虐待をなぜどこも報じないのか?
私がこの事件に出会ったのは3年前の8月。青木さん(55=現在)の再審無罪判決が出た日だった。大阪で司法担当になったばかりの私は、判決文を見て驚いた。内縁の夫だったBさんによるめぐみさんへの性的虐待のことが記されていたからだ。しかもそれがもとでウソの自白を迫られている。冤罪の決定的要因とも言えるこの性的虐待のことを、NHKも含めどこのマスコミもほとんど報じていない。なぜなのか?
私はBさんの無罪判決後の会見で、彼がこの問題にどう触れるのかに注目した。ところが一言も触れない。そして会見に参加している記者も誰も聞こうとしない。
さらに後日、国賠訴訟を起こした記者会見で、青木さんは提訴の理由について、「娘への性的虐待を使って自白させた。その警察の汚いやり方が許せない」と述べた。私はその言葉をそのまま原稿にし、NHKのニュースで流れた。これはさすがに各社も報じるだろうと思ったら、国賠提訴自体は記事やニュースになっているのに、性的虐待のことはどこも触れなかった。
メディアもタブー視していた
数日後、別の裁判の取材で、とある新聞社の記者が話しかけてきた。
「相澤さん、よく性的虐待のこと、ニュースにしましたねえ。Bさんの方から何か言われませんでしたか?」
そんなことを気にしていたのか!
性的虐待に触れることはタブーだったのだろう。放火殺人は冤罪でも性犯罪は有罪というのは、Bさん本人というより、そのことを報じるマスコミにとって都合が悪かったのだろう。だから闇に葬られた。それゆえ、この事件はいつまでもスッキリしない。これを解消するには、性的虐待が招いた冤罪の悲劇としてきちんと番組で伝えるしかない。そう考え、共感してくれるディレクターと番組を提案し、2017年12月にNHKスペシャル『時間が止まった私』を放送したのだ。
(以下、略)


メディアにとっては冤罪という部分のみを大きく扱い、「警察や検察による権力の乱用の犠牲になった女性」という扱いの方が報道する価値があると判断しているのでしょう。11歳の少女が母親と義父の欲望の犠牲にされた、という事実は扱いたくないのです
ただ、上記のようにニュースサイトのコメント欄には、「娘を性のオモチャにした母親が何をいまさら被害者面しているのか」といった意見が多く寄せられるのであり、メディアの思うような「冤罪を晴らしたヒロイン」扱いはなっていません
何をどう報道するかはメディアの裁量であり、特権です。しかし、世間一般は決してメディアの報道をそのまま受け取るだけではないと、この件を見れば分かります
この事件に関心のある方は「東住吉事件」で検索してください。詳しい情報が得られます

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